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5年で変わるもの、変わらぬもの

初の秋晴れに笑い声が響き渡った! ニコニコ町会議 大阪ほぼレポ

2016年11月20日 19時30分更新

若干暑さも感じる過ごしやすい天気の中、ファイナルとなる町会議大阪が開催された

 ついに5ヵ月の長きにわたっての全国ツアーが大団円を迎えた――。ニコニコ町会議といえば、動画コミュニティーサービスのniconicoが毎年夏から秋にかけて全国各地で実施しているイベントだ。5年目になる定番の企画で、今年は7月から滋賀、大分、徳島、宮城、岡山、富山、北海道、愛知県を回ってて、11月13日にはファイナルとなる「大阪府 大阪市 ニコニコ町会議 in 水都大阪2016」が実施された。

 笑いの本場という大阪だけあって今年も20人近くの吉本芸人が協力し、来場者とネットの視聴者に絶え間ない笑顔をもたらしていた。最終的に3万人の来場者と、累計で33万人の生放送視聴者を集めた熱気をレポートしていこう。


笑顔の絶えない6時間半!

 大阪の町会議は今年で4回目だが、「水都」と名前がつくだけあって会場はいつも川のそばだ。2013年は道頓堀川ぞいの湊町リバープレイス、2014年は安治川に挟まれた中之島公園、2015年は湊町リバープレイス、そして2016年は中之島公園と、いまのところ2つの会場を行き来して開催している。そして水都なだけあって(?)3年連続で雨に見舞われていたのだが、その前例を覆して今年は初めて晴れたというのがうれしいサプライズだった。

 メインステージは中之島公園にあるバラ園の少し先、高速道路の高架下に設置。その先の通路と芝生の上に各ブースを展開して、いずれも人だかりを集めていた。来場者で目立っていたのは、コスプレイヤーさんで、芝生や川沿いでアマチュアカメラマンも交えた即席撮影会が行われていた。晴れたせいか例年よりコスプレしようという人が増えて現地の更衣室の前には大行列ができ、運営側は急遽テントを増やすという対応に追われていたのが印象的だ。

オープニングの様子。スタート直後だというのにスゴい熱気です

フリーザ(BANBANBAN 山本正剛さん)、カイジ(こりゃめでてーな伊藤広大)、アスカ(桜 稲垣早希)、ベジータ(R藤本)と、キャラなりきり芸人も大集合!

オープニングの挨拶に西川きよし師匠が登場。「VRをぜひ体験してみたいです」と発言して、大歓声に手を振って応えていた。「小さなことからコツコツと!」の掛け声に合わせた鏡開きで町会議スタートです!

 今回、なによりインパクトが強かったのが、きよし師匠による「HADO」の体験だ。HADOはヘッドマウントディスプレーを頭に、センサーを手に装着し、腕を動かしてエナジーボールを打って戦うというARテクノスポーツで、今年4月のニコニコ町会議にも出展していた。CGのモンスターと戦うこともできるが、今回は1対1の対人戦を用意。

 オープニングを終えたきよし師匠がこのブースを訪れて、出演者の一人であるゲーム実況者・最終兵器俺達のこーすけさんと対戦。残念ながらこーすけさんの容赦ない攻撃に敗れてしまったが、体力を使いはたしたのか「誰かお医者さんいませんか」と発言して周囲を笑わせていた。

前哨戦として、フリーザvsベジータの夢のカードが実現。あっ、これジャ○プでみたやつだ!

きよし師匠はいつもよりさらに目を見開いて戦っていたのが印象的でした

ミニステージにて、小ネタを披露する「ドラゴゲリオン 集えネタ勢! 荒芸武道会」を実施。生放送のタイムシフトでは1時間54分ぐらいから始まるので、現地の妙な熱気を感じ取ってほしい

客船に乗りながらアナログゲームを楽しむ町ゲームクルーズ。お目当の実況者と一緒の船に乗ろうとして、客席の抽選にも長蛇の列ができていた

毎年恒例の「町新喜劇」も実施!

niconicoからは、リアルアキバボーイズのマロンさん、ムラトミさんのほか……

みるきぃぬさんが出演していた。誰にでも親しめる完成されたネタを、こんなに間近で無料で見られるって素晴らしい!

町ステージショーの最中に、生放送が止まるというハプニングが発生! 再開時には、そのときに出演していた歌い手の「あじっこ」さんとMCの百花 繚乱さんが変顔をして笑いを取っていた

めろちんのDJでは、会場全体が水面のように揺れていました。まさに水都のイベント!

大阪町会議のエンディングといえば、この人、村上ショージさんは欠かせません! 持ちネタの「ドゥーン!」をかまして、ステージ全員をコケさせていました

最後は音速兄貴のバンドをバックに、「いーあるふぁんくらぶ」のご当地替え歌「おーさかふぁんくらぶ」を全員で熱唱して大団円を迎えました

 2006年12月12日に始まったniconicoは、今年の12月12日で10周年を迎える。町会議も今年で5年目で、累計48会場で開催してきたようにかなり定番のイベントとなっている。

 面白いのは過去5年間、主要な出演者や運営スタイルが大きく変わっていないことだ。もちろん「マンネリ」という批判もあるが、ドワンゴの川上会長をはじめ運営側も超会議について「マンネリを目指す」と語っているとおり意図的にそうしているのだろう。

 残念ながら、初期のniconicoの熱量で生まれたような新しすぎて奇妙なものは、端的にいえば「キモい」と受け入れられないものだ(筆者は大好きですけどね)。それが継続して多くの人を巻き込むことで見慣れたものになって角が取れて行き、誰でも安心して楽しめるものへと変質していく。10年かけて熟成されたniconicoは、まさにその境地にある。

 一方で、出演者やユーザー自身はこの10年で大きく変わってきている。2006年にniconicoを熱心に活用していた20歳前後のコア層は、そのままアラサーとなり、結婚して、家庭を持ち、子供が生まれて……となっている。今年の町会議でも、カップルや子持ちの来場者を多く見かけた。

 出演者でいえば、りりりちゃんの成長が著しい。5歳から投稿を始めて、この11月で11歳の誕生日を迎えたわけだ。物理的に大きくなるだけでなく、ダンスもどんどんブラッシュアップされて行く姿を見て、「ニコ厨」歴が長い人なら親戚のおじさん・おばさん気分で「おおきくなってー」と見守っているに違いない。

 リアルアキバボーイズも、超会議の前身となる「ニコニコ大会議」にてダンスパフォーマンスを披露していた(関連記事)。その後、テレビ出演などを契機にファンを増やして行き、今では海外イベントにも引く手数多な人気グループに成長していっている。そういえば同じ大会議にもR藤本さんがベジータとして出演していましたね……!



 そんな変わらぬもの、変わるものの間で、「実家のような安心感」を提供してくれているのが町会議だ。2日間で10万人を超える人が集まる超会議とは異なり、アットホームでいつも「うちの町にniconicoが来た!」という素朴な喜びがお客さんから伝わってくるのが、取材していて気持ちのいいところだ。

 これからも多くの人の人生とともに進んで行くであろうniconico。来年の超会議、町会議がどう変わって、変わらないのか、やっぱり目が離せません。

また来年もお会いましょう!!

*次ページより秘蔵ショットを一挙公開!

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