週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

自社製品の操作説明にとどまらず、業務相談まで受ける弥生の戦略とは?

驚き! 業務相談まで受ける凄腕カスタマーサポートセンターに潜入!

2016年08月19日 08時00分更新

左から弥生 顧客サービス本部 岸本昌之氏、マーケティング本部 吉岡伸晃氏のお二人に話を聞いた

 弥生といえば、会計事務所や税理士、法人事業者に愛用者が多く、2年前からは個人事業主や中小企業主に向けて、オンライン上で利用できる財務会計から確定申告までをフォローするサービス「やよいの白色申告 オンライン」や「やよいの青色申告 オンライン」を提供している。

 そのカスタマーサービスの質や手厚さが評判を呼び、ユーザー数が右肩上がりながら、カスタマーサポートへの問い合わせ率が減っているという。

 弥生はいま何をしているか、どんなビジネス戦略をとっているのかを、大阪の新拠点に移った弥生のカスタマーサポートセンターで話を聞いてきた。

顧客は業務ソフトの「購入」が目的ではなく、ご自身の「業務の高効率化、成功」が目的であり、「お客さまの課題を解決し、事業の成功へつなげること」がカスタマーサポートセンターのミッションであると弥生

会計ソフトメーカーではなく「事業コンシェルジュ」

 「顧客にとって会計ソフトは、(自社業務を円滑にするための)手段に過ぎない。顧客の目的は自社事業の成功。私たちのビジョンは、顧客が目的を達成するための支援をする「事業コンシェルジュ」になること」と、弥生は宣言している。

 この考えは弥生が元々、「年間契約の保守サービスをサブスクリプション」のビジネスモデルを確立し、長期に渡りユーザーとの関係を築いてきたことが要因にある。

 近年、ビジネスモデルは「サブスクリプション」にトレンドが移行している。例えば楽曲を配信サービスを通して、サブスクリプションで聴くような流れに変化してきたように、会計ソフトにかかわらず、企業とユーザーとの関係が長期に渡るようになってきた。

 

いまではでは、ソフトの操作サポートからユーザー自身の業務相談までを受けるようになったという

 海外では、カスタマーサポートがビジネスの中心となり、「顧客の成功」を目的に置く「カスタマーサクセス」という概念が生まれている。弥生は、これまでもカスタマーサクセスに取り組んできたといえる。

 実は弥生が「事業コンシェルジュ」をビジョンとして打ち出す前から、ユーザーからはソフトの操作サポートの範囲を越え、業務にまつわる質問や相談が寄せられるようになったという。そこで、顧客サービス本部からマーケティング部に提案が上がり、仕訳相談が始まった。その後も業務相談を増やし、2015年後半からは「マイナンバー相談」、「労務相談」を受けるようになった。

迷える弥生ユーザーは今すぐ相談すべし

 製品として「弥生会計」を販売し始めたのは1978年。そこから社名の変更など会社組織は変われど、会計のノウハウは長年にわたって蓄積されてきた。

 それまでは、操作やデータのバックアップの取り方などソフトにまつわるサポートの相談が主であったが、2002年「やよいの青色申告」の発売にともない、個人ユーザーが増えたことで各サービスの使い方より、業務や確定申告の相談が多くなったという。

 「AIやチャットボットによる、お客さまサポートも近ごろトレンドのようですが、経理業務にいたってはお客さまご自身がなにがわからないかが、わからない状態が、多いようです。そこでお困りになって、私どもにご連絡をしてくださる。サポートセンターのオペレーターと会話をしていただくことによって、問題の糸口が見える。近い将来はわかりませんが、いま現在は人間が聞き出すことでお客さまの深層の問題がわかり、解決のお手伝いにつながる」と弥生 顧客サービス本部 岸本昌之氏。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう