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11.2MHzに進化したAKIRAのサウンドを体験する

DSD版「交響組曲アキラ」は、音の氾濫を体で感じさせる

2016年08月03日 20時22分更新

 1988年に劇場公開されたアニメ『AKIRA』(大友克洋監督)。

 その世界観を支える要素の一つに音楽の力があった。このサウンドは芸能山城組を率いる山城祥二(大橋力)氏が担当した。能楽や念仏、男性合唱、ブルガリアンボイスなど、さまざまな地域に伝わる“人の声”。現代的なシンセサイザーとガムランやジェゴクなど伝統的な民族楽器の利用。これらが東洋と西洋の枠を超えた、独特で壮大で重厚な雰囲気を醸し出している。

Symphonic Suite AKIRA 2016 ハイパーハイレゾエディション

 そんなAKIRAの世界を表現する10曲で構成したアルバムが『Symphonic Suite AKIRA』(交響組曲アキラ)だ。1998年(1994年に再販)にCD盤がリリースされたのち、2002年3月には192kHz/24bit、4.1chで収録されたDVD-Audio盤『Symphonic Suite AKIRA 2002』もリリースされた。

 そして登場したのが今回の『Symphonic Suite AKIRA 2016 ハイパーハイレゾエディション』。2016年の7月16日から様々なサイトで配信が開始されている。最大11.2MHzのDSD形式が選べ、一般的なハイレゾの器を超えた“スーパー”なハイレゾ盤が登場したと言える。

e-onkyo主催で試聴会が開催された。公開当時やパッケージ販売時のパンフやポスターなどで会場が飾られていた。

 価格は11.2MHzのDSD版のアルバム購入で5292円。ちょっと高価になってしまうのだが、曲ごとのバラ売りもされているので、興味がある人は1曲だけでも聴いてほしいと思う。1曲だけというのなら、14分と長大な楽曲で7部からなる大作の10曲目「レクイエム REQUIEM」だ。合唱・オルガン・ポリフォニー・ジェゴクなどの響きが複雑に絡み合い、響きの厚みが体験できる。この曲を切り出す形で、1曲目の「金田 KANEDA」などが生まれたのだという。

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