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選挙で誰に投票すべきかExcelが教えてくれた

2016年07月05日 06時00分更新

 第24回参議院議員選挙は今週末7月10日が投開票日。18歳にも選挙権が与えられる全国初の選挙ということもあり結果に注目が集まっているが、候補者を選ぶのは大人でも難しい。家電のように候補者を横並びにして選びたい。

 評価基準の1つは主義主張だろう。主義主張を数値化できるものというと報道各社のアンケート調査などがあたりそうだ。たとえば朝日新聞が東京大学と共同調査しているアンケートがある。5段階評価なので比較に便利だ。

 何かを選ぶのに便利なのは消去法だ。必要とするものにあてはまらないものを消去し、残ったものを検討すればいい。朝日の公式ページで消去はできないので、5段階評価をExcelに入力、項目をフィルター抽出できるようにした。

朝日・東大共同調査をもとに主義主張を5段階でフィルタリング。高い(低い)数字をつけている候補者を消していくと、投票すべき候補者があっという間に絞りこめるので便利だ

 「憲法改正」「消費増税」「同一労働同一賃金」「同性婚」「外国人労働者」など、自分がとりわけ気になる項目で点数を見て、自分と反対の主張をしている候補者を消していくと、驚くほど簡単に絞りこめる。あとは絞りこんだ候補者について調べれば、投票するならこいつしかいないという1人が消去法で決まる。

 候補者を次々に消していくと、国の主権者気分を味わえて気持ちがいい。「だめだ、おまえたちにこの国はまかせられない」「もういい、わかった。失せろ」と、中学生のようなことを言いながら消していくのがおすすめだ。

 問題はExcelシートを入力するのが面倒くさいことだ。願わくは新聞社はアンケート調査をCSVファイルとして公開するか、APIで調査データを呼び出せるようにしてほしい。自分も同じアンケートに答えて、統計的に主義主張が近い候補者を選んでくるような「選挙診断」的サービスも開発できそうだ。

 Excelシートをちまちま作りながら疑問だったのは「すべて無回答」はともかく「すべてどちらとも言えない」候補者。どうして選挙に出てきたのか不思議だ。まったく主義主張がなくても政治家になりたいと思うものだろうか。好きな本や雑誌がなくても出版社に入ろうとするようなものだろうか。

 「若者は投票に行こう」「行かないと後悔する」「候補者をよく選んで」と言うのは簡単だが、選び方・調べ方を知らないまま候補者リストを見せられても困惑するだけだろう。候補者に関する情報を収集・整理・分類・抽出する方法を教えてから言うと説得力がある。わかればきっと楽しいはずだ。

※なお記者自作のcsvファイルはこれ。入力したのは東京の候補者のみ。データ引用元は朝日新聞社。しっかり校正しているが、もし誤りがあっても保証はできないのであくまでご参考まで




盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、記者自由型。戦う人が好き。一緒にいいことしましょう。Facebookでおたより募集中。トレンド解説コラム「トレンドPicks」ASCII倶楽部で好評連載中!

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