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これでいいじゃんと思えるできの良さ

モニターヘッドフォンの鉄板ならこれ、「HA-MX100-Z」を聴く

2016年06月15日 15時00分更新

HA-MX100-Z。ビクタースタジオで実際に使用されているモニターヘッドフォンだ。

 ソースの魅力をなるべくストレートに認識したい。そう思う人にとって、極めて魅力的な選択肢になりそうなのが、ビクタースタジオがプロデュースしたヘッドフォン「HA-MX100-Z」だ。

 ビクタースタジオに納入され、音源制作の際にアーティストやエンジニアがこの音でチェックする、正真正銘のスタジオモニターである。

 世の中には、スタジオモニター用途に最適とうたうヘッドフォンが数多く存在する。例えば多くのスタジオで稼働している、ソニーの「MDR-CD900ST」あたりが定番。フラットで色づけない再生音、ソースの細かな違いを的確に描き分けて、再現できる能力がウリだ。

 音楽を楽しむためのヘッドフォンを“リスニング用”、音を確認するためのヘッドフォンを“モニター用”などと区別することがある。再生音を楽しむというよりは、録音時に音を確認する、いわばプロの道具であり、“粗”も含めて、再生する音の素性をつまびらかにすることが求められるわけだ。

スタジオの音をそのまま聴くことができる

 それではプロではない一般ユーザーが使う利点は何だろうか? ひとつは同じ機材を使うことで、音源を制作する際にスタジオで、エンジニアやアーティストが“実際に聴いた音”に限りなく近づけるという点だろう。

 もうひとつは、スタジオモニターが持つ“信頼性”や“コスト性能”だ。長年にわたって業務で酷使される製品であり、破損や故障に強くなければならない。同時に大量導入が前提だから、高価になりすぎてはいけない。ビクタースタジオには、8つのスタジオがあり常時80~100個のヘッドフォンが稼働しているという。

 発表会でも、HA-MX100-Zもコスト性能には相当こだわった点が強調されていた。結果としてリーズナブルな価格で壊れにくいというメリットがユーザーに還元された。2万円台半ばの製品としては出色のできだと思う。

ハウジング部分の分かりやすい色分け(左は青、右は赤)もモニターヘッドフォンならではの分かりやすさだ。実用性を重視している。

 デザインも実用性が重視されている。例えば左右が分かりやすいようにハウジングの目立つ位置に赤と青の色分けしている点は典型的だ。

 逆にデメリットとしては、ケーブルが2.5mとかなり長いこと。かつ着脱(交換)ができない点である。ここは考え方だが、着脱すれば、耐久性などに影響が出るし、ポータブルではなくスタジオでの利用を考えるとある程度ケーブルの長さがあったほうがいいという判断なのだろう。

イヤーパッド部分。ダイナミックドライバーを使用している。

 またハウジング部分を反転させて、片耳だけに当てるといったことはできるが、折りたたみ機構はない。持ち運ぶ用途はあまり想定していないことが分かる。

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