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8TBでも4万円台!ヘリウム充填HDD『WD Red』でPCの容量不足を一気に解消

2016年06月12日 09時00分更新

WD Red

 デジカメの写真データや動画にゲームなど、長くPCを使っていると、たまったデータの保存先に悩まされることは多い。しかし、現在PC用ストレージデバイスの主流になりつつあるSSDは、高速だが容量あたりの単価が高いため、大容量のデータ保存には不向きだ。それゆえ、現状では比較的安価な3.5インチのHDDを購入する方がオトクだ。

 HDDと言えば、今年4月に過去最大容量を更新する10TBのHDDが発売され話題となった。しかし、実売価格はまだまだ高い。今大容量かつコスパに優れるHDDが欲しいなら、これまで最大容量だった8TBのHDDが狙い目と言える。

 8TBのPC用HDDは複数メーカーから販売されているが、8TBもの大容量モデルとなると、ある程度は信頼性を重視したいところ。そこでオススメしたいのが、PC自作ユーザーから幅広い支持を集めるウエスタンデジタルの高耐久HDDシリーズ『WD Red』だ。

WD Red
↑ウエスタンデジタルの3.5インチHDD『WD80EFZX』。NAS向けに信頼性・耐久性を高めた容量8TBの製品だ。実売価格は4万4200円前後。

 WD Redは、もともと中小企業や個人のNASシステム向けに耐久性を向上させたシリーズ。デスクトップ向けのHDDよりも冷却条件が厳しくなるNAS向けに発熱を抑え、故障への耐性を高めており、シリーズの中でも信頼性は随一と言っていい。NAS向けのファームウェア『NASware 3.0』を搭載しているが、もちろん普通のPC向けHDDとしても問題なく利用できる。回転速度は毎分5400回転、接続インターフェースはSATA3.0(6Gbps)で、PC用のHDDとしては標準的な仕様。

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↑ウエスタンデジタルのHDDは、一般向けの『WD Blue』、ゲーミングやクリエイティブ向けの高パフォーマンスな『WD Black』など複数のシリーズをラインアップする。シリーズはパッケージやラベルのカラーで容易に見分けられる。
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接続インターフェースはSATA3.0(6Gbps)。

 8TBモデル『WD80EFZX』の特徴は、空気より低密度なヘリウムガスを内部に充填し、プラッター(円盤状の記憶部分)が回転する際の空気抵抗を抑制する技術“HelioSeal”を採用している点。プラッター回転時の乱流による磁気ヘッドなどへの影響を低減するのが主な目的で、結果的にプラッター枚数を増やすことが可能となり、大容量化を実現している。内部はヘリウムを充填した後で密閉されるため、酸化による部品の劣化が進行しにくくなるほか、消費電力の低減といったメリットもあるようだ。

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↑Windows環境でHDDを導入する場合、ディスクのフォーマットとパーティションの割り当て作業が必要。まずは“ディスクの管理”を選択。
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↑まずはディスクの初期化。ここではGPTを選ぼう。MBRを選ぶのは容量2TBまでのHDDを初期化する場合だ。
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↑未割り当てのディスクをクリックし、「新しいシンプルボリューム」を選択。
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↑ドライブ名を変えたりしないなら、特に設定を変える必要はない。
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↑すべての設定を終えればフォーマットが開始される。完了するまではHDDが認識できないので注意しよう。
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  Windows環境で新たにHDDを導入する場合、ディスクのフォーマットとパーティションの割り当て作業が必要だ。作業を開始するには、“ディスクの管理”メニューから未割り当てのディスクをクリックし、“新しいシンプルボリューム”を選択する。あとは基本的に画面の指示に従っていけば、特につまづくこともなくフォーマットが完了し、使用可能になる。この作業が終わるまで、PC上ではドライブが認識されないので注意しよう。

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↑ストレージの転送速度を計る定番のベンチマークソフト『CrystalDiskMark』の結果。ディスク回転速度は毎分5400回転のため、転送速度はトップクラスではないが用途によっては必要十分な速度。

 実際のデータ転送速度を『CrystalDiskMark 5.1.2』で計測してみた。結果は順次読み込みが毎秒177.8MB、順次書き込みが毎秒171.1MBと、HDDとしてはまずまずの速度と言えるだろう。
 

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↑USB 3.0対応の外付けHDDケースを用意しておけば、ノートPCのデータストレージとしても活用できる。

 また、各メーカーから販売されているUSB3.0対応の外付けHDDケースを用意しておけば、ノートPCのデータストレージとしても活用できる。近年、ストレージにSSDを採用するノートPCが増えたことで、容量不足に困っている人も多いだろう。安いものだと実売1000~2000円前後で購入できるので、1台持っておくと便利だ。USB2.0対応のケースでも使えなくはないが、速度は劇的に遅くなるので気をつけたいところ。

 『WD80EFZX』の実売価格は4万4200円前後で、実売で8万円前後の10TB HDDに比べれば断然安価だ。メーカー保証期間は3年間(店頭での受け付けは1年目のみ)で、同じウエスタンデジタルの一般向けHDDシリーズ『WD Blue』に比べて1年間長いのもありがたい。はじめてのデータドライブとして購入するのはもちろん、数年前に購入したHDDを買い替えたいという人にもオススメできる製品だ。

■関連サイト
『WD80EFZX』製品ページ

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