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ファーウェイがサムスンを特許侵害で米国と中国で提訴

2016年05月25日 15時00分更新

 中国のHuawei Technologiesは5月25日(現地時間)、世界最大手の携帯電話メーカーであるSamsungを相手取って特許訴訟を起こしたことを発表した。米国と中国の2ヵ国で訴状を提出、Samsungが同社にライセンス料(特許使用料)を払わずに特許を使用したと主張している。携帯電話第3位メーカーであるHuaweiが王者に裁判で挑む。

 Huaweiはスマートフォン事業、無線インフラ事業、エンタープライズ事業の3事業を持ち、特に無線インフラでは4Gなどの無線通信技術の標準技術で多数の特許を有する。

 今回の特許訴訟に至った背景について、同事業部が有するセルラー通信技術、ソフトウェア関連の特許技術をSamsungが無断で利用したとしている。同社は多数の企業と特許クロスライセンスを結んでおり、「公正、合理的、非差別的な条項(FRAND)でライセンスすることにコミットしているが、ライセンスなしに利用したことに対し合理的な報酬を求める」として、Samsungに対し損害賠償を求めることを記している。

 米国ではカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所、中国では深セン市中級人民法院の2カ国で訴状を提出したという。

 スマートフォン黎明期にはSamsung、Apple、HTC、Microsoftなど多数の企業がお互いを相手に特許訴訟を起こしていたが、市場の成長が鈍化するにつれて多くが和解に至っている。現在、主要なものとしてはSamsungとAppleが米国で展開している特許訴訟がある。

 Huaweiによると、同社は年間売上の約15%にあたる費用を研究開発に投じており、2015年は92億ドル(596億人民元)だったという。

 世界知的所有権機関(WIPO)によると、同社は2015年に3898件の特許の国際出願を行ない世界1位の企業となった。これは2014年から456件の増加という。2015年末時点で5万件以上の特許を世界で取得しているとのこと。分野としては、LTE、OS、ユーザーインターフェースなどが多い。

 Gartnerの最新の調査(2016年第1四半期)によると、Samsungのシェアは23.2%で1位、Huaweiは8.3%で3位。Huaweiは前年同期5.4%からポイントを増やしており、Samsungは24.1%から約1ポイントの減少となっている。

【5/25 18:30追加】
 Huaweiによると、無線技術が関係した特許訴訟は初めてではなく、米国では過去にMotorolaなどに対して特許ライセンス支払いを法廷で求めたことがあるという。

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