週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

夜間にも強い! ケンウッドのドライブレコーダーの実力を試した!

2016年05月01日 12時00分更新

連休中、出かける前にドラレコを装着したい!

 自動車運転中の動画を撮り続けるドライブレコーダー。タクシーにはほぼ全車装着されていたり、動画サイトで映像がアップされているので、クルマを運転しない人にも知られている存在だ。

 ドライブレコーダーは事故を起こしてしまった、もしくは被害に遭った場合に、動画を保険会社などに提出すれば証拠のひとつとして使えることもあるので、自動車を運転するなら必須アイテムと言える。なんて言っておきながら、筆者はクルマを買い替えてからドライブレコーダーを装着していなかったので、そろそろ付けたいと思っていた。だが、現在はドライブレコーダー戦国時代。中国や台湾の低価格のものから、スペックを追求した日本メーカーのものまで多種多様だ。どれを選んだらいいかわからない、という人も多い。

 筆者はスペック史上主義なので、主に以下の条件を元に良さそうなドライブレコーダーを探した。

  • 解像度はフルHD(1920×1080)
  • レンズのF値は2.0以下
  • 常時録画対応
  • 64GB以上の外部ストレージに対応
  • フレームレートは24fps以上
  • 価格は可能な限り安く

 その結果辿り着いたのが、今回紹介するケンウッドの「DRV-610」(以下610)である。

 ケンウッドといえばカーオーディオやカーナビが有名だが、最近はドライブレコーダーにもチカラを入れており、2014年に「KNA-DR300」、2015年に「KNA-DR350」をリリースし、つい先日発売された最新モデルがこの「DRV-610」と「DRV-410」である。

 610はドライブレコーダーの中でも、性能はトップクラス。2.7型のフルカラーTFT液晶を搭載しているので、リアルタイムで撮影中の映像が見られるほか、レンズのF値は1.8、最大解像度は2304×1296ドット、フレームレートは27.5fps、視野角121度、逆光に強いWDR搭載、GSPやGセンサー搭載、外部ストレージは最大で128GBまで対応とスキがない。さらに車線逸脱警告、前方衝突警告、発信遅れ警告といった運転支援機能も備えている。

カメラは広角121度。フロントガラスの真ん中あたりに設置すれば、前方はほぼカバーできる

運転中はあまり見ることはないが、リアには2.7型のフルカラーTFT液晶を搭載

上部には充電用のUSB端子がある

microSDカードスロットは下部にあるので、取り出しやすい

前面から見て右側には電源キー。エンジンと連動して自動的に電源が入るのでめったに押すことはないだろう

前面から見て左側には各種ハードキー。一番下のキーを押せば、現在モニターに映っているシーンを撮影できる

 位置付けとしては610はハイエンドにあたり、410との違いは内蔵バッテリーを使用した駐車時録画に対応、逆光の処理がHDRではなくWDR(ワイドダイナミックレンジ)、対応microSDカードが128GB(410は32GBまで)など、若干スペックに差がある。また、細かい部分だと、付属のmicroSDカードが16GB(410は8GB)、バックアップ用のカードスロットがあるといった違いもある。

 スペック的には似ているが、大きな差がmicroSDカードの対応容量だ。610が最大128GBに対応しているのは、ドライブレコーダーという製品の特性上、かなりのポイントだ。録画できる時間は長いほうがいい。ちなみに、2304×1296ドットの解像度で録画した場合、128GBなら700分(11時間ちょい)も撮れる。価格は610が2万円~23000円程度、410が1万9000円~2万2000円程度とほぼ変わらないので(通販サイト調べ)、スペック至上主義者としては610をオススメしたい。

 また、2モデルともドライブレコーダー協議会による事故時保証制度対象製品なので、所定の方法で事前登録を行なった人を対象に、ドライブレコーダーを設置した車両で1年以内にレッカー搬送を伴う交通事故に遭った場合、ドライブレコーダーの再購入費用及び諸経費が補填される(一律4万円)。詳しくはドライブレコーダー協議会のサイトをご覧いただきたい→(こちら)。事前登録が必須なので注意しよう。

運転支援機能を使うために、始めにカメラ位置を調整する必要がある

視野角121度なので、かなり広範囲に映し出せる

運転支援機能が働くと、このように各種アイコンが表示される

 実際に愛車に付けて走り回ってみた。取り付けに関してだが、筆者のクルマのルームミラーが分厚いのと、610もドライブレコーダーの中ではそこそこ大きいので、ミラーの後ろに設置することができなかった。また、助手席側に付けてしまうとボタン操作などが不便なので運転席寄りに設置。これで静止画撮影や手動録画がしやすい。配線はシガーソケットから取るタイプと、車両の配線から直接電源を取るタイプ(別売り)の2種類が用意されている。ドライブレコーダーは常に電源が入っていてナンボなので、取り付け工賃を払っても直接電源を取るタイプのほうがいい。シガーソケットタイプだと、スマホを充電したいときなどに不便だ。

 走行中、運転支援機能をすべてオンにしてみたのだが、これは反応したりしなかったりで微妙な結果だった。あくまでも注意を喚起するための機能なので、この機能に頼るものではないのだが、せっかくある機能が思いどおりに動いてくれないのは残念だ。取り付け位置や、ボンネットの形状によっては、もっとちゃんと動くのかもしれない。

 肝心のドライブレコーダーとしての機能は申し分なし。筆者は夜運転することが多いので、暗いところでナンバープレートがハッキリ視認できるのは心強い。先日、友人が夜中に当て逃げをされたのだが、ナンバープレートがちゃんと映っていなかったため、警察に対応してもらえず、無駄に保険を使っただけになってしまった。このような事態を防ぐためにも明るいレンズと高解像度はドライブレコーダー選びの最優先事項にしよう。

 筆者が都内を走り回ったムービーをご覧いただきたい。昼間、夜間、そして夜のパーキングモードの3つ。音声はオフにしてあるが、オンにすれば録音可能だ。

昼間の走行動画

夜間の走行動画

パーキングモード

 昼間の走行動画もWDRのおかげで逆光でも安心。特にトンネルなどの暗いところから突然明るいところに出るといったシチュエーションに強い。トンネル出口は事故が起きやすいから、この機能はうれしい。

 操作性はタッチパネルではなく、ハードキーを押して選択するので、610の設置位置次第では使いにくくなってしまう。ハードキーは右側に多くあるので、助手席寄りに取り付けてしまうと運転席からの操作がしづらいのである。とくに静止画の撮影や設定を変えたいときに苦労する。microSDカードの取り出しは本体下にスロットがあるので、どこにつけても問題はない。

 録画された映像はMP4ファイルとして格納されるので、付属の専用ソフトを使ってもいいし、そのままPCにコピーしてMP4が再生できるソフトで見てもいい。地図や位置情報なども表示できる専用ソフトを使うと詳細がわかり、どこを何km/hで走っていたのかなど、走行ログとしても楽しめる。

ナンバーに一部モザイクをかけているが、この距離でもナンバープレートがハッキリと見えることがわかるだろう

フロントガラスが汚くて申し訳ないが、すぐ目の前のクルマであれば、これだけよく見える

ただし、対向車は苦手。ほとんどナンバーが読み取れない。また、街灯の角度によってはダッシュボードがフロントガラスに反射して映像が見づらいこともある

【まとめ】入門用としても乗り換えにも最適

 一時期のPNDのように、数多くのメーカーから多種多様な製品が出ているドライブレコーダー。だが、事故を起こしてしまった、もしくは巻き込まれてしまったときに、肝心の画質が悪くては意味がない。610と同じようなスペックの製品を使っているなら無理に買い替える必要はないが、ドラレコをまだ付けていない、もしくは数年前の製品を使っているという人は、この製品の購入を検討してみてはいかがだろうか。

 難点としては、本体がちょっと大きいので取り付け位置に迷う、運転支援機能の精度がイマイチ、内蔵バッテリーが少ない、という点が挙げられるが、ドライブレコーダーとしての本質はそこではない。

 解像度フルHD以上、レンズのF値1.8、フレームレート27.5fps、外部ストレージは最大128GB対応、国内メーカー製。このスペックに魅力を感じるのであれば購入をオススメしたい。先日、ライターの柳谷氏がレビューしていた「DrivePro 520」と迷ったのはナイショだが(関連記事)、筆者はすでに610をポチってます。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう