2015年11月13日10時00分

「dポイント」でわかるFeliCaにおけるiPhone効果とキャリア選びの新しい選択軸

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dポイント
dポイントカードのパネルをもつドコモの加藤薫社長

 ドコモがポイントサービスをリニューアル。「dポイント」として、リアル店舗の連携を強化させる。

 12月1日から、ドコモショップやパートナー企業の店頭で「dポイントカード」を配布。対応店舗では、カードを提示するだけで1%のdポイントが貯まるようになる。すでにローソンでは、クレジットカード(DCMX、12月からはdカード)で決済すると、おトクに買い物ができるというキャンペーンを展開していたが、クレジットカードの支払い額が2.2倍にまで拡大したという。

 ドコモでは、12月からマクドナルドとも業務提携を行ない、ハンバーガーがおトクに買えるキャンペーンを展開していく。

おサイフケータイを推進するドコモが
「プラスチックカード」にこだわった理由とは?

 今回、ドコモがこだわったのが「プラスチックカード」の展開だ。dポイントカードを無料で配布するのだが、目標枚数は「5400万以上を狙いたい」(加藤薫社長)と強気だ。

 dポイントのサービスはキャリアフリーで提供されるため、5400万というドコモの全ユーザーだけでなく、他キャリアユーザーにも使ってもらいたいと意欲的だ。とはいえ、まずはドコモユーザーを囲い込むことが先決だろう。

dポイント
今回発表されたdポイントカードおよびdカードはすべてプラスチックカード

 ドコモがプラスチックカードにこだわったのは「わかりやすさ」というのがありそうだ。これまで、おサイフケータイを訴求し、ケータイやスマホひとつで簡単に支払えることをアピールしていたが、実際に使っているユーザーは1〜2割程度しかいないという状況にある。「設定が面倒」、「落としたら不安」、「セキュリティー面が心配」ということもあり、一般ユーザーにはなかなか広まらないという事情がある。

 ITに詳しい人からは、おサイフケータイの利便性から抜けられず「iPhoneがメイン端末だが、おサイフケータイのためにAndroidスマホも併用している」という声も多く聞く。ただ、おサイフケータイを使いこなしている人でも「機種変更の度におサイフケータイを対応アプリを移行させるのが面倒」と嫌気をさしている人もいる。

 実際、筆者はiPhoneがメイン端末であるため、Suica利用の際は、オートチャージ対応のクレジットカードで改札を通るようになってしまった。

 また、加藤社長は否定するが、ドコモのなかでもiPhoneユーザーが増えたことで、おサイフケータイ離れが進んでいるという傾向もあるのかも知れない。だからこそ、このタイミングでおサイフケータイではなく、プラスチックカードのほうに注力しているのは間違いない。

 実際、KDDIもau WALLETを始める時に、こだわったのがプラスチックカードの展開だ。FeliCaやNFCでは、決済できる場所にどうしても制限が出てきてしまう。その点、プラスチックカードで決済できれば、支払える場所は格段に広がる。

 キャリアとしては、これまでおサイフケータイの普及に努めてきたが、これ以上の広がりに限界を感じてきたのかもしれない。

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先行しているKDDIの「au WALLET」もメインはプラスチックカードでの展開だ

ポイントの貯めやすさ、使いやすさが
今後のキャリア選びに大きな影響を与える

 ドコモやKDDIがプラスチックカードで日々の生活を「おトク」と感じさせる背景にあるのは、ユーザーがカードを使うことで「自分はドコモを使っておトクになっている」と認識させるのも狙いのひとつにありそうだ。

 この数年、3キャリアでiPhoneが販売され、ネットワークの大きな違いも肌感覚では少ない。料金プランも横並びで「どのキャリアを使っても同じ」という状況になりつつある。

 ユーザーとしては、究極的にはどのキャリアでもよくなり「安いなら、格安スマホに乗り換えるか」という気にもなってくる。

 キャリアとしてはユーザーに自分たちのキャリアを認識してもらい「いま、辞めると損をする」という意識を高めてもらいたいために「プラスチックカードで、日々ポイントが貯まる」というおトク感を植え付けようとしているのだ。だからこそ、おサイフケータイのなかに入ったアプリで決済してしまっては意味がないのだ。

ドコモ
dポイントクラブのステージはdポイントの6ヵ月間の累計獲得数または、ドコモ回線の利用期間、dカード/DCMXの契約状態で決定する

 dポイントクラブでは、ユーザーの継続利用期間や、6ヵ月のポイント獲得数に応じて、ユーザーを4つのステージ(レギュラー、ブロンズ、シルバー、ゴールド)に分類している。

 長期ユーザーになるか、dカードのGOLDカード(年会費1万800円)を契約すれば、上位ステージになり、ポイントの付与が増えたり、様々な特典をゲットできるようになる。

 特にdカードGOLDカード所有者は、1000円の支払いにつき、100ポイントが付与される。つまり、毎月1万円の支払いが発生していれば、それだけで1000ポイント、2年間で2万4000ポイントにもなるのだ。機種変更の代金として使ってもいいし、今回からポイントは通信料金としても支払えるようにもなった。また、dポイント対応店舗で、代金の支払いにも利用できる。

 昨年からの格安スマホの盛り上がりにより、ユーザーは通信料金に敏感になりつつある。また、総務省のタスクフォースにより、キャリアには値下げの圧力が強くなっている。

 キャリアとしては、収入に直接影響のある通信料金を値下げするのはできるだけ避けたい。しかし、格安スマホが台頭する中、できるだけユーザーにドコモを使い続けて欲しい。そこで、生活でお得を実感できるポイントサービスの拡充というわけだ。

dポイント
dポイント
貯めたdポイントは新たに街中でつかえるほか、ドコモの月々の通信料金にも充てられるようになる

 ドコモはローソンと提携関係にあるが、一方でソフトバンクはファミリーマート、KDDIはセブン-イレブンと仲がいい。

 今回、ドコモがマクドナルドとJALと関係を強化したことで、今後はソフトバンクとKDDIとの間でファストフードや航空会社の取り合いが始まるだろう。これからキャリアとしての競争は「いかにポイントをためやすいか」というのがひとつの軸になりかねない。

 ユーザーとしては、今後は「自分の生活圏内でキャリアのポイントをどうためていくか」という視点で、キャリアと付き合うようになっていく可能性もありそうだ。

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