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山根博士とACCN、中国のゴミ市でお宝発見なるかっ!?

ノキアの墓場でQWERTYキースマホ発掘対決:週間リスキー

2015年11月04日 17時00分更新

※週間リスキーはアックン・オッペンハイマーとやんちゃデジタルKidsたちがテクノロジーとサブカルチャーの交差点からお届けする、たいへんマニアックなコーナーとなっております。初見の方はご注意ください。

ACCN 前戯苦手なんでいきなり始めますが、我々は深センにおります。

山根博士 今回は、ちょっといつもとは違う市場へ行ってみましょうか。

 ──てくてく……。

ACCN ……まだですか?

山根博士 安心してください。着いてますよ。

クルマが突っ込んでいるように見えますが、大丈夫です。たぶん。

ACCN ……ゴミしかないじゃないですか。

山根博士 チッチッチ、ゴミと思うからゴミなんです。お宝ですよ? 私なんて見ただけで大興奮……って、よく見たら思いっきりゴミばっかだな。

ACCN 路上でこんなにたくさん……。iPhoneのパーツが多いですね。

売る側も買う側もよくパーツを見定めています。

山根博士 まぁ、ここにあるのは破損品から外したパーツとか、工場で検品してダメだったモノとかで、そのままマトモに使えるものはごくわずかですよ。

とにかくいろんなパーツが。明らかに割れているディスプレーなんかもありますが、部品取り用なのね。

ACCN Galaxyも結構ありますね。

山根博士 ディスプレー裏のフレキを外せば、使える場合もありますから。

様々なGalaxyのパーツの山。玉石混淆とはこのこと。

山根博士 こうして見ると、路地に溢れ出ているのは出荷台数の多い端末の部品ばかり。こんなところからも実際、世の中でどんなスマホが流行っているかがわかるってワケ。

ACCN でもコレ、どんな人が買うんですか?

山根博士 修理屋とかがパーツの一部だけを求めて買ったりします。海外から来て、ここでパーツを買い漁る連中もいます。中国でつくられたパーツがまとめられて世界へ旅立ち、また戻って来てバラバラになって第二の人生を歩むワケです。さ、ビルの中に入ってみましょう。

ACCN 中は一応、端末のカタチをしたモノがありますね。

山根博士 ココはね、実は「ノキアの墓場」と呼ばれているんですよ。あ、私が勝手にそう呼んでいるんですケドね。なかなかヤバイ場所ですよ。

ACCN はっ、確かに全盛期のノキアの端末で溢れかえっています。

日本で見かけることのできた端末も。たいていボロボロですが……。

山根博士 キホンすべて部品取り用。10台くらい買えば1台動く端末を組み上げられる的な。ボディーも探せばこの辺で買えるでしょう。

日本でいうところのガラケーとかゲーム端末も。いろんなのが出てきて、当時は発表会が楽しくて仕方なかったなぁ(しみじみ)。

山根博士 コッチは中古の整備(リファービッシュ)品。動く保証はありません。

パーツが足りていないモノ、バッテリーが抜かれているモノがほとんどですが、いずれも近くの別なお店で調達できたりするので無問題。

山根博士 案外、状態いいのが多いなぁ。いくつか買っておこう。

ノキアから出ていた初期のWindows Phoneも早くも墓場に……。

山根博士 今となってはLumiaの最初のモデルも中古屋では見つけにくいでしょ。ここならこうして整備されて売っているんですよ!

ACCN 懐かしいですねー。この色のLumiaが出てきたときはワクワクしたなぁ。

山根博士 あーっ、8850が積まれている!

ACCN え?

山根博士 ここですよ、ここ。ショーケースに積んであるでしょ! メタリックボディーの高級ケータイ。すんごく高かったんだから。知らない? その横はN90シリーズかな。

ACCN ……ふーん。あ、博士が墓石にしてほしいと言っているアレですよ!

Nokia E90は開くと小さなPCみたくなるハイブリッドな超高給端末でした。

山根博士 おおっと! 久々に見つけたなぁ。今だにコレを超える端末に会ってないもんなぁ……。

ACCN ノキア以外の端末もありますね。

当時のメーカーシェアとほぼ同じ比率で、ほかのメーカーの端末もちらほら……。

山根博士 まぁ、あの時代(といってもわずか数年前ですが)を象徴するのはなんといってもノキアで、そのほかってカンジは否めませんが。

ACCN あれ、何か踏みました。

これは、ノキアのフルキー端末(E71かな?)のキーパッド! なんともずさんな扱い……。

山根博士 ここら辺一帯はフルキー端末墓場。落ちているのはたぶん再生パーツでしょう。サイズが合わないとかで捨てられちゃったのでは?

ACCN 日本語キーパッドとかネットで探しまくりましたが、ここ発だったのですねー。

ノキアのフルキーストレート端末がズラリ。

山根博士 ん~、やはりキーボード端末はたまりませんね!

ACCN あ、BlackBerryもたくさん出てきましたよ。

日本で出ていた端末もあります。

山根博士 iPhoneが出る前は、いろんなメーカーがフルキー端末を出してましたね。探せばまだまだまだ出てきますよ。

ACCN では、レアなフルキー端末の発掘(購入)勝負しません? 動作したほうが勝ちということで!

山根博士 お、いーですよー! でもまぁ動いたらラッキーといった具合でしょう、なんせ墓場ですから。

ACCN では、よーいドンっ!

 ──数分後……。

博士が買ってきたのはDell Venue Pro。初期のWindows Phoneですね。日本円で3000円くらい。

山根博士 これ、発売当時は買えなかったんだよね。スライド式キーボード、大人のスマホってカンジ。

ACCNはBlackBerry Pearl 8130、ピンクのリファービッシュ品。日本円で2000円くらい。

山根博士 ふっ、可愛らしい……。

ACCN 博士のソレ、キーボードが濡れていますよ。さすがに動かないのでは……。

山根博士 え? あ、ホントだ……。まぁ、ここにあるのは見た目が綺麗でも基本的にジャンク。動いたらラッキーと思わないと。

 ──数時間後……。

ナント濡れていたのに無事に起動! 比較的新しめの端末ですが、出荷台数からしてもたいへん貴重でしょう。

山根博士 これぞ端末愛。「オマエを蘇らせたい」という情熱で電源が入ったのです!

BB Pearlのほうは完全放電していたものの、バッテリーの強制充電でなんとか復活。

山根博士 昔のBlackBerryの画面、懐かしいなぁ。

強制充電というのは端末からではなく、バッテリーの端子に直接電圧を加えて充電することを指します。

山根博士 このバッテリーもここで買ったジャンク。200円くらいだったかな。

ミニUSBというのが時代を感じさせますな。

山根博士 当時は独自端子氾濫期で、コレも革新的でしたよ。

SIMロックの有無などは不明。とはいえGSMだし実用性はない。帰国後、つばさちゃんにあげたらえらい喜びよう。変態娘やな。

ACCN んー、端末変態度ではアテクシの負けですなぁ。しかし「ノキアの墓場」はホント言い得て妙ですね。ひと昔前は宝だったモノがこんな扱いなんて……。

山根博士 ここは「古き良き時代の思い出を買いに来る」場所なんです。昔のノキアの美品が売っていても、動くだろうかなんて考えちゃダメ。動かなくても心の中で動いている姿を想像すればいいの。まだまだこんな場所があるから、深センの電脳街通いはやめられないんですよ。

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