週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

貰ったら感動モノの華道作品を贈るEコマースが粋過ぎる sprout10が開催

2015年10月21日 21時00分更新

 今回が10回目の開催となる、BtoCベンチャー、スタートアップをたくさんの人に知ってもらい、ファンとつなげるプレゼンベント“sprout10”が2015年10月20日に東京渋谷にある朝日新聞メディアラボで開催された。

 sproutはトーマツベンチャーサポートと日本IBM、渋谷のコワーキングスペースCO-baを運営するツクルバの3社が主体となり、開催。今回は5社が登壇し、200秒のプレゼンと質疑応答をとおして、来場者の投票により多くのファンを獲得したサービスが優勝する。

今までなかった華道家の生け花が贈れる

 今回、優勝したのは華道家の生け花作品を贈れるECサービスを展開する『青工逢山(せいこうおうざん)』だ。日本が古来よりつむいできた伝統芸術である華道の作品を盛花や花束にするというもの。

トロフィーを受け取る工藤俊太郎最高経営責任者(左)、渡すのは第8回でGifte!(ギフテ)で優勝したみらいスクールの菅野高広代表取締役

 流派は非公開だが、デザインは華道歴30年から50年の達人が担当しているという。どのような贈り相手で、コンセプトはこうしたいなども注文時に相談できる。またデザインやコンセプトに組み込まれた花言葉や意味などがわかる手紙も添えられて贈られる。

 サービスを運営する工藤俊太郎最高経営責任者は、「イベントなどで贈る胡蝶蘭が2万円くらい。同じくらいの予算でもっといい商品を届けたいので、達人の作品ではあるが安く提供している。実際にまずは定着させていきたい」と、盛花は高さ1メールほどの大きさのSサイズが2万1000円と原価ギリギリの利益がほとんどない状態で展開しているという。将来的には値上げするかもとのことなので、利用するなら今がチャンスかもしれない。

スマホに合言葉を唱えるとクーポンがもらえる

 IBM特別賞は割引クーポンなどが発行できるスマホアプリの『アイコトバ』だ。アプリで特定のワードを声に出して唱えると、クーポンが発行される。たとえばコンビニで、「美味しい日本酒は○○(企業名、商品名)」と言うと、その商品の割引クーポンがもらえるというもの。

田中謙二代表

 クーポンの発行主である店舗側からは掲載料や成果課金などいっさい料金を取らず、特定のワードを決める広告企業側のみに料金が発生する。大量の広告が氾濫している中、ブランド名を声に出してもらうことで記憶への定着効果は文字に比べて12倍と大きいと説明。

 アイコトバの田中謙二代表は「クーポンは散在している。わざわざ声に出してもらうので、お客さんに対しては最大条件のクーポンを出してくれと伝えている」と、広告主側には広告効果の高いO2Oのマーケティングツール、ユーザー側には割引率の高いクーポンアプリと注目したいサービスだ。

スマホで撮った子供の動画が自動編集でDVDになる

 子供の成長シネマサービス、コトコトのスマホアプリ『filme(フィルミー)』はスマホのカメラで撮影した子供の写った動画を自動で編集して、DVDにして送ってくれる。(関連記事)

 両親2人で撮った動画が合わせて20本(最大30本)貯まったら、コメントが字幕になったりと、ひとつの編集されたDVDとなってモノとして届けてくれる。作成料は初回が980円、2度目からは1枚あたり1980円(複数枚の同時購入の割引もあり)が実費としてかかる。

門松信吾代表取締役

 また10月6日にアプリのバージョンアップで撮影した動画はサーバーにアップされて、スマホのストレージ容量を気にせず撮影が可能になった。動画はアプリ上でいつでも閲覧できるほか、DVDにした時点でPCなどに動画ファイルとしてもダウンロードできるようになる。門松信吾代表取締役は「思い出はスマホの動画で簡単に残せるようになった。ただ、思い出は振り返ってこそ、心に感じられる大事な思い出になる」と、DVDとしてカタチに残ることが重要としていた。子育て中の来場者も多く、「さっそく使ってみたい」と共感を生んでいた。

コンビニ、ファーストフードを食べて痩せられる

 ダイエットは運動よりも食事が9割と、さらに安くて近くにある“好きなもの”を食べて痩せるを実践できるアプリが『Mealthy(メルシー)』だ。しかも、すべてファーストフード、コンビニと気軽な外食から選んでくれて、ダイエットでできてしまうから驚きだ。

鈴木勝之代表取締役

 年齢や身長などの基礎データとどれくらい食べらるか、好きなものなどを入力。すると、現在地または最寄駅から5分以内のお店の好みに合ったヘルシーメニューが表示される。現在は約300の外食店舗のデータを掲載しており、人気ファーストフード店やコンビニのメニューなど気軽に食べられるものがピックアップ。

 鈴木勝之代表取締役は「食による健康管理。きちんとした知識で選んでいると、月に1キロはしっかりと落ちる。すると年に数キロは落ちる。太りそうなお店にもカロリーの低いメニューはある。食べないことは体に良くない。必要な栄養素をしっかり取ろう」と結果にコミットすることを宣言。

グローバル人材を育てる第2の学校

 オンライン英会話学校の『Global Step Academy』は、日本で本当のインターナショナル教育を行なう、子供向けグローバル人材育成カリキュラムを提供している。カリキュラムは密度の濃いものが、レベル1~10まで用意せれている。1ヵ月に8回の授業で、ベーシックコースが月額9800円、マスターコースが月額3万5000円。

モントゴメリー道緒代表取締役社長・CEO

 通常の英会話教室との大きな違いは、英語を学ぶのに並行して、批判的思考力、自分の思いや意見を英語で表現する力を付ける訓練を行なう。途中からディスカッションに入っていって、ディベートで自分の意見が出せるよう、実践的な場で英語が使える力を育成する。オンラインだけではなく、課外授業としてリアルな場も用意している。

 今回は多種多様なサービスが登場し、かなり拮抗した審査結果になった。次回のsproutは、12月に今年を総括する形でのイベントが予定されている。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう