2015年09月01日10時00分

日本館はプロジェクションマッピングでお迎え:ミラノ万博レポート

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 「万博」と聞くと、何を思い出すだろうか。年代によっては大阪万博だったり、つくば万博かもしれない。最近だと愛知万博もあったし、沖縄海洋博や花の万博も日本で開催された万博だ。

 そして現在、イタリア・ミラノでミラノ万博が開催されている。2015年5月1日から10月31日までの半年間、110万平方メートル(東京ドーム23.5個ぶん)という広大な敷地に140ヵ国以上がパビリオンで自国をアピール。来場者はのべ2000万人以上が見込まれている。万博には色々なテーマが設定されているが、今回のミラノ万博は「食」。特に独自の食文化がある国は、積極的に食に関する展示を行なってアピールしている。

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↑10時の開場を前に、すでに入口には長蛇の列。
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↑ミラノ万博会場図。110万平方メートルという広さ。

 9月からドイツ・ベルリンで開催される家電関連展示会『IFA 2015』の取材に向けて出発した筆者はなぜかミラノに到着しており、そのままミラノ万博の取材をしてみた、というわけだ。

 8月下旬のミラノは、とにかく暑い。日差しも強く、日本の真夏レベル。110万平方メートルという敷地にひしめくパビリオン以外は屋外。大通りはアーケードになっているものの、一歩外れればイタリアの太陽が照りつけ、とにかく暑い。しかも、各パビリオンには多くの人が押し寄せ、1時間2時間の待ち時間は当たり前。すでに開始から3ヵ月以上経っていても、人気が衰える気配がない。

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↑先の見えない大通り。アーケードのため、日差しが遮られてまだなんとか歩ける。
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↑アーケードの外は強い日差し。

 やはり、「食」というテーマが良かったのだろう。国によっては、パビリオンにレストランなどを設けて、来場者がその国の食事を食べられるようになっており、各国の食事を楽しむだけでもおもしろい。パビリオンには、その国の食文化を学ぶこともできて、それも楽しい。

 大きなパビリオンを構え、長年の食文化を誇る国の中でも、特に人気の国がいくつかある。現地で聞いたところ、人気の高さで三強といわれているのが、開催国のイタリア、中央アジアのカザフスタン、そして日本だという。

 万博にきたからには、やはり日本館を取材しておかなくては、ということで、ミラノ万博でも人気の日本館を訪ねてみた。

 筆者が日本館に到着したのは、万博開場後間もなくの10時30分前。その時点で、待ち時間はなんと4時間。その人気の高さが伺えた。木組みの外壁は日本的な雰囲気があり、外観も悪くない。敷地面積は4170平方メートル。

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↑入口から遠く奥の方にあるため、30分ぐらい歩いてようやくたどり着いた日本館。
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↑日本の都道府県を表示した酒樽が展示されていた。
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↑会場前からすでに長蛇の列。

 日本館では、順路に従って進むことで日本の食文化を学べる構成になっており、四季と日本文化、そしてさまざまな食材などが紹介されていた。テーマは「Harmonius Diversity -共存する多様性-」だそうだ。

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↑まずは日本館のテーマを示したという映像から。ただ、抽象的なのであまりピンとはこなかった。

 2番目の部屋には、チームラボの手によるプロジェクションマッピング『HARMONY』が来場者を迎える。水田をモチーフに、膝丈ほどの円形のテーブルのようなスクリーンが稲穂のようにいくつも設置されてある。そこにプロジェクションマッピングで水田の1年間を表現する、という展示内容。稲穂をかき分けて進む、といった動作もでき、それによって表示が変わるなど、音と映像を組み合わせたエンターテインメント作品となっていた。

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↑チームラボのHARMONY。
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↑テーブルのような、蓮の葉のようなオブジェが無数に設置され、そこにプロジェクションマッピングで水田の四季を表現。
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↑苗が植えられたところ。
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↑秋には黄金色の稲穂が実った。

 日本の四季を表す映像と小物の紹介の部屋を抜けると、再びチームラボによる『DIVERSITY』がテーマの展示。円筒形のオブジェにプロジェクションマッピングで滝を表現しており、日本の食の多様性を示すさまざまな画像が流れ落ちてくる。底部に日本館専用アプリをインストールしたスマートフォンを設置し、画像をスマートフォンに向けて指でドラッグ&ドロップすると、その画像に関する情報がスマートフォンに保存される、というもの。スマートフォンのNFCとマイクを活用しているようだ。

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↑小物と写真で日本の四季折々の光景を紹介。
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↑プロジェクションマッピングによる滝をテーマにした展示。
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↑専用アプリをインストールして利用する。
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↑滝壺というか底部にスマートフォンを設置する。
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↑すると光の球のようなものが水の流れを遮って現われる。
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↑ここに流れ落ちる画像をドラッグ&ドロップすると、その情報が保存される。
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↑日本の食材や食文化を紹介するディスプレー。

 最後は、来場者は席に座り、目の前のディスプレーと木製の箸を使って操作するインタラクティブな展示。好きな季節と食材を選んだり、ディスプレーに表示される料理に箸でタッチすると料理の説明が出たり、日本の料理のバラエティを堪能できる展示になっていた。また、歌と踊りで「いただきます」、「ごちそうさま」といった日本の文化の紹介も行なわれていた。

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↑来場者がテーブルにつき、日本食を学ぶインタラクティブなコーナー。
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↑箸で画面をタッチすると、項目を選択したり、料理の説明が表示されたりする。
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↑来場者はきちんと箸が使えている方も多く、日本食にもなじみがありそうだった。
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↑伝統的な日本食だけでなく、カスタマイズされた日本食も紹介。
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↑日本文化の紹介では、アイドルやコスプレ、初音ミクの姿も。
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↑最後は歌と踊りで「いただきます」や「ごちそうさま」を紹介。

 出口には日本食のレストランがあり、館内でも紹介されていた寿司やカレー、そばなどが食べられる設計になっていたのもよく考えられている。

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↑出口にある日本食のレストラン。チェーン店だが、日本の一般的な味が味わえる。

 全体的に、インタラクティブ性を重視し、日本の食文化がていねいに説明されており、好感がもてた。プロジェクションマッピングも見栄えが良く、日本館の担当者も「口コミで来場者が増えている」と手応えを感じているようだった。

 各都道府県が持ち回りでそれぞれの特産を紹介するコーナーもあり、取材日はちょうど香川県の初日だった。香川県知事らがオープニングセレモニーを実施したほか、来場者にはうどんを振る舞ったり、うどん打ちや盆栽のデモも実施して、県をアピールしていた。

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↑オープニングスピーチに登壇し、イタリア語のあいさつを披露した香川県の浜田恵造知事。
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↑同じく高松市の大西秀人市長。
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↑“ツルきゃら”でおなじみのうどん脳もはるばるやってきていた。
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↑オープニングセレモニーで振る舞われたオリーブ牛肉うどん。

■関連サイト
ミラノ国際博覧会公式サイト
ミラノ国際博覧会日本館公式サイト

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