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変わる金融業界 2015年急拡大のFintech マネーフォワードが研究所を設立

2015年08月07日 07時00分更新

 2015年の重要キーワードでもある金融とテクノロジーが融合した“Fintech”という言葉、耳にすることが多いのではないだろうか。

 個人の全自動家計簿ソフト『マネーフォワード』、企業のバックオフィスを助ける会計・給与サービス『MFクラウド』を運営するFintech企業のマネーフォワードは、“マネーフォワードFintech研究所”を設立、その記念イベントが2015年8月5日に行なわれた。

マネーフォワードFintech研究所

 瀧俊雄所長は設立にあたって、2015年2月以降「Fintechは何かという」問い合わせが急激に増え、社会的な関心が増してきたことを挙げた。

 ただしFintech自体の基礎的資料が限られているため、議論のベースとなる情報が不足しており、自ら情報を発信していきたいとしている。エンドユーザーにとってのFintechは何なのか価値を整理して伝え、グローバルな金融ベンチャーの創出、国際競争力の向上を狙っている。

マネーフォワードFintech研究所

 具体的な活動内容は、隔月でのFintech研究会の開催、資料や調査結果の公表、ニュース配信、さらに業界団体の立ち上げも検討している。8月24日には金融財政事情研究会と共催で、第1回のFintech研究会を開催する。

 銀行の決済など、金融とテクノロジーはもともとが近しいものだ。ただ従来の金融テクノロジーは金融向けSIerを指していたが、近年Fintechとしてイメージされるのはベンチャーの金融サービス。特に今後もコンシューマー向けの金融サービスがさらなる拡大をしていくとされている。

 代表的な海外Fintechベンチャーには『PayPal(ペイパル)』も当てはまり、スマホでのクレジットカード決済『Square』、ECサイト決済サービス『STRIPE』、ビットコイン取引所『Coinbase』などを挙げていた。

マネーフォワードFintech研究所

 瀧所長のお気に入りのFintechサービスは、『Acorns』という少額貯蓄管理アプリ。

 店舗などでの電子マネーの決済の際に、お釣りを投資信託の自動購入にまわすというもの。電子マネーにお釣りはないのでは……と思うが、たとえばコーヒー店で410円のコーヒーを頼んだときに、500円を支払うとあらかじめ設定しておくと90円が自動で投資信託に回る仕組みとなっているという。ユーザーが意識せずに貯蓄でき、少額だけど貯まっていくのが、オモシロそうだ。

 ほかにも、ソーシャル上でつながっている友人たちを連帯保証にローンを組む『Vouch』など「本当に大丈夫?」と思ってしまうようなものなど、海外の先行事例を挙げていた。

(2015年8月10日21時修正:初出自、会計・給与サービス『MFクラウド』の名称を間違って記載しておりました。読者の皆さま、関係者の皆さまにご迷惑をおかけしたことをお詫びして訂正させていただきます)

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