週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

IBMの7nmプロセスのチップでムーアの法則はまだ生き残る

2015年08月24日 10時00分更新

このブレイクスルーでよりパワフルかつ小型のガジェットへの道が開けるかもしれない(ReadWrite Japan提供記事)

MTMxNDgwODY5ODgwNzg2OTE0_0

この記事はシンジケートニュースサービス Ferenstein Wireに投稿された。問い合わせの際は著者グレゴリー・フェレンシュタインまでメールを。

IBMは先日、テクノロジーにおける大きなブレークスルー、7nm(ナノメートル)超微細プロセスのチップについて公表した。これによりプロセスは10nmの壁を打ち破り、業界はまだしばらくムーアの法則にしたがって推移することになる。

具体的に言うと、このチームは新しいタイプのハイブリッド素材とシリコンゲルマニウムを使い、重要なコンポーネントを7nmのサイズにまで縮小したと言うことだ。

こういったプロジェクトにより、より安価でパワフルなコンピューティングが近い将来もたらされ、チップメーカーのIBMやライバル関係にあるIntelは熾烈な競争を繰り広げることになる。前者のケースで言うと、ビッグデータへの需要に応えることで30億ドルの投資がどのように回収されるかがここで説明されている。

グラフは7nmに近づいている(グラフ:Intel)

グラフは7nmに近づいている(グラフ:Intel)

このプロセッサはまだ市場で調達できないが、技術メーカーにとっても来たるべき時代の兆しとも言えるものだ。もっとも供給が始まってもまずスタートアップ企業ではなく、確実にOEM生産に回されることになるだろうが……このブレイクスルーは今日のチップ業界が抱える問題をどのように克服しようと考えているかの現れだ。

このことは、開発者にとって未来的なチップで動くよりコンパクトで、早く動作し、大容量で電力効率のいいガジェットのためのソフトを開発するのも遠い未来のことではないかもしれないということだ。モノのインターネットからVRにいたるまでさまざまなトレンドと需要があるなか、このようなことが現実になることが待ち望まれる。またこれにより、大きなバッテリーを持たないコンパクトなハードウェアを使った新しいカテゴリーのデバイスを生むことになるかもしれない。

幅広い範囲で大きな技術的影響を持つ以上、この話が今後どうなるか見届ける価値はあるだろう。

IBMが今回成し遂げたことにより、ムーアの法則も今後しばらくは通用するであろうという見通しも立った。トランジスタの密度は6ヶ月ごとに2倍になるという法則だ。7nmプロセスの達成により、今後もトランジスタの数は指数的に増加する。

ムーアの法則が数学的に導き出されたものではなく、どのように技術が進歩するかを大雑把に観測した結果だったのは驚くべきことだ。これまで進歩のスピードはムーアが考えていたものよりも早いものだったが、カーブの上昇に陰りは見られない。つまり技術は今後も進歩のスピードを緩めることなく、過去の物理的限界を乗り越えて加速していくということだ。

さらに記事を読むには、ここからFerenstein Wireのニュースレターを購読してください。

トップ画像提供:ChrisDag

Gregory Ferenstein
[原文]


 

ReadWrite Japan
ReadWrite Japan
ReadWrite Japan(リードライト ジャパン)は2013年9月にスタートした、Webプロダクトとトレンドを分析し辛口なオピニオンと共に提供する世界でも有数のITメディア、ReadWrite.comの公式日本語版です。ReadWriteの刺激的な記事のなかから、日本の読者が興味を持ちそうなものを厳選してお届けします。

※本記事はReadWrite Japanからの転載です。
IBMの7nmプロセスのチップでムーアの法則はまだ生き残る

■関連サイト
ReadWrite Japan

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう