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熱帯夜を快適に過ごす42個のファンを搭載する超空冷パソコンを作ってみる【第一夜】

2015年07月12日 10時00分更新

 どもども、ジサトライッペイです。7月26日に秋葉原のCAFE EUROで開催する1日限定カフェ『ASCII.jp CAFE~ジサトラ 夏の爆買い祭』でステージを行なうことになりました。ASCII.jpにジサトラが進出してから初のステージで、少々浮かれております。しかし、このステージの準備のおかげで今えらい目にあってます。それは事前の打ち合わせ会議で、「夏っぽいマシンとかどうですかね?」という誰からともなく出たアイディアが事の発端でした。そこで僕は長年抱いてきた疑問を口にしました。

「自作PCに付けられるファンって一体いくつが限界なんですかね?」

大風連丸

 「マザーボードのケースファン端子の数じゃない?」、「電源ユニットの端子の数でしょ」、「いやいや、ファンコン付ければその限りじゃないから」などなど、その後熱い議論がかわされ、結局言い出しっぺの僕が検証することになりました。以下、制作が決まって、笑い話じゃなく本気で考えた僕の思考の流れです。

・ケースファンは電源ユニットの端子が許す限り増やせるはず
・電源端子も分岐ケーブルを使えばさらに増やせるはず
・でも、PCケース内のスペースは限りがあるよな
・ファン設置スペースが多めのPCケースでも20個ぐらいか
・だったらPCケースから自作してネジ穴空けてたくさん付けよう
・あ、LUBIC
を使えばPCケースが簡単に作れるかも
・うそだろ、LUBICが製造終了している……

 と、ここで手詰まったのですが、いろいろと調べていくとあるウェブサイトにたどり着きました。それが、ユキ技研のLECO SHOPです。

大風連丸

 LECO SHOPは25mm厚、40mm厚などのアルミフレームをばら売りしており、しかも長さを指定して注文できます。これらを組み合わせればPCケースが作れるかもしれません。偶然見つけたこのネットショップとの出会いに興奮し、夜通し設計図を描きました。それがこちらの、名付けて『大風連丸』です。

大風連丸

 PCケースの設計なんて生まれて初めてだったので、何回も描き直しましたがまだまだ不安です。とはいえ、ここまできたらあとは部材を用意して実際に組んでみないとわからないので、とりあえず設計図通り注文してみました。購入したのは骨組みとなる『25Lフレーム』、フレームどうしをネジレスで固定する『テーパーボルト25』と『鉄後入れTロック25』のセット。それと、移動を考えて底部に付ける『エンドキャップ』と『キャスター』。そして、可動式側面用の『ヒンジ』です。数を間違えると大変なので、何度も何度もパーツをまとめたExcelを見直しました。フォームにサイズなどを記入し、一通り入力し終えて、受注確認メールを待ちます。

大風連丸

 2営業日ほどで受注確認書がメールで届きました。あらめて見てみると軽く5万円を超えており、びびる僕。いえ、素材としてはもちろん1本ずつは安いのですが、PCケースとして考えると5万5836円は高級な部類です。仕方がありませんね。だって世界一ケースファンが多いPCを作ろうとしているわけですから。

 しかし、今回は大紅蓮丸と違って、予算が10万円もついています。ゆえに5万円ぐらい痛くもかゆくもありません。人間怖いもので、予算を与えられるとギリギリまで使いたくなるんですね。「今まで自腹はたいてきたぶん、会社の金を使って使って使いまくってやるぞーーー!」と鼻息も荒く、調子に乗って次々に注文していきました。お次はファンです。

大風連丸

 設計図を描いた時点で必要なパーツをまとめたExcelを見てみると、天面は12cmファンが8個、底面は12cmファンが4個に8cmファンが3個、前面は12cmファンが4個、背面は14cmファンが1個、12cmファンが2個、8cmファンが2個、右側面と左側面のインナーフレームにヒンジでつけるウイングパネルは左右に14cmファンが9個ずつで計18個。数えてみたら全部で42個になってました。予算は10万円からすでにフレームなどに5万5836円使ってますから、残り4万4164円です。ホーリーシット、まずいです。この計算だと、ファン1個あたり1051円以下でそろえなければ予算内に収まりません。

 とはいえ、ファンは安いものだと1000円以下のものあるのでまあ大丈夫かなと思っておりましたら、14cm級だと最安品でも1300円台。14cmファンの合計は19個なので、1個1300円計算でも2万4700円です。すると残額の1万9464円で、残りの23個のファンをまかなわなければなりません。1個あたり846円計算です。しかも、安いものは人気なので1店舗あたりの在庫が少ないので、1種類ずつでまとめるのは納期の都合上難しいこともわかりました。特に12cmと14cmは数が多いので、複数種類のモデルが混在すると見た目が悪くなるので嫌だったのですが、さすがにこれは無理ゲーです。なので、思い切って

「欲しいものを欲しいだけ買ってみるか」

大風連丸

 と、とりあえず目の前の現実からは目を背け、どうせならと自分のこだわりを思いっきりぶつけてみることにしました。以下、僕のこだわりです。

・マザーボードに挿すぶんはPMW対応
・涼しさを感じさせるBLUE LED仕様
・在庫の多い製品で各サイズ製品は1種類ずつでまとめる
・ファンコンもいいものを買おう

で、気付いたら全部注文してました。フレームを合わせた合計価格は12万7640円になってました。もちろん足が出たら、清算できないので僕の自腹です。フレーム選びで調子こいていた自分をフレーム束ねてぶん殴ってやりたいです。もう後戻りはできないので、組み上がって役目を終えたら家に持って帰って夏のエアコン代わりにしようと思っています。すさまじい風量になるはずなので、たぶん今夏はクーラー要らずです。

大風連丸
14cmファンはCorsairのCO-9050017-BLED。回転数は1200rpmで、風量は66.4CFM。電圧は7~12V、電流は0.23A。PMWは非対応ですが2000円程度で買え、入手性も高かったのでチョイス。
大風連丸
12cmファンはサイズの光る!鎌風の風PWMのDFS122512L-PWM-LED。PMW対応で、回転数は約310~1200rpm。風量は12.38~52.71CFM。電圧は12Vで、電流は0.16A。条件に最も合致した最安モデルで、価格も1000円程度でリーズナブルです。
大風連丸
8cmファンはThermaltakeのCL-F029-PL08BU-A。PMW非対応で回転数は1400rpm固定。電圧は9~12Vで、電流は0.14A。風量は19.38 CFM。価格は1000円前後。
大風連丸
調子に乗ってファンコンも2つ買っちゃいました。ThermaltakeのCommander FTで、価格は1個5900円前後。タッチパネルで最大5chぶんのファンの回転数を調整できます。1chあたり10Wほど電力を供給できるので、ファンを3つぐらいずつ束ねて1chにしようかと思ってます。

 というわけで、ぼちぼちパーツが届き始めましたのでこれから組んでいきます。続きはまた近い内にご報告いたします。

■関連サイト
ASCII.jp CAFE~ジサトラ 夏の爆買い祭
ユキ技研 LECO SHOP

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