週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

Surface 3や薄型ノートPCをわずか1万円強で超強化する棒型ドック、その名も“ピッコロ”

2015年06月20日 10時00分更新

 昨今のタブレットPCやUltrabook、2in1 PCをはじめとするモバイルノートPCでは、本体の薄型化や軽量化を突き詰める反面、インターフェースが必要最小限しか用意されないものが増えている。映像出力や有線LANポートが省かれたり、USBポートも数が少なく、拡張性が犠牲になっている場合が少なくない。

 そんなモバイルデバイスでも据え置きノートPC並みの拡張性を実現できる周辺機器がある、それが“ドッキングステーション”だ。タブレットPCやノートPCにUSB接続するだけで使えるアイテムで、メーカーが純正の周辺機器として用意しているケースも多い。もちろん、メーカー純正品だけでなく、機種を問わず利用できる汎用品も存在する。今回紹介するj5 createの『ドッキングステーション Piccolo JUD530』(JUD530)もそのひとつだ。

j5 create
j5 create『ドッキングステーション Piccolo JUD530』

 JUD530はその独特な形状が大きな特徴。本体の長さは301.1mm、管楽器“Piccolo”(ピッコロ)の名称にピッタリな円筒形のボディーを採用。そして、この独特な形状には様々な利点がある。

 まず、設置に要するスペースが少なく置き場所に困らないという点だ。ドッキングステーションは基本的にデスクワークなどでノートPCなどを快適に活用するために使うもなので、液晶ディスプレー下部などデッドスペースになりがちな部分に余裕で置けるサイズ感がいい。また、JUD530はノートPCのチルトスタンドとして利用することも考えられている。ノートPCの後部底面に設置すれば、ノートPCのキーボード面になだらかな傾斜が生まれる。チルト角度はきつすぎずなだらかすぎず、ちょうどいい角度になるため、キー入力の快適度がかなり向上する。もちろん、JUD530自体の設置場所も節約できることになるので、まさに一石二鳥の使い方と言える。

j5 create
サイズ301.1(W)×22(D)×28.5(H)mmの円筒形ボディーで、置き場所に困らない。バックに収納する際も場所をとらなくて済む。
j5 create
ノートPCの後方底面に置くことで、ノートPCのチルトスタンドとしても利用できる。
j5 create
パッケージには本体とPC接続用USB3.0ケーブル、ACアダプターが付属する。

 その小さなボディーからは想像できないほど高機能な点も特徴のひとつ。JUD530にはUSB3.0×3ポートのUSBハブ機能、USBディスプレー機能、ギガビットイーサネット機能、USBサウンド機能と、4つの機能が盛り込まれている。しかも、タブレットPCやノートPCのUSB3.0ポートにUSB3.0ケーブル1本で接続するだけで、それらの機能をすべて同時に活用でき、単機能のアイテムよりもお得度が高い。

 特に便利なのがUSBディスプレー機能。HDMI出力およびアナログRGB(D-Sub15ピン)出力が用意され、最大2048×1152ドットのディスプレー出力が可能。タブレットPCやノートPCで簡単にマルチディスプレー環境を構築できる。もし、ノートPC側にも映像出力があれば、そちらも同時に活用して最大3画面で運用でき、作業効率を大きく高められる。Core i搭載ノートPCで試したところ、描画速度も通常の映像出力とまったく遜色なく、表示が遅くてイライラすることはなかった。

 ディスプレーに加え、USBポートにキーボードやマウス、外部ストレージを接続し、ギガビットイーサネットにLANケーブルをあらかじめ接続しておけば、ノートPCを接続した際にそれら機能が即有効となる。出掛ける時にJUD530のケーブルを1本を抜くだけですぐにノートPCを持ち出せるという状態は、想像していたよりもはるかにラクチンで、謎の万能感に浸れた。

j5 create
付属のUSB3.0ケーブルを利用して、ノートPCなどと接続するだけで全機能が利用可能。
j5 create
背面のポート。左からACアダプターを接続する電源コネクタ、PC接続用マイクロUSB3.0ポート、USB3.0×2ポート、HDMI出力。
j5 create
アナログRGB(D-Sub15ピン)出力、USBサウンド機能の音声出力とマイク入力、USB3.0ポート、ギガビットイーサネットポートも備える。
j5 create
外部ディスプレーを接続してマルチディスプレー環境を構築。Core i搭載ノートなら描画速度にも不満がなく、快適に利用できる。

 JUD530にはACアダプターが付属しているが、ACアダプターを接続しない状態(つまり、USBバスパワー)でも利用できるようになっている。例えば、USBディスプレー機能はバスパワーでも問題なく利用できた。ただし、バスパワー動作のUSBストレージを複数接続するなど、バスパワーでは電力不足となり動作が不安定になる場合がある。そのため、基本的には常にACアダプターを接続した状態で利用するほうがいいだろう。

 ちなみに、JUD530にACアダプターを接続していれば、PCから外した状態でも、3つあるUSB3.0ポートのうち2つから最大5V/2Aの電力が供給できる。つまり、JUD530単体でスマートフォンやタブレットの急速充電が可能になる。PCと接続していると急速充電機能が使えない点は少々残念ではあるが、バッグにJUD530をしのばせておけばスマートフォン充電用のACアダプターを持たなくても済むのはうれしい。

j5 create
ACアダプターを接続した状態でPCから切り離すと、左側の2つのUSB3.0ポートから5V/2Aの電力を供給できるようになる。スマホやタブレットの急速充電が可能。

 JUD530の実売価格は1万1800円前後で、周辺機器の価格としてはやや高価と感じるかもしれない。しかし、USB3.0ハブ、USBディスプレー、USBギガビットイーサネットアダプター、USBオーディオを個別に購入することを考えると、お得感はぐっと高くなる。薄型ノートPCやSurface 3などのフルサイズUSB搭載タブレットPCを購入した方にぜひオススメしたい製品だ。

■関連サイト
Piccolo JUD530製品ページ

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう