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すごーい!日本企業、世界最速のファイル転送『STORM』

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写真:Jeff Meyer

「福岡の田舎のソフトウェア工場から世界へ。大きく飛躍したい」

 福岡・ユニゾンシステムズの今村勉也代表は、ベンチャーと大企業が集まる会合『モーニングピッチ』でそう話した。同社が手がけているのは放送局向けの動画転送ソフト『STORM』。世界一の転送速度を誇るという。

「DVDのデータ(4.7GB)なら約8分ほどで送れる。日本の放送局ではスタンダードだ。たとえば野球のキャンプ地からも、映像はほぼこのシステムで送られている」

 現在テレビやインターネット動画の世界では、次世代放送に向けて映像の高解像度化が進んでいる。4K、8Kという高精細な世界において転送速度は事業のキモだ。

 4K時代においては「『クラウド内編集』が主流になる」と今村代表。映像配信側はクラウドサーバー上から編集・制作・配信までをワンストップで手がけるようになる。STORMはその中核技術になるのではないかという話なのだ。

「TBSの技術が生かされている。技術的にはざっくり言うとUDPプロトコルを使っている。TCP-IPでやるとどうしても時間がかかってしまうためだ」

 そんな現在、同社は放送局以外の顧客を見つけようとがんばっている。「映画配信、サイネージ動画の配信、ゲーム管理、また医療分野においては手術台の4K高画質動画の転送など」(今村代表)を想定しているそうだ。

 たとえばYouTubeのようなオンライン動画コミュニティーの世界で、利用者のアップロード速度を上げられれば大手競合の追い落としがはかれる可能性もある。

 日本の技術屋が開発している画期的なソフト、導入先がどうなるか楽しみだ。

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