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13.3インチで8K解像度だとっ!? NHK『技研公開2015』レポート

2015年05月28日 20時00分更新

 NHKが最先端の映像・音声の研究を報道陣や一般の来場者に伝える『技研公開2015』。69回目を迎える今年のテーマは、“未来のテレビ・カウントダウン”。8Kスーパーハイビジョン実用化に向けた、さまざまな研究成果が5月28日から5月31日まで無料で公開されます。

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↑『技研公開2015』のポスター。ちなみに会場のNHK放送技術研究所は東京都世田谷区砧にあります。

 さて、今年の技研公開最大のテーマは“8Kスーパーハイビジョン”です。NHKの技研公開に来ると毎年8Kがテーマとなるのですが、今年の8Kスーパーハイビジョンは実際に放送に使っている衛星を通して、8K映像を衛星送出・受信する流れを実際にリアルタイムで動かしていたことです。

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↑東京・お台場に設置した8Kカメラからライブ中継。“8Kスーパーハイビジョン小型カメラ”は、昨年から展示している35ミリセンサーで7680×4320ドットのベイヤー配列・デュアルグリーンのものでした。
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↑現在BS放送で利用している衛星を経由して実際に伝送。映像信号は8K/22.2chで、映像圧縮はH.265/HEVC、ビットレートは80~85Mbpsとのことです。
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↑衛星経由で受信したライブ映像。衛星だけでなくCATVによる8K伝送の実験も成功と、放送開始に向けて着々と準備が進められています。

 8Kディスプレーの展示に目を向けると……。すでに8Kの業務用のパネルはあるので、8Kスーパーハイビジョンのフルスペックを出せるかが問われています。具体的には7680×4320ドットのパネル解像度だけでなく、フレーム周波数は現行放送の倍である120Hz、色はBT.2020という、Adobe RGBに近い自然界の色を忠実に再現する広色域技術が求められます。

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↑13.3インチの超小型8K有機ELディスプレー。もちろん7680×4320ドットで驚異の664ppiという超高解像度を達成。8Kタブレットなどの登場も間近でしょうか。
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↑フルスペックの“色再現”を目指したRGB半導体レーダー光源液晶ディスプレー。4Kパネル/50インチ/60Hzのスペックですが、BT.2020に対して98%という非常に鮮やかな色再現が可能です。
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↑毎年出展されているスーパーハイビジョンプロジェクターもついにフルスペック。今年は1.3インチの3板構造でRGB半導体レーザー光源を採用、色はBT.2020に対して98%、120Hz表示も対応と完璧。

 実際の番組製作や放送を想定した技術はもちろん、未来的な映像と音をテーマにした未来的な技術研究の成果も見られるのが『技研公開2015』のおもしろいところ。展示は全26項目にも渡るためそのすべてはとても紹介しきれませんが、8Kスーパーハイビジョンの実現と、未来のテレビ体験に向けどれだけマジメに研究開発に取り組んでいることがわかること間違いナシ。

 『技研公開2015』は、5月28日(木)から31日(日)まで。一般の方も事前登録なしで無料で入場できます。ほかのどこでも見られない未来の放送技術を、ぜひご自分で確かめてみてくださいね!

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↑こちらは『インテグラル立体テレビ』、平たく言うと実物を裸眼3D表示する研究展示です。世界最小の9.6インチ8Kパネル(画素密度915dpi)を4枚組み合わせることで、自然な奥行きのある420×236ドットの映像表示ができます。
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↑こちらは東京五輪の中継採用を目指した『多視点ロボットカメラ』。1台のマスターカメラを操作すると16台のカメラが同期して動き、多視点合成映像を瞬時につくり出します。映画『マトリックス』のような三次元視点のモーションを撮れるということですね。
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↑『ホログラムメモリー』も8Kアーカイブを目指したデバイスとして出展されていました。“二次元角度多重”技術により約4倍に密度が向上し、SDカードより少し大きい程度のサイズに約70GBの容量を50年以上長期保存できます。

●関連サイト
NHK技研公開2015

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