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世界初、2mm浮上して走行する「リニアライナー」トイ!スケールスピードは500km

2015年05月27日 08時00分更新

 リニア開通の夢がひと足先にレールトイで実現しました。

●タカラトミー『リニアライナー 超電導リニアL0系スペシャルセット』発売決定

リニア

 タカラトミーは“浮いて走る”夢のレールトイ『リニアライナー 超電導リニアL0系スペシャルセット』を今年9月に発売することを発表しました。

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『リニアライナー 超電導リニアL0系スペシャルセット』

 新発売となる『リニアライナー 超電導リニアL0系スペシャルセット』はこれまでのレールトイでは成しえなかった、磁力浮上・磁力走行を同時に行なうリニアモーターカー。モチーフは、2027年に首都圏と中京圏間で営業運転を開始する予定である超伝導リニア車両のL0系で、車体やレールセットのデザインがなぞらえられています。

 5月26日に開催された走行披露会では、史上初となるリニアのレールトイがものすごい速さでレールを駆け巡る様子が披露されました。以下の動画をご覧ください。

 いかがでしょうか? 滑らかな走行で、トイとは信じられないくらい速いです!!
 リニアライナーのスピードは、実際のL0系にスケール換算するとなんと速500㎞を達します。磁力浮上して車輪と地面との摩擦がなくなったことで達しえる驚異のスピードなんですね。
 また、車輪の摩擦がないため、稼働音もあまりしないです。リニアライナーが「スー」っと駆け抜けていく様子は、まさに未来の車体。なかなかしびれます。

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 走行する仕組みは、レールに取り付けられた帯状の磁石と、各車両底部の四隅に搭載した4つの磁石の反発することで車体が約2mm浮上。走行時には“推進用コイル”と、タカラトミーが独自開発技術の“高速磁気センサー”が車両一両一両すべてに搭載されていることで、レール上の磁石を感知し、コイルに電流が流れて磁界を発生させ、レールと車両の磁石同士の反発で推進力を発生さえ車両が前進するという仕組みになっています。

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レール脇に浮上用磁石、中央に推進用磁石。
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車両の底にも、脇に浮上用磁石、中央に推進用磁石。
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車体が約2mm浮上しています。
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走行中の様子。視認はしにくいですが、わずかに浮上しているため滑るかのようななめらかな動きです。
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稼働音は少なく「すー」っと走行します。しびれる!

 開発にあたって、車体を浮かすこと自体は難しくないけど推進させることが困難なため、磁石間の距離や強さなどを試行錯誤したり、独自技術である高速磁気センサーを取りつけるなど、様々な工夫があったそうです。磁力浮上と磁力走行の両方を実現させることが、大変な技術だったんですって。

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製品版ではコントロールステーションにスピードが表示されます。

 セットには浮上用磁石が埋め込まれたレールと“コントロールステーション”が同梱。コントロールステーションには速度感知センサーが搭載され、周回ごとのスケールスピードをモニターに表示する機能や、中央レバーで車両の停車、発車をコントロールする機能、音声アナウンス機能が搭載されており、「間もなく列車が発車いたします」、「時速500㎞到達」など、停車、発車、走行スピードなどの状況に連動してアナウンスが流れます。

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 レールは、山梨リニア実験線に架かる小形山架道橋やトンネル緩衝工をデザインモチーフにして情景が作製されているということ。

 実売価格は3万5000円前後と、子供に買い与える玩具としてはなかなか高いですが、リニアモーターカーへの憧れを持っているシニア層を中心とした幅広い世代への訴求を想定しているということ。また、タカラトミーの代表取締役社長の富山幹太郎氏いわく、初期の価格はあくまで「スタート」。超電導リニアが実際に開業になる予定の2027年には価格も抑えられるかもしれない、ということでした。

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タカラトミー 代表取締役社長 富山幹太郎氏

 タカラトミーの代表取締役社長の富山氏は、中高生のときに鉄道研究会にいて、当時、姿を消しつつあった蒸気機関車の追っかけをやっていたというほど鉄道好き。リニアの実験線には14年くらい前に試乗したときにこの世のものとは思えない加速感を感じ、これをぜひおもちゃにしたいと考えていたそう。2020年の東京オリンピック開催が決定した時に、超伝導リニアを開通させようという話が一時的に持ち上がり、それをきっかけにトイのほうでも他社に負けないようにと鋭意開発に踏み切ったということです。

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リニアライナー開通式さながら、テープカットが行なわれました。

 今後、リニアライナーの技術で、タカラトミーオリジナルのデザインの車両をつくったり、電車にこだわらず未来の乗り物のようなトイもつくっていきたいとしていました。

 タカラトミーの社長の思いや、長期にわたって開発が続けられている超伝導リニアの歴史を背景にすると、トイでまず実現したリニアライナーの開通に鉄道好きであれば熱い思いがこみ上げてくるでしょう。実際に走行する姿を目の当たりにすると「かっこいい!」という単語しか浮かんでこないこと請負です。

■関連サイト
リニアライナー|タカラトミー

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