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“ハイレゾ”って一体な~に?:Xperiaで楽しむハイレゾの世界

2015年05月22日 18時30分更新

 現在、ヘッドホンや携帯音楽プレーヤーの世界では“ハイレゾ”が大ブーム。2013年秋にソニーが“ハイレゾ宣言”をしたのを機に、今や3万円、6万円、10万円台と次々と高級プレーヤーが登場し、ソニーのウォークマン『NW-ZX2』は約12万円、Astell&Kernの『AK240 Stainless Steel』は約38万円と、まさに青天井の世界が広がっています。

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↑2月発売のソニーのウォークマン『NW-ZX2』は約12万円。
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↑同じく2月発売のAstell&Kernの『AK240 Stainless Steel』は約38万円。

 しかし、今や外出先で音楽を聞くなら主流は専用プレーヤーではなくスマホでしょ!と言われればそのとおり。現在発売中の最新スマホは、実はハイレゾ音源の再生に対応する端末が多いのです。AVライターの私も“ハイレゾ”目当てで『Xperia Z3 Compact』を購入してしまったほど、見事にその流れに乗っています。

 ところで、最近よく聞く“ハイレゾ”が何なのか、ピンと来てない方も多いかもしれせんので、カンタンに説明いたします。PCやスマホで音楽を持ち歩くとなると、iTunesやiPhoneで用いられるAAC形式やMP3などの圧縮音源が定番。より音質にこだわる人はAppleロスレスもありますが、いくらCD水準の音源で高音質にしようとしても、あくまでも音楽CD水準の音質止まり。だったら、音楽CDという器を介さずに高音質音源をネット配信でダイレクトに提供して聴けるようにしよう、という動きが最近のハイレゾのトレンドです。

 ハイレゾ音源の定義は、日本オーディオ協会によればデジタル音源のファイルにあたる録音フォーマットでは「FLACもしくはWAVファイル」で、音の再現できる高域の範囲を決めるサンプリング周波数が96kHz、再現できる微細信号の精度を表わすビット深度が24ビット以上で「96kHz/24ビット」がハイレゾの条件。

よく知られている音楽CDは「44.1kHz/16ビット」のWAV形式なので、「96kHz/24ビット」のハイレゾ音源では約3倍、「192kHz/24ビット」の音源ではCDの約6.5倍の情報をもつと言われています。しかもハイレゾではそれらの音源を無劣化で再生するため、ケタ違いに高音質になるというわけです。

 しかし、ハイレゾを語るうえでそんなスペックの定義を持ち出されても、一般ユーザーにはわかりづらい。そこでハイレゾの条件を満たしている商品には、日本オーディオ協会による『Hi-Res AUDIO』のロゴマークが表示されるようになっています。

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↑日本オーディオ協会による『Hi-Res AUDIO』ロゴ。もともとはソニーが自社用に制作したものだ。

 しかし、私の『Xperia Z3 Compact』の箱にも本体にも『Hi-Res AUDIO』のロゴはありませんでした(汗)。 もちろん公式サイトには対応であることが載っています。当然、『Xperia Z3』も『Xperia Z4』もハイレゾに対応しています。実はXperia標準の“ミュージック”アプリは、ソニーのハイレゾウォークマン『NW-ZX2』と同じなんですよね。

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↑私の『Xperia Z3 Compact』はハイレゾ対応のはずなのにハイレゾロゴはなし。スマホの世界ではあまり使われていない説も。
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↑『XperiaZ3 Compact』は“ミュージック”アプリだけでハイレゾ再生可能。

 なお、『Xperia Z2』のころはハイレゾ再生はUSB出力限定でしたが、『Xperia Z3』以降ではUSB出力は不要です。ハイレゾはXperiaシリーズの専売特許というわけではなく、ほかのスマホではサムスンの『Galaxy』シリーズ、LGエレクトロニクスの『isai』などもメーカー純正音楽アプリでも再生が可能です。

 続いて、ハイレゾ対応のヘッドホンもあったほうがいいでしょう。冒頭で少し触れていますが、ハイレゾ音源では収録できる高域情報の範囲をCDでカットしていた20kHzより上の周波数(96kHz/24ビットの音源で約40kHzまで)まで拡大しています。

 そのため、ハイレゾ音源を楽しむには再生周波数特性が20kHz以上まで伸びているヘッドホンを用意した方がベターです。条件を満たしたヘッドホンには“Hi-Res AUDIO”ロゴマークがあり、予算は1万円以上といったところ。

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↑ハイレゾ対応ヘッドホン。ソニーのヘッドホンでは『MDR-10R』が最安クラス。

 もっとも、ハイレゾ音源を楽しむ際、再生周波数特性が20kHz以上のヘッドホンは実は必須ではありません。なぜかというと、ハイレゾ音源の特長は高域のほかに“ビット深度”もCD音源の16ビットから24ビットになり、音の情報量が増しているからです。コッチは音の分解能の話なので、ヘッドホンがハイレゾ対応でなくても関係なく高音質化の恩恵を受けられます。

 ハイレゾの音を確実に高域まで鳴らしたい場合は、安心の“Hi-Res AUDIO”ロゴマーク付きのヘッドホンを選びましょう、という程度の認識でオーケーです。

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↑部屋に転がっていたアップルの『EarPods』でもハイレゾ音源はちゃんと聞けます。当然ながら『EarPods』なりの音質ですが……。

 そして最後にハイレゾ対応の音源を用意しましょう。「96kHz/24ビット」や「192kHz/24ビット」といったハイレゾ音源は、今までハイレゾ・オーディオに手出しをしていなかったユーザーにはあまりなじみがないと思います。

 次回は、このハイレゾ対応音源を入手して、再生するまでの流れをご説明します。

●関連サイト
ソニーモバイル
日本オーディオ協会

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