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アンテナ干渉を低減する新技術で高速化!最大1733Mbps対応の11acルーターとは

2015年05月08日 17時30分更新

 NECプラットフォームズは4本のアンテナを利用して5GHz帯域で最大1733Mbpsの高速通信を可能とする無線LANルーター『Aterm WG2600HP』を発表した。発売は5月22日で、予想実売価格は2万円弱(税別)。同機種の2台セットで、一方を中継機として利用できるモデル『Aterm WG2600HPイーサーネットコンバータセット』は、6月4日発売予定で価格が3万9000円弱(税別)。

 本機は最新規格IEEE802.11acに対応し、4本のアンテナを利用する4×4接続が利用可能な無線LANルーター。2.4GHz帯は通常4×4接続の規格値が600Mbpsだが、電波の相互変換を行なうデジタル変調方式“256QAM”に対応した同機種間で、最大800Mbpsの高速通信ができる。

Aterm WG2600HP
Aterm WG2600HP

 11acで4×4接続の無線LANルーターはネットギア、ASUSといったグローバルメーカーがすでに発売しているが、国内メーカーとしては初となる。また、既存の2メーカーのモデルはいずれも外部アンテナを搭載するため大型。一方、本機は従来機にも内蔵する米粒サイズのマイクロSRアンテナを内蔵し、外部にアンテナを搭載しないため約38(W)×130(D)×181(H)ミリの小型ボディーを実現している。

 アンテナは近すぎると相互干渉して通信速度に影響が起こる。そのため、本機はアンテナ間に電気的な分離ができる“アイソレーション・アンテナ”と呼ばれる新技術を配置。アイソレーション・アンテナは5GHz帯にのみ作用し、5GHz帯の通信干渉を低減させる。

 また、従来機はすべて基板に配置されていたマイクロSRアンテナの一部を基板から垂直に立てるピン・ダイポールアンテナとすることで電波干渉をさらに低減。これらの新アンテナシステムにより、実効スループットが従来機より約20%アップ(実測値100Mbps以上)したという。

 同社の無線LANルーターはこれまでシングルCPUを搭載したうえ、5GHz帯の処理を独立した無線用のCPU、2.4GHz帯の処理をコントローラーで行なっていた。しかし、本機はデュアルコアCPUを採用。加えて、5GHz帯と2.4GHz帯の処理用にそれぞれ無線用のCPUを備え、同時に2つの周波数帯域を利用しても処理速度が落ちないとのこと。

 そのほか、本機は対応端末に向かって集中的に電波を送信する“ビームフォーミング”に対応。また、ビームフォーミングに対応した機器が複数あった場合、同時に接続できる“MU-MIMO”に対応する。ただし、4本のアンテナのうち1本は制御用に利用する。そのため、アンテナ1本のスマホの場合は同時に3つまで同時接続が可能。それ以上の端末は、順番に接続されることになる。

 さらに、スマホで接続した場合の本体設定画面のUIが従来機の場合、PCと同じ画面だったところスマホやタブレットに最適化されて見やすくなった。加えて、USBポートがUSB2.0からUSB3.0に向上して高速化された。

Aterm WG1200HS
Aterm WG1200HS

 同社はさらにアンテナが2本で5GHz帯で最大867Mbpsの『Aterm WG1200HS』を5月22日に市場に投入する。予想実売価格は7000円弱(税込)。主な仕様はIEEE802.11a/b/g/n/ac対応、ギガビットLANで、2.4GHz帯の通信速度が最大300Mbps。

 同社はすでに同じ2×2接続の製品が2モデル発売している。上位の『WG1200HP』は基本性能こそ同じだが、本機はビームフォーミングと無線LAN中継器機能が非対応。下位の『WF1200HP』は有線ポートの速度が100Mbpsだったところ、本機はギガビットLANに対応している違いがある。そのため、家の環境が光通信でギガビットLANは必要だが、コストパフォーマンスを重視したいといった人にオススメだ。

■関連サイト
Aterm Station

(2015年5月11日15時訂正:記事初出時、『Aterm WG2600HP』を『Aterm WG2600G』と誤って表記しておりました。関係者および読者の皆様にお詫びして訂正します。)

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