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“アテネの秋葉原”で独自ブランドのSIMフリースマホや格安タブレットを探してみた

2015年03月26日 19時00分更新

  3月頭に年に一度のモバイルイベント『MWC 2105』がバルセロナで開催されました。新作のスマホやウェアラブル端末など、魅力的な製品だらけで興奮してしまう1週間だったでしょう。さて、筆者はバルセロナに入る前にギリシャの首都・アテネに立ち寄りました。なんでも“アテネの秋葉原”と呼ばれる場所があるとのこと。これはぜひ行ってみたい! と掘り出しものを探しに探ってきました。

“アテネの秋葉原”
↑アテネ中心部にアキバがあるとは。

 アテネの秋葉原はアテネ地下鉄1号線と2号線が交差するOmonia駅から徒歩10分くらいの距離にあります。ちなみに、ギリシャの公用語はもちろんギリシャ語ですが、駅の案内などはところどころに英語が併記されているので、移動は難しくありません。運賃は1回券70分までが1.2ユーロ、24時間乗り放題が4ユーロです。

“アテネの秋葉原”
↑駅付近にはスマホ屋もあり盛り上がる。

 アテネの秋葉原があるのはアテネ国立考古学博物館そばの大学に面した道路、ストゥルナリ(Stournari)通り。つまり、Omonia駅は学生街への入り口でもあるのですね。そのためか、駅周辺には携帯電話屋も多く見かけます。携帯屋とは思えない綺麗な店や、その隣のように昔ながらの雑多に携帯電話を積み上げる店など店舗の形態は様々。

“アテネの秋葉原”
↑ギリシャのスマホはSIMフリー。

 ところで、ヨーロッパの多くの国ではキャリアがSIMロックをかけたスマホを販売しています。しかし、ギリシャではロック無し。ボーダフォンなどキャリアで売っているスマホはもちろん、街中で売られている製品もすべててがSIMフリーです。価格は定価相当で割高感があるものの、どの国に持って行っても現地のSIMに入れ替えて使うことが可能です。

“アテネの秋葉原”
↑アテネのアキバ、ストゥルナリ通りはここだ。なお、この写真は通りの西側から撮影しましたが、今回は東側からこの道を攻めてみます。

  Omonia駅から北東方面に10分ほど歩くと大学のある通りが見えてきます。通りの名前は“ストゥルナリ通り”で、パソコンショップや携帯販売店が多数並んでいるそうです。

“アテネの秋葉原”
↑本当にアキバなの? パリの記憶がよみがえる。

  訪問当日はあいにくの小雨模様。通りを歩く人の数もまばらです。ここが本当にアテネの秋葉原なんでしょうか? まあ確かに通りにある店のいくつかは“PC”と書いた看板を出しており、それっぽい雰囲気の店がいくつか並んでいます。でもね、とにかく通りに活気が無いんですよ。以前、パリの秋葉原で何もなかった時の悪夢が脳裏を横切ってしまいます。そういえばあの時も小雨だったなあ。

“アテネの秋葉原”
↑時間が悪かった?シエスタ休業の店も。

 歩いてみると確かにPC系のお店がちらほらあるんですが、半分以上のお店が閉まっています。シャッターに落書きがあるものの、不景気で倒産したような雰囲気はありません。実は、ギリシャはスペイン同様に長めのお昼休み“シエスタ”の習慣があるんです。

“アテネの秋葉原”
↑営業時間が結構短い。

 これはとあるお店の営業時間。月曜と水曜は9時から15時半までで、夕方以降は営業しません。これじゃあ、会社が終わってから向のでは間に合いません。まあ、学生街だからこれでいいのでしょうか? そして、火曜と木曜と金曜は9時から14時半、そのあと2時間半のシエスタがあって再営業時間が17時から20時半。土曜日は月曜と水曜と同じ営業時間、日曜は休みです。午後に訪問するときは曜日を気にしなくてはなりません。

“アテネの秋葉原”
↑開いているお店を見てみよう。

 空いているお店はPC関連よりも古本屋や画材店など。学生の利用が日常的なんでしょうね。でも、PC系のお店もいくつか開いているのでちょっと立ち寄ってみました。

“アテネの秋葉原”
↑見慣れぬタブレットに心を惹かれる。

 ショーウインドーを眺めてみるとタブレットが売られています。しかも、聞いたこともないメーカーの製品もあります。スペックはあまり期待できないかもしれませんけど、初めて見るメーカーのパッケージは新鮮ですね。とはいえ、スマホがほぼんど売られていないのは予想外で寂しい限りです。

“アテネの秋葉原”
↑ものすごく古いPCパッケージゲーム屋さんみたい。

 こちらのお店は木製のドアが渋い感じ。ポスターも昔のPCゲームでしょうか? さらには、ちらりとショーウインドーに見えるジョイスティックの箱はホコリを大量にかぶっています。“スマートさ”とは対極にあるこのようなお店を見つけてしまうと、やはりアテネの秋葉原はパリのような寂れたところなのでしょうか?

“アテネの秋葉原”
↑大型量販店発見! 期待できるか?

 ところが、しばらく歩くと、キレイに建て替えられた大きなビルを発見しました。入り口からはノートPCの箱をかかえた人がでてきます。ここはIT系量販店の“Praisio”というお店なのですね(表記はギリシャ語)。PCやテレビ、もちろんタブレットやスマホも販売しているとのこと。

“アテネの秋葉原”
↑3G内蔵の独自Windowsタブレットが2万円台。

 店内に入るとノートPCやタブレットがずらりと並んでいます。さっそく発見したのは“Turbo-X”というブランドのタブレット。この量販店のオリジナルブランドのようです。OSはWindows 8.1、8インチ1280x800ピクセルディスプレイ、CPUは不明ですがクロック周波数は1.8GHz。それに、3G通信機能を内蔵して159ユーロ(約2万1000円)。なかなか悪くないお値段です。

“アテネの秋葉原”
↑スマホもずらり! どれか買っちゃおうか?

 店の奥に行くとそこにはスマホの楽園! SIMフリースマホがずらりと並んでいます。もちろん大手メーカーの最新モデルも全てそろっています。

“アテネの秋葉原”
↑人気はApple、ソニー、サムスン。

 入り口側に並んでいるのはXperia Z3、iPhone 6、GALAXY Note 4。店員さんに聞くとこれら3つが人気とのこと。とはいえ、価格は高いので買いたくても買えない人が多いそうです。

“アテネの秋葉原”
↑Turbo-Xのスマホも大量に!

 そして、スマホにもありました“Turbo-X”の製品です。しかも、機種の種類は10種類弱。ハイエンド機は200ユーロ(約2万6000円)くらい。エントリー機で50ユーロ(約7000円)、最安値はフィーチャーフォンでした。スマホはLTE対応や交換カバーのあるものもあるなど、なかなか侮れないブランドです。

“アテネの秋葉原”
↑日本語ロケール入りの“Turbo-X”のLTEスマホ。

 試しにLTE対応の製品を触ってみたところ、なんと言語設定の中に日本語ロケールがありました。まさか、日本進出を考えている? 製造は中国か台湾のODM/OEMメーカーでしょうが、日本語をデフォルトで搭載している製品はなかなか珍しいですよ。アテネのお土産にTurbo-Xのスマホを買うのもいいかもしれません。

“アテネの秋葉原”
↑タブレットも豊富な品揃え。

 タブレットは最初にあったような3G内蔵のものも結構多め。SIMフリーな国なのでタブレットも3G内蔵を自由に買って、自分が普段使っているSIMを入れ替えて利用したりするのかもしれません。大手メーカー品の売れ筋製品はひと通り置かれています。

“アテネの秋葉原”
↑タブレットの格安品は約5000円。

 そして、Androidタブレットの激安品は37.9ユーロ(約5000円)。これもやはり、Turbo-Xの製品。スペックは価格相当ですが、アテネ滞在中の地図表示用に買って使えば、万が一スリにすられちゃってもダメージは少ないかも。

“アテネの秋葉原”
↑なんともう一店舗が同じ通りに。

 さて、実はこのストゥルナリ通りにはもう1店舗のPraisioがあるんですよ。どちらも品ぞろえはほぼ同じですが、店内の雰囲気はだいぶ違います。西側のこちらのお店のほうが開放的で品物も多いので、両方のお店をはしごしてから買うものを決めるのもいいかも。なお、ここで端末を1台買っちゃいましたが、そちらはまた別の機会にご紹介しましょう。

“アテネの秋葉原”
↑プリペイドSIMはボーダフォンで買える。

 もしもスマホを買ったら、現地SIMを入手したいですよね。ちゃんと通りにはボーダフォンがあるので、ここに行けば購入できます。2015年3月時点の料金は15ユーロ(約2000円)で1.5GBのデータSIM、または同額で1.0GBのデータと音声付きのSIMがメジャーな製品です。

“アテネの秋葉原”
↑時間が無いときはシンタグマ広場の量販店へ。

 アテネの秋葉原は寂れてはいるものの、量販店が2店舗あるのでスマホやタブレットを買いたい人は立ち寄ることをオススメします。なお、ここまで行く時間が無い人は、アテネの中心部にあるシンタグマ広場に『Public』という家電量販店がありますから、こちらで済ませてもいいでしょう。

“アテネの秋葉原”
↑ここにもあった、ギリシャブランドスマホ。

 別の店でもギリシャブランドの別メーカーのスマホを売っています。ギリシャでも地元製品が出ているなんて想像もしていませんでした。やはり、その国へいったらその国ならではの製品を見てみたいもの。これらのギリシャスマホ、今回は買いそびれたのですが次回訪問時はぜひ買ってみようと思います。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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