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国内ついに発売されるWindows PhoneとMSのモバイル事業の行方 by山口健太

2015年03月19日 06時30分更新

スマホでアップルに負けてるマイクロソフトの業績が絶好調な件』(大好評発売中)
 スマートフォンでアップル、Googleに後れを取り、Windows8も不評のマイクロソフト。新CEOのサティア・ナデラが描く、Surface、Windows10、クラウドでの戦略シナリオとは。週刊アスキーのウェブサイト週アスPLUSでも、屈指の人気をほこる連載“Windows情報局ななふぉ出張所”の著者・山口健太氏が書いた初めての著作が発売中です。

 日本で唯一のWindows Phoneジャーナリストとして活躍し、マイクロソフトとスマートデバイスの話題を追いかけて、現在は若手のITジャーナリストとして活動の幅を広げている。本著は世界中のマイクロソフトのイベント、IT系展示会を取材してきた著者だからこそ書けた、ここ数年のマイクロソフトの動きからIT業界のトレンド、さらに2015年に発売が想定されているWindows10までも解説している1冊です。ぜひ店頭、ウェブでお買い上げください。

 著者の書きおろしコラムを提供してもらいました。本著にもリンクする内容ですので、ぜひご覧いただきたく思います。

スマホでアップルに負けてるマイクロソフトの業績が絶好調な件

■Windows Phoneの国内販売が見えた
 
2015年3月2日よりスペインのバルセロナで開催されたモバイル機器の総合展示会“MWC2015”では、マウスコンピューターやfreetelが国内向けのWindows Phone8.1端末を出展。京セラもタフネスWindows Phone端末のプロトタイプを展示するなど、国内向けWindows Phoneのニュースが大いに盛り上がった。残念ながら、ここまで本著では触れられていないものの、Windows Phoneの話題はもちろん盛り込んでいる。

 国内で新モデルが発売されない間にも、海外ではLumiaシリーズが次々と発売。その後、ノキアの端末事業を買収したMSは、世界有数の“ケータイメーカー”となった。さらにWindows Phone8.1世代では、端末の開発要件が大きく緩和。サムスンやHTCといった大手メーカー以外にも、新興メーカーが容易に参入できるようになった。国内メーカーが相次いで発表したWindows Phone端末も、基本的にはこの流れに乗ったものといえる。

スマホでアップルに負けてるマイクロソフトの業績が絶好調な件

↑マウスコンピューターによる試作機。久しぶりの国内発売に期待がかかる。

 日本におけるSIMフリー市場の盛り上がりも、追い風だ。これまで国内でスマートフォンを売るには、全国に販売網を持つ大手キャリアの力が不可欠だった。しかしMVNOの知名度向上により、キャリアにとらわれない端末を求めるユーザーは増えている。SIMフリー市場は“格安スマホ”という言葉が先行しており、ミドルレンジ以下のアンドロイド端末が主流だ。しかし市場が拡大すれば、Windows Phoneを始めとする、より多様な端末が求められることになるだろう。

 課題は、国内向けアプリやサービスの充実だ。Windows Phoneが長らく発売されなかったことで、日本のアプリ開発者はほぼ見切りをつけた形となっている。多くのスマホ対応サービスも、iOSとアンドロイドを対象としているのが現実。果たして発売後も、国内市場でWPが生き残っていくことはできるのだろうか。鍵となるのは、日本MSの動きだ。2015年夏のウィンドウズ10の発売に向け、同社では国内にモバイル端末を展開する体制の構築を急いでいるとされる。2011年にKDDIから登場した『IS12T』以来ほぼ4年ぶりとなる、次の一手に注目だ。

 週アスPLUSでも屈指の人気連載“Windows情報局ななふぉ出張所”を執筆中、マイクロソフトとスマートデバイスの話題を追いかけて、1年の4分の1は海外と、世界を股にかける若手ITジャーナリスト山口健太氏が手掛けた初の書籍が2015年3月13日に発売。

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