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メシマズ写真とおさらば? Snapdragon820などの最新技術について解説:MWC 2015

2015年03月03日 08時30分更新

 バルセロナで開催中のMWC 2015にて、クアルコムはプレスカンファレンスを開催。最新CPUの『Snapdragon 820』のアナウンスとともに、同社の最新技術について説明がありました。

クアルコム MWC2015
↑プレゼンを行なうクアルコム社長デレク・アベール氏。

 今回発表されたのは、同社のハイエンドモデルとなる“Snapdragon 800”シリーズの最新モデル『Snapdragon 820』。今年後半にサンプル出荷予定となっており、搭載したスマホが登場するのは2016年初頭と思われます。そのほか、“FinFETプロセス”で“Kryoコア”ということ以外の詳しいアナウンスは残念ながらありあません。

クアルコム MWC2015
↑Snapdragon 820が発表されたものの、詳細はシークレット。
クアルコム MWC2015
↑現行モデルの『Snapdragon 810』は60以上のデバイスに採用されているとのこと。

 CPU以外では、クアルコムが取り組んでいる新技術についての紹介がありました。そのひとつが、リアルタイムのコグニティブ・コンピューティング『Zerothプラットフォーム』です。

クアルコム MWC2015
↑イメージングセンサーを活用する『Zerothプラットフォーム』。

 Zerothプラットフォームは、カメラでとらえた画像から瞬時に何が映っているかなどを検知する技術。デモンストレーションでは、顔認識や屋外か屋内かといった簡単なものから、“食べもの”や“腕に装着した時計”といった、詳細な情報を瞬時に把握できるようになっています。

クアルコム MWC2015
↑屋外の写真撮影時の例。花や山といった被写体の情報が表示されている。
クアルコム MWC2015
↑腕に取り付けた時計と細かな状況把握を実現している。

 こういった機能はデジカメには当たり前のシステムとして搭載されていましたが、汎用のCPUに機能として搭載されれば、スマホのデジカメ機能に利用可能です。これまで、スマホのカメラというと、オートで撮るとホワイトバランスなどが正しく判断できず、いわゆるメシマズ写真になってしまいがちでしたが、Zerothプラットフォームを採用すれば、どんな被写体でどのような撮影環境かがデータとして処理できるため、撮影シーンに合わせた色作りなどがスマホでも実現できそうです。

 Zerothプラットフォームは、今後リリースされるSnapdragon 800シリーズに搭載していく予定とのことです。

 さらに、超音波技術を使った3D指紋認証技術を業界として初めて発表。今後発表するSnapdragonの400シリーズ、600シリーズ、800シリーズは、この指紋認証機能を搭載していくとのこと。これまで指紋認証システムをスマホに搭載する場合、別途認識用のシステムが必要でしたが、指紋を読み取るセンサーさえ搭載すればオーケーなので、今後は指紋認証機能を搭載したスマホが増えそうです。

クアルコム MWC2015
↑超音波技術で指紋の溝の高さなども検知する。

 そのほか無認可の5GHz帯を使って、さらに高速通信を可能とする『LTE-U』についても説明があり、対応の小セル基地局やモデムチップなどもアナウンスがありました。

クアルコム MWC2015
↑無認可の5Ghz帯とのキャリアアグリゲーションで1000倍のデータ転送量を目指す。

 5GHz帯を試用するため、WiFiとの混線が心配されていますが、クアルコムが行なったテストでは、そのようなトラブルは発生せず、現状の2倍以上のスピードを計測しているとのことです。

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↑Alcatel-LucentやT-Mobileなど各社とも提携して5GHz帯アンライセンス周波数帯を推進していく。

 Snapdragon 820の詳細が公開されなかったのは残念ですが、クアルコム自身は、スマホがさらに便利で安全で速くなる機能にもキッチリと取り組んでいるようです。

●関連サイト
クアルコム

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