週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

足をこいで動かせる進化型車いすが登場 全国スタートアップデイin東北

2015年02月17日 08時00分更新

 トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが主催する“全国スタートアップデイ”は、地方のスタートアップ企業と投資家などを結び付けるイベントだ。2014年7月から2015年2月に国内7都市をまわっており、2015年2月14日、ついに最後の都市、仙台で“全国StartupDay in 東北”が行なわれた。

全国StartupDay in 東北

 仙台でも8社のピッチが行なわれ、震災後の雇用創出に注目が集まるエリアだけに、地場に根付いた実力あるベンチャーが集まっていた。またIT系以外の比率がほかの地方に比べて高く、確かな技術と、社会への貢献度合いが高い企業が多かったのが特徴だ。

 グランプリに選ばれたのは、足こぎ車いす『Profhand(プロファンド)』のTESSだ。

全国StartupDay in 東北

 「車いすで足こぎ?」と矛盾を感じてしまうが、歩行が困難な人でもこの車いすに乗れば、もともと人間に備えられている脊髄による歩行反射を利用してペダリングが始まり、自分の足で車いすを動かせるというものだ。

全国StartupDay in 東北

 自らの筋肉を使うことでリハビリ効果も高く、世界初の介護福祉機器として米国食品医薬品局(FDA)の認定も受けている。寝たきりから、杖で歩行できるまでに回復した例もあるという。開発を行ったTESSの鈴木堅之代表取締役は「もう一度立てるというよろこびを与えたい」と語り、今後は国内のケアセンターなどへの設置や試乗会なども増やしていく予定だ。

 トーマツ賞の東北マイクロテックは、3次元LSIの製造プロセスの時間を大幅に短縮する技術をもち、生産設備の設立のため投資増を狙う。

全国StartupDay in 東北

 通常のLSIでは搭載される回路ブロック間の配線が長く、応答速度も遅くなり、消費電力も高い。それを解決するのが3次元LSIで、各回路ブロックを切り出し積層することで配線を短くして、性能の向上、低消費電力化を実現する。東北マイクロテックの元吉真代表取締役は「2018年から3次元LSIの生産を開始し、2020年に赤外線センサー市場のシェア1%を獲得する」と意気込みを見せていた。

 サムライ賞は重量286グラム、ポケットに入るポータブルDJ製品『GO-DJ』を作成販売する仙台のハードウェアベンチャーのファウディオだ。

全国StartupDay in 東北

 登壇時にファウディオの宮崎晃一郎代表取締役が製品を取り出すと、洗練されたデザインに会場でどよめきが起こったほど。タッチパネルでスクラッチが可能で、気軽なシチュエーションで使える。ターゲットはこれからDJを始めてみたい人からセミアマチュア層までを狙う。価格は5万9800円(税別)で、アマゾンをはじめ全国の量販店ですでに売られている。

全国StartupDay in 東北

 全国StartupDayの地方会場は今回でラスト。この後、2015年3月26日に東京国際フォーラムで全国7会場のピッチでグランプリに輝いた企業が集まり、全国StartupDayの東京ファイナルが行なわれる。地方の有力ベンチャー企業が一堂に集う機会、各地で登壇した企業の成長具合も楽しみだ。

■関連サイト
トーマツ ベンチャーサポート
Samurai Incubate.inc

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう