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闘会議:ネットで生まれた“遊び方”がリアルになった2日間をまるっと振り返り!

2015年02月02日 23時45分更新

文● 広田稔 編集●ユージン

闘会議振り返り

 1月31日、2月1日の2日間にわたり開催されたゲーム実況とゲーム大会の祭典『闘会議2015』が幕を閉じました。

 公式の発表によれば、来場者は3万5786人、ニコニコ生放送の視聴者数は合計で574万6338人になったとのこと。昨年に実施した『ニコニコ超会議3』は、来場者が12万4966人、ネット視聴者が759万5978人。会場の広さは、超会議が幕張メッセの8ホールぶん、闘会議が3ホールぶんということを考えると、順当な来場者数といえるのではないでしょうか。

 週アスでも20本の記事で各ブースを紹介してきたが、個性の強い企画をフィーチャーした個別記事では全体の流れがなかなか見えてこない。というわけで、「闘会議とはなんだったのか」を振り返るまとめを作ってみました。

闘会議振り返り
↑闘会議は、ホール7も借りて入場前の待機列を形成していた。この時期、屋外で待つのは寒さがかなり辛いので、これはうれしい配慮だろう。10時の開場時間にあわせて、来場者の気持ちを煽りまくる映像が大音量で流れた。
闘会議振り返り
闘会議振り返り
↑「ゆけ!遊者たち!!」というセリフのあとに6ホールに続くシャッターがいくつか開いて行列の先頭から並び、さらに一定人数に小分けして中に入っていく。一連の流れがゲームのオープニングっぽくてテンションがあがりまくってしまう。

●人だかりがスゴすぎたステージ&実況ブース

 闘会議は、超会議のゲーム部分を抜き出して、さらに濃縮したような雰囲気でした。ゲームの大規模イベントというと、スマホやテレビ、アーケードなどで企業がブースを構えている光景を思い浮かべがちですが、レトロゲームや自作ゲーム、テーブルゲーム、リアルゲームなど、ゲームと名のつくものを貪欲に取り入れ、ユーザーも出展者として参加しているのがユニークです。

 来場者のメインは、中高生で、男女ともに偏りなく来ていました。超会議に比べると、幼児や小学生を含む家族連れも多かったです。会場内で特に人だかりができていたのが、タレントや実況プレーヤー、プロゲーマーが多く出演していたステージイベントでした。

闘会議振り返り
↑モンストブース
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↑ガンホーブース
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↑コロプラブース
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↑LINEブース

 特に目立っていたのが、niconicoでも人気の高いゲーム実況者たち。出演者としては、マックスむらいさんやHIKAKINさん、M.S.S Poject、最終兵器俺達、チーム湯豆腐など、書ききれないほど多くのゲーム実況者が名を連ねていました。

闘会議振り返り
闘会議振り返り

 会場中央に、比較的小規模なブースが14個あった“ゲーム実況ストリート”では、特に人だかりがスゴいことに。写真はいずれも2月1日で、左はスクウェア・エニックスブースにM.S.S Pojectのメンバーが、右は“スーパーマリオ 3Dワールド”ブースにヒラさん、フジさん、セピアさん、コジマ店員さんがそれぞれ出演したときの人混みです。

闘会議振り返り
闘会議振り返り
↑来場者をテーブルに呼んで、一緒にゲームをプレーし、和気藹々と楽しむという雰囲気が非常に心温まりました。

●幅広い年齢層を引きつけていたアナログ・リアルゲーム

 アナログ系・リアル系のゲームも負けていません。記事でも取り上げた「任天道場」では、トランプや将棋だおしなど、任天堂にゆかりのあるアナログゲームが取り入れられて、熱戦が繰り広げられていた。

闘会議振り返り
闘会議振り返り
↑ゲーム実況ストリートのとなりで、ほぼ会場中央にあった“任天道場”。道場主との対決は現場で見ていて、思わず手に汗握ってしまう。
闘会議振り返り
闘会議振り返り
↑リアルゲームエリアでひときわ存在感を放っていた“サッカーゲームをリアルに再現してみた”。リアルに22人が集まり『FIFA 15』をネットワーク対戦するのだが、スタート前に円陣を組んだり、点を入れたらみんなでアクションを取って喜んだりと、本当のサッカーのような熱気がコートから放たれていた。
闘会議振り返り
闘会議振り返り
↑「あー」という声で音域を変えながらキャラクターを操作し、どこまで倒れずに進めるかという“AudioPadで声ゲー”。参加者は、感想を付箋に書いてブースの外側に張っていた。
闘会議振り返り
↑アナログゲームエリアは、麻雀などがあったせいか、比較的男子率が高め。その中で女子が異常に集まっていたのが『ワンナイト人狼』でした。ステージイベントはないので、ブースはやたらと静かなんですが、それでもみんなのニコニコが伝わってきます。
闘会議振り返り
↑『どうぶつ将棋』を楽しむ女の子たち。目当てであるゲーム実況者のステージの合間に、自分たちができそうなゲームを探してここに行き着いたという。そんな道のゲームとの偶然の出会いがあるのも、闘会議ならではの魅力だろう。
闘会議振り返り
↑ボードゲームの『おばけキャッチ』。家族みんなで楽しめるのがアナログゲームのよさだ。聞くところによると、小学生vsおじいちゃんのような年の差対戦があったとか。

●これぞ闘会議の本気! ヒロタ的に感動したブース

 めちゃ個人的で申し訳ないが、筆者的にはniconicoに“変なこと”をやり続けてほしいと願うわけだ。そうした古参(老害?)ニコ厨の気持ちを汲んでくれているのか、多くのユーザーにストレートに届くステージイベントや新製品発表に紛れて、変化球をガンガン投げていたのが嬉しかった!

闘会議振り返り
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↑自作ゲームブースでは、40近いタイトルを揃えて、1970年代からの自作ゲームを実際に遊べるというアツい企画を用意。「絶対この時代に生まれてないだろ!」という若者が遊んでいる光景がなんだか不思議でした。
闘会議振り返り
闘会議振り返り
↑アーケードエリアでは、奥にniconicoゲーセンノートと題したコーナーを用意。うん、ゲーセンのノートで交流ってあったなー。この再現度がいい感じです。
闘会議振り返り
↑ゲーム実況ストリートのブラウザゲームでは、“クッキーBBA”の異名もあるひたすらクリックしてクッキーを焼く『クッキークリッカー』と、鬼の難易度に全プレイヤーが泣いた『くまのプーさんのホームランダービー!』という、ネット民のツボを押さえた2本をプレー。ずっと見ていたかった!!
闘会議振り返り
↑レトロゲームエリアには、『スペランカー』と『トランスフォーマー コンボイの謎』という、主人公がすぐやられると話題のタイトルに挑める“やられゲーチャレンジ”を用意。すぐやられるだけあって、回転が速いです(笑)
闘会議振り返り
↑コスプレブースは、あちこちでの撮影会や、ステージでのインタビューなどが、ゆるゆると進行していました。
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↑ユーザーが企画・運営を担当する“まるなげひろば”。ユーザーがブースを構えて、バルーンアートでゲームキャラを作ってくれるなど、さまざまな出し物を提供していました。
闘会議振り返り
↑中でも筆者的にイチオシなのが、日本うんこ学会が出展していた“うんコレ”。なんと大腸菌を擬人化し、課金の代わりに毎日うんこの状態を報告するとカードがもらえて敵を倒すという、一見謎のスマホゲーム……。
闘会議振り返り
のですが、実はネタではなく、10代で潰瘍性大腸炎を患い、人工肛門になることで一命をとりとめた消化器外科医の石井洋介氏が、自分の便に興味を持ってもらって大腸ガンを減らしたいというアツい想いから始まってます。今夏にiOS/Android向けにリリース予定とのこと。

 というわけで駆け足で全体をみてきたが、ゲームという枠はあるもののかなり雑多な要素が混じっているのがお分かりいただけただろうか。

 思えばniconcioの真髄は、ユーザーによる遊びの発明にあります。コメント機能を使って絵を描いてみたり、ランキングを逆手にとって釣り動画を仕込んだりと、遊びのルールを自分たちで勝手に作ってネットを通じて広めてきました。ゲームにおいても、難易度の高いク○ゲーをあえて実況して四苦八苦する姿をみんなで楽しんだり、箱庭ゲームの『マインクラフト』で巨匠になってみたりと、自由な発想で遊びを作ってきたわけです。

 そうしたネットで生まれた潮流が、リアルに降りてきたのが闘会議になる。そういえば闘会議でも、各ブースを回って何かアクションを取ることで勲章をもらえて、みんなで見せあえるという遊び方が提案されていた。

 ネットでは、サイト自体がかなり成熟してしまって、なかなか変化球の遊びを見つけられなくなったniconicoだが、ここ最近力を入れているイベントという新たな領域で、ユーザーと一緒にまたアホな遊びを見つけてくれるのではないか——。そう感じた2日間だった。すでに来年は、1月30、31日に“闘会議2016”を予定している。ぜひ現地を訪れてみてはいかがだろう。

■関連サイト
闘会議2015 公式サイト

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