週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

Windows情報局ななふぉ出張所

Nokia N1でノキアブランドが復活した理由とは?

2014年11月19日 07時30分更新

 ノキアが11月18日、初となるAndroidタブレット『Nokia N1』を発表しました。ノキアブランドの突然の復活として、大きなサプライズとなっています。

Nokia N1
↑『Nokia N1』。背面のノキアロゴがしっかりと主張している。

 iPad mini 3と同じ、7.9インチ・2048×1536ドットのディスプレイを搭載しつつ、より薄型軽量となる厚さ6.9mm、重さ318gを実現。OSには最新のAndroid 5.0 Lollipopを標準搭載するなど、タブレットとしても際立ったスペックの製品となっています。

Nokia N1
↑iPad miniと同サイズとなる、7.9インチで4:3比率の画面を搭載。それでいて最新のiPad mini 3より薄型軽量だ。

 とはいえ、いちばん気になる点は、マイクロソフトに買収されたはずのノキアが、なぜタブレットとして復活することになったのか、その経緯ではないでしょうか。

ブランドに見る、マイクロソフトとノキアの関係

 Lumiaシリーズのスマホを始め、過去にありとあらゆる携帯電話を手がけてきたノキアですが、その携帯電話事業はマイクロソフトによって買収されました。

 この買収時の契約によりマイクロソフトは、今後10年間に渡って、スマホや携帯電話製品にノキアのブランドを使い続けることができます。逆にノキアは2016年末まで、新たにノキアブランドのスマホを販売することはできない、という条件が課されていました。

 その後マイクロソフトは、Lumiaシリーズからノキアブランドを外し、『Microsoft Lumia 535』を発表したのは記憶に新しいところです。

 一方、ノキアという企業は今でも存続しています。携帯電話事業以外の、HEREブランドの地図サービスや、かつてのNSN(Nokia Siemens Network、のちのNokia Solutions and Networks)である基地局事業などが残っています。

 そして11月14日、ノキアはロンドンで投資家向けのイベントを開催し、ノキアブランドを他社にライセンス供給することで、再活用していくとの方向性を示したばかりでした。

 ノキアの説明によれば、Nokia N1はこのスキームに基づいた製品となります。ノキアによる端末の工業デザインや、独自のランチャーなどのソフトウェア、特許やロゴなどを含むとみられる知的財産について、OEMパートナーにライセンス供給します。

 そのOEMパートナーは、端末の製造や販売、カスタマーサポートなどの端末事業全般について、責任を追うものとされています。

■初のAndroidタブは見どころ満載

 ノキアとして最初のAndroidタブレットとなるNokia N1は、それ自体が見どころ満載のタブレットとなっています。

 ディスプレイは7.9インチのIPS液晶で、画面のアスペクト比は4:3、画面解像度は2048×1536となっており、Retinaディスプレイ採用のiPad miniと同じサイズ、解像度となっています。

 しかし外形寸法は138.6×200.7×6.9mmで、重さは318gとなっており、iPad mini 3(134.7×200×7.5mm、重さ331g、Wi-Fiモデル)と比べても薄型軽量に仕上がっています。

 注目すべきは、本体下部に搭載したmicroUSB 2.0ポートとして、最新規格の“Type-C”を採用している点です。現在主流のType-Bとは異なり、裏表の区別がなく、向きを気にすることなく接続できるよう改善されています。

Nokia N1
↑裏表を区別する必要がないmicroUSB Type-Cコネクターを搭載。その副作用として、デザインがLightningを搭載するiPad miniに似てしまった感はある。
Nokia N1
↑カバーを付けた様子。やはりiPad miniを連想してしまうが、スピーカー穴の配置などは微妙に異なっている。

■2015年第1四半期に中国で発売、その他の地域も期待

 Nokia N1の発売時期は2015年第1四半期で、発売国は中国となっています。前述の通り、ノキアが直接販売を手がけるものではないものの、OEMパートナーがノキアブランドで展開することが予想されます。これまで通り、ノキアロゴを冠したショップで販売する可能性が出てきました。

Nokia N1
↑端末のイメージ画像では上海の天気を表示していることからも、中国市場を最初のターゲットにしていることが分かる。

  価格は249ドル(税別/約2万9060円)となっており、iPad mini 3より安いのはもちろん、16GB版の初代iPad miniと同価格となっているのが面白いところ。今後は、他の地域にも展開する可能性があるとのこと。

 Lumiaシリーズからノキアブランドが消滅するのと入れ替わりに、新たなノキアが劇的な復活を果たそうとしています。今後の展開が非常に楽しみになってきたといえるのではないでしょうか。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう