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日本発3000万DL!世界中の女子が使うアプリ『瞬間日記』に直撃

2014年09月07日 15時00分更新

 iOSとAndroidのスマートフォンアプリ『瞬間日記』は、全世界で3000万ダウンロードを記録し、日本以外のユーザーも多く、女子学生の定番日記アプリとして人気です。

瞬間日記

 使い方はちょっとしたメモから日々のコーディネート写真、未来日記まで、テキスト、写真、iOSでは音声、動画を日付とともに記録できます。ソーシャルではつぶやけない、あんなこと、こんなことを気軽に書けちゃうんです。ユーザーの間では「好きな人に会いたいっ!」と願い事を書き込むと、まさか願いが叶っちゃうというウワサまで広がるほどなんです。

 完全プライベートだからこそ生まれる使い方はさまざま。今回は、世界中で愛されるアプリの秘密を、瞬間日記を開発しているウタゴエの園田智也代表取締役に聞いてきちゃいました。

瞬間日記

――サービスが生まれたきっかけはなんでしょうか?

園田 元々、映像配信の会社を米国で運営していて、記録という市場にとても可能性を感じていました。女性をターゲットにしたサービスをつくろうとしたときに、当時Twitterが日本に入ってきたころでした。Twitterを女性が使う中で、友達関係上つぶやけないことなどがあることに気づきました。そこで個人的につぶやけて、記録できる場所をつくろうと思い『瞬間日記』をスタートしました。

 最初は社内では映像配信に力を注いていたので、半年間はこっそり私個人で開発をしていました。30万人を超えたときには、いつの間にかAppstoreのカテゴリー1位になってしまい、そこで初めて社内に報告したんです(笑)

 機能も最初はテキストのみでつくり、ユーザーさんの意見を拾いながら次は写真が来るだろうと思っていましたが、間違いでした。最初に来たのは音声録音の要望でした。しばらくしてから写真、そして動画と続きました。次はクラウドで、その先にはリアルタイムがくるであろうと思うので、控えているところです。5年間スパンでそういうストーリーを描いています。

瞬間日記

――瞬間日記ならではの特徴を教えてください。

園田 世界のどこでも利用していただけるように、280パターンの国と地域に対応しています。たとえば、米国と英国では日付の順番が違うので、各国に合わせて入力、表示を対応していたり、アラビア語などと言語対応には強く取り組んでいます。

 また日本で開発していると気づきづらい時差にも対応しています。たとえば出張時にNYを発つときに日記を書いて、そのあとサンフランシスコに到着したとしましょう。そこで日記を書くとちゃんと時系列を保つようになっています。英国とロシアで交換日記をしても大丈夫です。他にもサマータイムにも考慮していたり、地理的なところはとても大切にしています。

――3000万DLはすごいです。どのように超えたのでしょうか?

園田 本当にユーザーさんの口コミで徐々に広がっていっています。プロモーションをしても増えないし、何もしなくても減ることもない。ずっと一定に増え続けている感じです。シリコンバレーにいたことがあるのですが、その時に「ニュースリリースに頼るな」という教えを頂きました。記事にしてもらうことで一気にユーザーは増えますが、そこで一時的に増えたユーザーは定着しにくいことが多いんです。

 国外では、中国、韓国、ロシア、最近デンマークなど各国で有名なブロガーさんが紹介をくださってユーザーが増えたりすることもあります。

 また、クレームを投稿してもらいやすいようにアプリ内で設計しています。改良スピードを上げてプライオリティーを高くしていることが口コミに繋がっていると思います。なので、去年まではマーケティングに1円も使っていませんでした。TwitterやFacebookなどのシェア機能もないので、ほぼオフラインでユーザーが増えているという状況です。なので、IT系の方や男性の方は知らない方が多いですね。

瞬間日記

――ユーザーはどういう方が多いのでしょうか?

園田 日本、韓国、中国の方が9割です。細かく言うと、20代前半と10代後半の女性ユーザーと40代男性ユーザーが多いです。日本では、女子大生の中では「瞬間日記に願い事を書き込むと叶う」というジンクスもあったり「デートで毎回服が被らないようにコーディネートの記録」をしているユーザーさんもいました。一方では、震災のときに「流されない記録の思い出」として活用してくださった方もいて、人生の大切なシーンを記録しているアプリだと思います。

 日本以外ですと、デンマークのお医者さんから患者が気持ちや経過などを瞬間日記で記録しているとメールを頂いたこともあります。最近だと、ジンバブエからお問い合わせがきて本当に遠い場所でも使ってもらってるんだなと感動しました。

――これからのビジネスモデルについて教えてください。

園田 Android版ではバックアップを有料で提供していて、順調にユーザーが増えている状況です。今後はユーザーさんからの直接課金をメインしていく予定です。また中国ではコンテンツ課金として占いを提供しており、悩みを解決する元気づけられるようなコンテンツの提供も考えています。

 そして、“瞬間リサーチ”というアンケート機能がアプリ内にあります。アンケートに答えると瞬間日記の仮想通貨をポイントとして還元しています。アンケートは、「ホワイトデーでもらってうれしいもの」、「ひと夏の恋の経験」など女性向けのアンケートになっており、イエスノーがメインで1、2分で終わるアンケートになっています。

瞬間日記

 私も高校生のころから利用していて、ユーザーさんの気持ちがよくわかりました! 最近では、ますますソーシャル疲れのようなひ人が増えていますが、自分自身の内なるものを大切にするということはなくなることはないし、むしろ大切になのかもしれません。

 世界的に人気のある瞬間日記ですが、その秘密は機能だけではなくそのきめ細かい対応があってのことだったんですね。ありがとうございました。

草野 ミキ 草野 ミキ(ブロガー、ライター)
 女子大生ブロガー。1994年生まれ。高校生からIT企業のオフィス訪問/インタビューブログ“ミキ★レポ”を始める。

 

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