2014年07月30日20時45分

増収増益で2期連続2ケタ成長か au2014年第1四半期決算を発表

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 auは7月30日、2015年3月期第1四半期の決算を発表した。営業収益は対前年同期比1.8%増の1兆205億5100万円、営業利益は同9%増の1947億9100万円、純利益は同66.5%増の1135億1400万円で増収増益。モバイル通信料売上が大幅に増加するなど好調で、田中孝司社長は、2年連続の通期2ケタ成長に向けて順調な滑り出しとしている。

 今期の通期目標は営業収益が4兆6000億円、営業利益が7300億円、EBITDAが1兆2780億円となっており、進捗率はそれぞれ22%、27%、26%となり順調な推移。3年連続の2ケタ成長を目標とする経営戦略において、2年目となる今年の第1四半期は、予想通りの結果となった。

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↑第1四半期のハイライト、増収増益で順調な決算。

 増収に大きく寄与したのがモバイル通信料で、同6%、241億円増となる4291億円となり、固定売上や端末販売などの減少を補った。MNP競争の鎮静化でMNPの流動も減ったことで、解約率は前期の1.18%から0.54%まで減少し、「過去最低水準」となった。累計契約数も同5.4%増の3450万契約になり、増収に貢献した。

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↑モバイル通信料の増収によって好決算となった。
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↑通信料収入は順調に拡大。

 auの通信ARPU(1契約当たりの月間売上高)は4220円となり、同1.7%増だった。ARPUは前期からプラスに転じており、今回も対前年同期比でプラス成長。減少が続いていた通期ARPUの反転上昇に向けて順調な結果と田中社長は指摘する。

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↑通信ARPUも前年同期比でプラス。

 コンテンツサービスの“auスマートパス”をはじめとした付加価値売上も増加しており、同20%増の295億円。売上の中心となるauスマートパスの会員数は6月に1070万に達した。付加価値ARPU自体は、前年同期比で30円増、前期比では50円減の300円と微減。スマートフォンユーザーに限定すると470円、auスマートパスユーザーに限定すると690円で、これも減少しているが、会員数の増加に伴って売上が拡大した。

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↑付加価値売上も増加。
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↑付加価値売上の拡大はauスマートパスの会員拡大が牽引した。

 付加価値売上の増加に向けて取り組んでいる“au WALLET”は順調で、auスマートパスが300万会員を突破するのにかかった日数は255日だったが、それを遙かに上回る41日で300万会員を超えた。auのサービス史上最速の会員増加で、各ユーザーの決済額も「予想を上回る」(田中社長)という。

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↑au WALLETの会員数は急拡大。

 auスマートパスはオンラインでのコンテンツなどの収益拡大の施策だが、リアル店舗などでも売上を拡大しようというのが狙いで、「au WALLETを通じてオフラインの市場に進出する」(同)ことを目指した。会員数が順調に伸びていることで、今後も売上拡大を図っていく考えだ。

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↑auスマートパスでオンライン、au WALLETでオフラインの売上拡大を目指す。

 成長戦略の鍵として田中社長は「ID×ARPUの拡大」をあげる。au IDをベースにauスマートパスなどのオンライン、au WALLETのオフラインといった市場で売上を拡大させることが目標で、さらにそれぞれのID自体の売り上げを伸ばすことで、さらなる成長を目指す。

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↑au IDとARPUの双方を拡大し、売上を最大化する。

 足元の通信インフラに関しては、次世代のLTE-Advanced技術のひとつであるキャリアアグリゲーション(CA)の提供を開始。800MHz帯と2.1GHz帯の2つのネットワークを束ねることで下り速度を高速化させるほか、UQの提供するWiMAX2+を併用することで、幅広いエリアで安定した高速通信を実現する。

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↑CAとWiMAX2+による高速通信をアピール。

 800MHz帯の人口カバー率は99%に達しているが、遅れていた2.1GHz帯の整備も進んでおり、6月末時点で人口カバー率は90%に達した。ちなみに、この数字はいずれも従来の実人口カバー率ではなく、電気通信サービス向上推進協議会が定めた新基準による人口カバー率だ。

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↑人口カバー率。CAに必要な2.1GHz帯も急速に拡大している。

 ほかにも、富士山や北海道・知床半島など、国内の世界文化遺産、自然遺産といった観光地もLTEでカバー。四国八十八ヵ所の霊場もLTEエリア化する力の入れようで、さらにネットワークを強化していく。設備投資額は前年同期比で353億円増となる1433億円で、年間では5800億円を予想する。

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↑観光地でもLTEネットワークを整備。

 通信料金に関しては、新料金プランの“カケホとデジラ”を提供。7月から先行キャンペーンとして、音声通話のカケ放題プランのみを提供しているが、2~13GBのデータ容量の通信サービス、余ったデータ容量を家族間で融通する“データギフト”といった通信サービスを今年中に提供。現時点でカケ放題プランの契約数などは公開されておらず、田中社長は新料金プランの影響予測を明らかにしていない。

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↑新料金プランのカケホとデジラ。現在は音声定額のみの提供。
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↑今後、6種類のデータ容量別のパケット通信プランとデータギフトを提供する。

 同様の新料金プランを打ち出しているNTTドコモもソフトバンクも、旧料金プランは終息させるが、田中社長は「どちらが選ばれるか分からない」という考えから、旧料金プランを今後も維持する考えを示しており、新料金プランが業績に与える影響は未知数だ。

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↑固定との割引サービスauスマートバリューも、変わらず注力していく。

 国内の通信事業に加え、海外事業もさらに注力する。海外データセンター事業では、英国で新規建設も行って事業を拡大。さらにミャンマーでの通信事業に参入。同国で通信事業を独占する国営のMPTとともに、KDDIと住友商事が設立したKDDI Summit Global Myanmar(KSGM)が共同事業を行ない、収益の分配を受ける。ミャンマーは携帯普及率が10%にとどまり、2016年には人口の8割となる4750万加入が政府目標となっており、今後の成長にともなう利益拡大を見込む。

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↑中核事業への成長を目指す海外事業では、データセンターをさらに拡大。
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↑ミャンマーでの通信事業には大きな期待を寄せる。

 業績は順調だが、純増数はau単体で36万7000にとどまり、前期比ではマイナスとなったことに対して田中社長は、MNPの流動性が減った点を挙げる。MNP件数は非公開で実数は不明だが、純増数自体は4、5月が「弱めに出た」という。6月からは持ち直したとしており、下半期に向けて純増数の拡大を狙う。端末販売数も、同様に下半期に「少し重きを置いた計画」(同)で、iPhoneをはじめとした新端末での巻き返しを図る。

 総務省で協議されているSIMロック解除義務化については、「まだはっきりしていないが」と前置きしつつ、義務化後はそれに対して「対応しなければならない」とコメント。ただ、あまり大きな影響はないと見る。それ以上に、クーリングオフ制度について「大きな影響が出るのではないかと懸念している」と警戒感を示す。

 SIMロック解除などにともないMVNOはさらに伸長するとみており、このMVNOの拡大について「通信業界の変化としては大きいのではないか」と予想している。

 こうした外的環境の変化に加え、新料金プランの影響、iPhoneをはじめとした新端末の登場とiPhone5以来2年となる点など、さまざまな変化が訪れる下半期。2年連続2ケタ成長に向けて、田中社長は「新たなステージで新たな成長をしていきたい」と意気込んでいる。

●関連サイト
KDDI 発表会資料掲載ページ

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