2014年06月09日09時00分

クアルコムが次世代チップセットやIoTなどを解説:COMPUTEX2014

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 クアルコムはCOMPUTEX 2014にあわせて、会場近くのホテルにて同社のチップセットやIoT技術についての解説を行なった。

 残念ながら新しいチップセットなどの発表はなかったものの、スマホやタブレットに登載される次期ハイエンドモデルの『Snapdragon810、808』についての、詳細が伝えられた。

クアルコム COMPUTEX2014
↑解説を行なったクアルコムのマーケティング担当Mark Shedd氏(右)とプロダクトマネージメント担当のDavid Tokunaga氏(左)。

 Snapdragon810、808の特徴としてはおもに下記のポイントがある。

・64ビットCPU
・20ナノメートルプロセス
・LPDDR4メモリー対応
・11ac(2×2 MIMO)対応
・最大300Mbps通信のCAT6対応

クアルコム COMPUTEX2014
↑64ビット対応のハイエンドモデルチップセット『Snapdragon810、808』のポイント。

 Snapdragon810と808の違いは表示可能解像度で、810が4K表示までサポートするのに対し、808は2.5Kまでの対応になる。それ以外のスペックは基本的には同等とのこと。ディスプレー解像度の進化にもよるが、4Kディスプレーではないスマホには808、4Kディスプレー搭載のタブレットには810をといったすみわけになりそうだ。

 両チップセットともリリースは来年はじめを予定しており、採用するデバイスが登場するまではまだまだ時間がかかりそうだ。

クアルコム COMPUTEX2014
↑Snapdragonシリーズのロードマップ。810、808は来年で、今年後半は805がハイエンド用にリリースされる。

 前述のように810、808とも来年の投入のため、動作するリファレンスモデルの展示はなし。会場では、805を搭載したリファレンスモデルで、4K表示やカメラ性能などのデモが行なわれていた。

クアルコム COMPUTEX2014
↑805搭載のリファレンスモデルで、3Dモデリングを4K解像度で表示するデモ。
クアルコム COMPUTEX2014
↑最近流行の指定した部分だけピントを合わせて、それ以外をぼかす一眼カメラふうの画像処理もCPUの機能として装備。
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↑ジャパンディスプレーの4Kパネルを搭載したリファレンスモデル。
クアルコム COMPUTEX2014
↑4Kパネルのリファレンスモデルを接写してみたが、ドット感がなく実に滑らか。

 64ビットのチップセットに関しては2月に開催されたMWCでも発表されたように、エントリーモデルの410やミドルクラスの610、615が2014年中頃から後半に投入予定。この方針は現在でも変わらず、ハイエンドの810、808が後回しという形になる。

 日本市場ではハイエンド搭載モデルが好まれ、エントリーモデルやミドルクラス搭載モデルが市場に出てくる可能性が低い。Googleが64ビット対応Androidの発表するタイミングにもよるが、日本では64ビット対応Androidの投入が海外よりも遅れる可能性がありそうだ。

 また、クアルコムがミドルクラスからローエンドのチップセットで展開している“QRD(クアルコム・リファレンス・デザイン)”についても解説した。QRDは、チップセットとモデムの組み合わせだけでなく、電気回路設計から各国の認証、通信キャリアごとの設定やアプリなどをまとめてひとつのパッケージにしたもの。

 QRDを使えば、デバイスメーカーはカンタンにスマホを製品化することができる。クアルコムによると最短で60日あれば製品化が可能とのこと。また各国の認証やキャリア用のカスタマイズもすんでいるため、販売も容易となる。

クアルコム COMPUTEX2014
↑QRDの強みは、デバイス開発の簡略化と低コスト化などがポイント。
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↑QRDを採用したデバイスはすでに425以上も開発されており、21の国と地域で出荷。

 QRDの対象はAndroidだけにとどまらず、Windows Phoneも対象となっている。そのため、今回のCOMPUTEXのマイクロソフトの基調講演で、多数のWindows Phoneがディスプレーされていたのもそのためだ。

 QRDは採用するチップセットからもわかるように、150ドルから100ドル以下のローエンドスマホが対象。そのため現状では日本市場にはあまり影響はないが、もしQRDが取得する認証に日本の技術基準適合証明(技適)が加われば、格安スマホを日本でも展開しやすくなる。今後の展開に注目したいところだ。

クアルコム COMPUTEX2014
↑QRDがWindows Phone対応となったのは、専用キーの搭載といった制限がなくなり、Androidと同じ設計で開発できるようになったことが背景にある。
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↑リストからキャリアを選ぶだけで、そのキャリアの仕様に変更可能。ただし、ユーザーが設定するのではなく、あくまでメーカーがコントロールする機能だ。

 会場ではチップセットについてだけでなく、IoTへの取り組みとして、家電をコントロールするシステム“AllJoyn”についても展示していた。これは、メーカーが違っていてもそれぞれ通信しあい、情報の表示やコントロールといったことができるシステム。AllJoyn自体はオープンソースで提供されるため、メーカーやサービス企業が参入しやすいのがポイント。すでに“AllSeenアライアンス”という団体も設立されており、シャープやパナソニック、LGなどがプレミアムメンバーとして参加している。

クアルコム COMPUTEX2014
↑AllJoynを使えば、家電をスマホからコントロールできるだけでなく、冷蔵庫が開けっ放しという情報を、スマホやタブレット、テレビに表示するといった機能も使える。

 そのほか、Snapdragonを搭載した組み込み用基板も紹介していた。こういった組み込み用基板を使うと、電子機器の開発が容易となる。最近ではKickstarterなどクラウドファンディングを使った資金調達も一般化しているので、組み込み用基板を使った製品開発はにわかに注目を集めている分野だ。

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↑Snapdragon800を採用した組み込み用基板を搭載したロボット。スマホから遠隔操作が可能。
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↑本体下部に組み込み基板を搭載。各種センサーやモーターを制御する。

●関連サイト
クアルコム 公式サイト(英語)

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