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日本のミクから世界のMIKUに! インドネシアで『MIKUEXPO』開催

2014年05月29日 15時00分更新

MIKUEXPO

 初音ミクといえば、クリプトン・フューチャー・メディアが発売する合成歌声ソフト“ボーカロイド”の……という説明は今や過去のもの。

 音楽、イラスト、動画、コスプレ、ライブ、テクノロジー。プロ/アマを問わず、さまざまなジャンルのクリエイターが彼女を題材に作品を生み出し、初音ミクの世界を盛り上げてきた。最近では、レディー・ガガのワールドツアーにオープニングアクトで出演するなど、単なるソフトウェアの枠を飛び出して日本のポップカルチャーの代表格として認知されている。 

 その初音ミクの創作文化を世界へと発信するため、本日(2014年5月28日)からスタートした海外での総合イベントが『HATSUNE MIKU EXPO』となる。第1弾の地として選ばれたのは、インドネシアのジャカルタ。28、29日の2日間にわたり、ジャカルタ・コンベンション・センターで、初音ミクのブース展示やライブを実施する。 

 2011年、ロサンゼルスで実施したライブ『MIKUNOPOLIS』(関連記事)をはじめ、初音ミクの海外ライブは過去に何度か開催されてはいるが、展示会付きというのは初めてになる。現地はどんな盛り上がりを見せるのか!? インドネシア、果たしてミクさんはどのくらい人気なのか? 気になって仕方がなかったので、自腹で現地に飛んでみることにした!!

■インドネシアでも創作文化を育てたい

 インドネシアは、中国、インド、アメリカに次ぐ、2億4000万人という世界第4位の人口を誇る。“インドネシア GDP”でググるとわかるように、2000年から毎年右肩上がりで経済成長を続けている。日本のポップカルチャーとの関わりで見れば、AKB48が姉妹グループのJKT48を展開していたり、2012年からオタク系カルチャーイベント『Anime Festival Asia Indonesia』が開催され、日本の声優やアニメ歌手、コスプレイヤーが招聘されるなど、ここ数年で盛り上がってきている。

 初日は16時から展示会、19時からライブがスタート。開催に先駆け、Plaza Senayan Mallにある紀伊国屋書店では、現地のプレス向を集めた記者発表会が行なわれた。

MIKUEXPO
↑発表会に集まった現地の記者たち。満席で立ち見もでるほどだった。
MIKUEXPO
↑発表会に出演したのはクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤社長。
MIKUEXPO
↑発表会では、まずクリプトン・フューチャー・メディアがボーカロイドを扱い始めた経緯と発売した製品を解説。さらに曲やキャラクターから始まって、イラストや動画、コスプレ、テクノロジーになどに波及する“創作の連鎖”をレクチャーしていた。特に世界では、コスプレとしての初音ミク人気が高いという。
MIKUEXPO
↑初音ミクのライブは、海外でもアメリカ、シンガポール、香港、台湾などで実施してきた。

 世界で初めてMIKUEXPOをジャカルタで開催することになった経緯について、伊藤社長は「Facebookにある公式ページ“MIKUBOOK.COM”は、英語で発信しており、200万人を超える海外ユーザーが登録している。その世界中のミクファンから、コンサートの開催を希望する声が毎日のように届いている」という状況を解説した。

 そのうえで「初音ミクのコンサートは、プロジェクターや投影するボードなど、人間のコンサートにはない装置の輸送にお金がかかってしまう。基本的に赤字なので、すべての声には答えられない。そこでMIKUBOOK.COM上に“Help Us Finde You”という特別なページを設け、ファンがどこの都市にいるのか調べ始めた。その調査に10万人以上が参加し、いちばん要望が多かったのがジャカルタ」と、今回のジャカルタ開催までの経緯を明かしていた。

MIKUEXPO
↑もうひとつの理由として、伊藤社長は「インドネシアには“VOCALO.ID”というボカロPグループがいて、インドネシア語で歌を作って人気を得ている。正しい創作文化が育っているのも注目したというポイント。今後はインドネシアでも世界でも多くの役割を果たすと思う。だから最初のMIKUEXPOにインドネシアを選んだ」 と語っていた。
MIKUEXPO
↑ブース会場は、日本国外で初めて展示されるものばかり。キャラのコスプレを楽しめるコーナーや、自分のイラストを残せる“ピアプロの壁”なども展示するという。

「単にコンサートをするだけでなく、展示で創作文化の世界を体感できるように“MIKUEXPO”と名付けた」と伊藤社長。現地のプレスの質問に対しても、「初音ミクはゲームでもない、アニメでもない、ミュージシャンでもない。初音ミク自体は存在しなくて、使う人がたくさんいて初めて存在する。初音ミクを使う人が喜ぶ、創作活動を増やすというのが重要だと考えています」と答えていた。

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↑個人的に興味深かったのは、『Tell Your World』など初音ミクの曲が流れると、プレス席で口ずさんでいた方が数人いたということ!!
MIKUEXPO
↑ライブについて伊藤社長は、「日本のイベントとの気合いの入れ方はまったく同じ。高い情熱を持って取り組んでいる。ただ、インドネシアに運ぶのが大変という制約もあるので、そこで多少違いがあるかもしれない。でも中の人間は高いパッションを持って取り組んでいる」とコメント。

 確かにこのMIKUEXPOがきっかけで、現地のミククリエイター・パフォーマーが増え、逆に日本でも紹介されるような状況が出てくるとますますおもしろい展開になるはず。伊藤社長も「日本とインドネシアの若者が交流し、両国の文化に貢献できることを期待しています」とアツく語ってくれた。

■会場はジャカルタの若者でスゴい熱気!

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↑展示は16時にスタート! まずはライブのチケットを持っている人が優先入場。
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↑お目当ては……日本のファンと同じ物販だー! 大混雑です。
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↑イラストなども展示されています。
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↑天使ミクさんの等身大フィギュアもジャカルタに!

 会場での盛り上がりやコンサートのようすは別途、週アスPLUSでお届けする予定だ!

©  Crypton Future Media, INC.

■関連サイト
HATSUNE MIKU EXPO 2014 in Indonesia

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