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世界最大128GBマイクロSDXCカードを最新から3年前までのスマホで試した

2014年04月04日 15時15分更新

 サンディスクから、世界最大容量となる128GBのマイクロSDXCカード『サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB』が登場した。今回、いち早く製品サンプルを入手したので、現役スマホで問題なく使えるかどうか、またスマホに取り付けた場合の速度など、気になる点を検証してみた。

●NANDチップを16枚重ねて128GBを実現

 超小型のマイクロSDXCで128GBの超大容量を実現した『サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB』(以下、ウルトラプラス128GB)。親指の爪よりも小さなサイズで128GBの大容量を実現するため、ウルトラプラス128GBではNANDフラッシュメモリーチップを極限まで研磨して薄くしたうえで、これを16枚も重ね合わせて実装。最先端の技術を駆使することによって、この大容量を実現しているわけだ。

20140305_sandisk

↑髪の毛より薄くNANDフラッシュメモリーチップを研磨し16枚積層することで、128GBの大容量を実現している。

 ウルトラプラスシリーズは、最上位『エクストリーム』シリーズのすぐ下位に位置付けられる製品だ。UHS-I対応で転送速度は最大毎秒40MB、スピードクラスはクラス10およびUHSスピードクラス1に対応。

サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB

↑ウルトラプラス128GBの製品パッケージ。カード本体にSD変換アダプターが付属している。

 カードのデザインは、黒いボディーに赤でロゴが印刷されている。既存のウルトラプラスシリーズでは、上半分が赤、下半分がグレーに色分けされたデザインだったが、そちらからデザインが大幅に変更されている。

サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB

↑黒のカードに赤でロゴを印刷。従来モデルからデザインが大幅に変更された。

●マイクロSDXC対応スマホなら問題なく利用可能

 ウルトラプラス128GBは、マイクロSDXCカートとして世界最大容量となるため、現在利用中のスマホで問題なく利用できるかどうか、気になるはずだ。そこで、実際に最新機種から過去の機種まで、いくつかのスマホを用意して正常に利用できるかどうかチェックしてみた。

 まず、最新機種となる『Xperia Z1 f SO-02F』でチェックしてみたところ、正常に認識され、利用もまったく問題がなかった。また、2012年夏モデルの『GALAXY SIII SC-06D』もマイクロSDXCカードに対応しており、問題なく利用できた。

サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB
↑Xperia Z1 f SO-02Fなど、マイクロSDXC対応スマホは全機種で問題なく利用可能。
サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB
↑GALAXY SIIIもマイクロSDXC対応のため、問題なく認識し利用できた。

 サンディスクに確認したところ、これまでに発売されたスマホのうち、マイクロSDXCに対応するスマホでは、全機種で正常に利用できることを確認済みとのこと。つまり、マイクロSDXC対応スマホであれば、安心して利用できるわけだ。

 それに対し、マイクロSDXC非対応のスマホでは正常に利用できない場合が多いようだ。今回は、2012年夏モデルの『MEDIAS X N-07D』、2011年夏モデルの『P-07C』および『AQUOS PHONE 006SH』の3機種で試してみたが、全機種とも正常に認識しなかった。マイクロSDXCは“exFAT”というフォーマット形式を採用しているのに対し、マイクロSDHC以前は”FAT32”というフォーマット形式を採用。フォーマット形式が異なるため、正常に認識しないわけだ。

MEDIAS X N-07D(2012年7月発売)
サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB
↑カードを取り付けても、「SDカードが空か、サポート対象外のファイルシステムを使用しています」と表示され認識しない。
AQUOS PHONE 006SH(2011年6月発売)
サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB
↑カードを取り付けても、“破損したSDカード”と表示され認識しない。
P-07C(2011年8月発売)
サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB
↑カードを取り付けても認識せず、利用できない。

 なお、この3機種のうちMEDIAS X N-07DとAQUOS PHONE 006SHは、スマホ本体でカードのフォーマットが可能で、フォーマットすれば利用可能となった。その状態での利用可能容量は、AQUOS PHONE 006SHでは約64GBにとどまるものの、MEDIAS X M-07Dでは128GB全領域が利用可能となった。マイクロSDXC非対応のスマホでも全領域を利用できるものがあるというのは、正直驚いた。とはいえ、この利用方法はメーカーサポート対象外。ほかの機種でも使えるかどうかは試さない限りわからないため、マイクロSDXC非対応のスマホでの利用は、基本的にはおすすめできない。

サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB
↑マイクロSDXC非対応のはずだが、スマホでカードをフォーマットすることで128GB全領域が使えるようになった。
サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB
↑AQUOS PHONE 006SHでは、スマホでフォーマットしても約64GBの領域しか利用可能できなかった。

●読み込み、書き込みともウルトラシリーズより高速

 では、速度はどうだろう。今回は、Xperia Z1 f SO-02Fにカードを取り付け、SDカードの速度を計測できるアプリ『A1 SD Bench』(外部サイト)を利用して速度を計測した。また、比較としてエクストリームシリーズの64GBモデルと、ウルトラシリーズの64GBモデルも用意し、そちらでも速度を計測してみた。

 結果は、最上位シリーズとなるエクストリームシリーズよりは遅かったものの、ウルトラシリーズよりも高速で、読み込みはほぼスペック通りとなる毎秒39.97MBを記録した。書き込みは毎秒14.91MBと、読み込みに比べて半分以下の速度だったが、それでもウルトラシリーズより約1.8倍速く、パソコンなどに接続して大容量の動画データを転送する場合でも、より高速に転送できるだろう。

サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB

↑Xperia Z1 f SO-02Fにカードを取り付け、『A1 SD Bench』で速度をチェックした。

サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB

↑ウルトラプラス 128GBに加えて、エクストリーム64GB、ウルトラ64GBでも速度をチェック。

『A1 SD Bench』での速度検証結果

  ウルトラプラス ウルトラ エクストリーム
容量 128GB 64GB 64GB
読み込み速度 39.97MB/s 33.36MB/s 43.55MB/s
書き込み速度 14.91MB/s 8.11MB/s 33.71MB/s

 

 ウルトラプラス128GBは4月中の発売が予定されており、実売価格は3万6000円前後。64GBのマイクロSDXCカードは、安価なものでは5000円を切って販売されていることを考えると、かなり高価に感じる。とはいえ、ウルトラプラス64GBモデルの実売価格が1万6000円前後ということや、世界初の128GB製品であることなどを考慮すると、特別高価というわけでもないだろう。

 近年、通勤通学の途中にスマホで動画を楽しむ人が増えているが、ウルトラプラス128GBがあれば、容量を気にすることなく多数の動画を保存できるようになる。また、フルセグ録画対応スマホでは、録画番組数が飛躍的に向上する。スマホで動画を思う存分活用したいなら、これだけのコストをかける価値は十分にあると言えそうだ。

■関連サイト
サンディスク 公式ページ

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