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祝 Macintosh 30周年!! 失敗?名機?評価が分かれるPowerBook 2400|Mac

2014年03月09日 18時00分更新

 こんばんは、MacPeopleの吉田でございます。1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。今回からはこれまで取り上げてこなかったノート型マシンを紹介します。

 ノート型マシンとして10回目に紹介するのは、PowerBook 2400シリーズです。日本IBMの大和事業所が製造に深く関わったマシンとして知られ、日本国内では根強い人気を誇ったマシンでした。しかし、海外での評判はさっぱりでワールドワイドでは失敗作といわれても仕方のない販売台数でした。

 海外で不人気だった理由は、やはりキーボードのキーピッチが狭かったことが理由かと思われます。日本人に比べて大柄な人が多い欧米人の手には2400のキーボードは入力しづらかったのでしょう。PowerBook 3400に同じレベルの性能を備えていましたが、車社会の米国などでは2400のコンパクトさは必要なかったのかもしれませんね。

 現在、MacBookシリーズのキーボードの主要なキーはすべて同じキーピッチです。iPad AirやiPad miniの幅に合わせた純正キーボードが登場しないことからも、Appleはキーボードの操作性を損なう小型化は今後もやらないのではないかと思います。

Macintosh PowerBook 2400シリーズ
(2400c /180/2400c/240)

 通常サイズのPowerBookがあまりに厚く、重かったため、気軽に持ち運べる「サブノート」機への需要は特に日本では高かった。そんな中、PowerPC化されたDuo 2300cの後を継ぐマシンとして登場したのがこの2400cだ。

PowerBook 2400
日本IBMが製造を請け負ったPowerBook初のサブノートマシン。日本国内での人気は高かった

日本のワザで造った日本向けPowerBook

 PowerBook 2400cは、型番でいえばDuo 2300cの後継モデルに相当する。1997年初頭に2300cの販売が中止されたあと、しばらく間を空けて同年5月に発売された。当初のモデルは180MHzのクロック周波数で動作するPowerPC 603eを採用していた。このモデル自体は、1年もしないうちに販売が終了してしまう。

 カテゴリーでいえばサブノートに属する本機は、キーボードのピッチ(幅)が標準よりやや狭く、フロッピードライブを内蔵していないこともあって、日本以外の市場では人気がなかったためとの高いモデルだったので、1998年4月にはクロック周波数を240MHzにアップさせたモデルが日本市場だけで発売された。サブノートとはいえ、CPU自体は当時の最上位モデルだったPowerBook3400と同一で、3400と同様に2次キャッシュメモリーも256KBを標準装備していた。PCIベースの内部アーキテクチャーも基本的に3400と共通で、グラフィックコントローラーとして「CT65550」を搭載していた。基本的な処理能力では、3400に対して引けを取ることはなかったのだ。

 実はこの2400cは、日本IBM(株)がノートブック型としての実装設計と製造を担当したマシンだった。ちょうどPowerBook100をソニー(株)が担当したのと同じ役割だ。当時は、アップルがサードパーティーに対して、Power Macのライセンスを供与し、互換機が販売されていた時代。PowerBookの互換機も登場するのかと期待する声もあったが、結局は実現しなかった。日本IBMは、当時同社が製造、販売していたサブノートのThinkPad 535と内部の部品や実装設計を共通化することで、コンパクトかつ軽量なノート型を低コストで製造することに成功した。

PowerBook 2400
PowerBook 2400cのキーボード。キーピッチがほかのPowerBookよりも狭いほか、トラックパッド下のボタンも独自の形状だ

独特の曲線デザインを採用

 使用中には見えないが、液晶パネルの背面カバーは、両端に近い部分がやや盛り上がり、逆に中央部分が薄くなるという波打つような曲線的なデザインを採用していた。これは機能にはまったく関係なく、純粋に意匠的なデザインで、通常はほとんど見えない本体の底面も同じような曲面となっていた。

 外付けのフロッピードライブも同様のデザインで、極端にいえば、断面がひょうたん形の印象的な形状のケースに収まっていた。このドライブには前面にカバーがあり、180度開くとスタンドになってドライブの前面を持ち上げるようになっていた。このカバーも、ちょうどひょうたんを縦に2つに切ったような形状になっていて、この形状に対するかなり強いこだわりが感じられた。中央のアップルマークも印象的だ。さらに付け加えれば、トラックパッドのボタンも口ひげのような形状になっていて、同時代のほかのPowerBookとは一線を画するコンセプトを前面に押し出していた。このような曲線を基調とした外装デザインは、このあとに登場するPowerBook G3シリーズに受け継がれていくことになる。

PowerBook 2400
外付けのフロッピードライブ。メディア挿入口は中央部がへこんだ形状となっている

 *       *       *       *

 さて、好評発売中のMacPeople 4月号では、Macintosh30周年特集第2弾として、Macintosh PortableやPowerBookなど歴代ノート型Macをたっぷり紹介しています。そのほか、2014年知っておきたい最新テクノロジー解説、Googleサービス使いこなし術、MacやiPhone/iOSのトラブル解決技など、じっくり楽しんでいただけること間違いなしです。

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 また、MacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!

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