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ソチ五輪の開会式で選手達が持っていたスマホが超絶気になる(石川温氏寄稿)

2014年02月13日 17時00分更新

 ついに男子ハーフパイプでメダルが出るなど盛り上がりを見せているソチ冬季五輪。

 7日夜に行われた開会式のテレビ中継では、会場内をスマホで撮影する選手たちが気になった。見れば、大きな本体に参加国の国旗がプリントされたカバーになっている。このスマホ、何とサムスン電子がIOCに無償提供したソチ冬季五輪特別カバーがついた『GALAXY Note3』とのこと。

ソチ五輪

↑ソチ冬季五輪『GALAXY Note3』特別カバー。

ソチ五輪

↑日本モデル。

 実は、サムスン電子は1998年の長野冬季五輪から、携帯電話部門の公式スポンサーに就任している。さらに、当時から大会ごとのスペシャルモデルを用意してきたというのだ。

ソチ五輪

↑ソチ市内にある『GALAXY Studio』。

 サムスン電子では、五輪開幕に合わせて、ソチ市内に『GALAXY Studio』というショールームを設置。なんと、その場に歴代五輪モデルが展示してあるというので、早速、行ってみた!

ソチ五輪

↑1998年からの全8モデルが展示されていた。

 飾られていたのは全部で8モデル。1998年の長野冬季オリンピックから2012年のロンドン夏季五輪までとなる。今回のソチ冬季五輪を含めて、すべて9モデルを発表してきたことになる。

ソチ五輪

↑1998年長野冬季五輪『N206』。

 早速、振り返ってみると、まず気になるのが1998年長野冬季五輪モデル。どこかで見覚えがあるかと思ったら、NECのN206をベースにした機種であった。当時、サムスン電子は日本市場に参入してないので、そのころ主流であったPDCの技術を持っていない。しかし、開催国に合わせたケータイを作らなくてはいけないということで、サムスン電子がNECにお願いしてOEMというかたちで実現したようだ。『SAMSUNG』のロゴが載っているのに“N”ブランドというのが何とも珍しい。16年後、日本でサムスン電子がこんなにシェアを伸ばしていて、NECがスマホから撤退していたなんて、誰が想像できただろうか。

ソチ五輪

↑2000年シドニー夏季五輪『SGH-2400』。

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↑2002年ソルトレイク冬季五輪『SCH-T300』。

 2000年のシドニー夏季五輪はGSMとDCSのデュアルモード『SGH-2400』、2002年ソルトレイク冬季五輪はCDMAトライバンド『SCH-T300』というように、現地の通信事情に合わせた通信方式を採用してきているのが興味深い。

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↑2004年アテネ夏季五輪『SGH-i530』。

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↑トリノ冬期五輪『SGH D600』。

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↑ペキン夏季五輪『SGH-i688』。

 2004年のアテネ夏季五輪となるとPalm OSを載せた『SGH-i530』となる。確かにこの当時はPalm OSをみんなでこぞって楽しんでいた気がする。
 2006年トリノ冬季五輪『SGH D600』、2008年ペキン夏季五輪『SGH-i688』には“AnyCall”というロゴマークを発見。今では使っていないが、なんだか懐かしい響きだ。このころ、サムスン電子は日本での活動も力を入れ始め、当時のボーダフォン向けに薄型のケータイを納入していたものの、かなり苦戦していた記憶がある。

ソチ五輪

↑2010年のバンクーバー冬季五輪『SCH-i910』。

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↑2012年ロンドン冬季五輪『GALAXY SIII』。

 2010年のバンクーバー冬季五輪『SCH-i910』では、なんとWindowsMobile6.1が採用されている。iPhoneなどのスマホが出始めた当初、サムスン電子はWindowsMobileに注力しており、海外では『OMNIA』ブランドで積極的に展開していたのだ。それが、Androidにシフトし“GALAXYシリーズ”で大成功を収め、2012年ロンドン冬季五輪『GALAXY SIII』につながっていくわけだ。いまでは通信方式も世界中でLTEの導入が進むなど、メーカーにとってもグローバルでの展開がやりやすくなっている。わざわざ、その国の通信規格に合わせる必要もなくなってきている。

 サムスン電子の五輪特別モデルを振り返るだけで、ここ16年の通信事情、OSの動向などが見えてきて面白い。サムスン電子のスポンサー契約は2016年のブラジル・リオデジャネイロ夏季五輪までのようだが、ぜひ契約更新してもらって、2020年東京五輪でどんな端末が出てくるのかを楽しみに待ってみたい(その頃、どのOSになっているかも気になる!)。

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