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祝 Macintosh 30周年!! 新しい時代の幕開けを告げた初代iMac|Mac

2014年02月08日 18時00分更新

 みなさん、こんばんは。MacPeople元・編集長の吉田でございます。1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。

 13回目に取り上げるのは、アップルを救ったともいえる初代iMac。ボンダイブルーという聞き慣れないカラー名の青緑色の半透明ボディーが衝撃的でしたね。ちなみにPowerPC G3を搭載した一体型Macとしては、Power Macintosh G3 All-In-Oneが先に登場していましたが、これは北米の教育市場での限定発売でした。一般的には初代iMacが初のPowerPC G3搭載のオールインワンとして認知されていますね。

 とにかくこのiMacの半透明ボディーの影響力がすさまじかったのを覚えています。個人的に強烈に印象に残っているのが、ソニー・テクトロニクス(株)がリリースしていた「Phaser 840 Designer Edition」ですね。当時のASCII.jpの記事によると実売価格は60万円という業務向けのプリンターでしたが、ボンダイブルーのiMacと合わせたようなトランスルーセントカラーでした(関連サイト)。固形インクを使うカラープリンターで製品自体はよかったのですが、このトランスルーセントボディーの製品が何台売れたのか今でも気になります。半月ぐらいかけてみっちりレビュー記事を書いたのを覚えています。

 トランスルーセントのデザインも材質によっては、iMacとかけ離れた印象のものも多かったです。iMacのボディーと同じポリカーボネート素材を使えば近い感じの質感になったのですが、ABS樹脂で作ってしまった周辺機器は半透明感が少し落ることもあり、かなりのチープ感を醸していたことを記憶しています。iMacが5色展開になったときに、周辺機器も5色展開にするという根性のあるメーカーもありましたね。

iMac

 新しいアップルの時代の幕開けを告げたボンダイブルーの初代iMacは、1998年8月に発売された。アップルに復帰したジョブズが、最初に手がけた製品としても知られている。

iMac

レガシーデバイスを廃止

 実は、PowerPC G3を搭載したMacは、iMacが最初ではなく、その前年に登場したPower Macintosh G3 DT/MTのほうが先だった。このPower Macは、C P Uこそ最新のものを採用していたが、本体の形状はもちろん、装備するインターフェースも旧世代のものだった。対してiMacは、インターフェース面での刷新を大胆に敢行した。初代のMac以降、PowerBookの一部のモデルを除いて内蔵していたフロッピードライブを廃止した。またADBも排除して、代わりにUSBを装備した。当然ながら、付属するキーボード/マウスもUSB接続となった。初代iMacは、トレー式のCD-ROMドライブを標準装備していたが、当初は読み込み専用だった。

 フロッピードライブが廃止されていたので、標準ではデータを書き込めるディスクメディアを使えなかった。データの受け渡しはネットワークなどを利用するしかなかった。当時、フロッピードライブの廃止は性急過ぎるのではないかと思われたが、結果的に正しい進化の方向だったことは間違いない。なお、後に登場するムービー編集を意識したモデルであるiMac DVからは、2基のFireWireポートを装備して、ビデオカメラからの取り込みや、高速な外付けハードディスクの利用が可能となった。

iMac

半透明ボディーの採用

 初代iMacが登場した1998年は、Windows 98が発売された年でもある。95によって勢いを得た米マイクロソフト社は、その改良版の98を主に一般ユーザーを対象にした市場に投入し、家庭用のパソコンにおけるWindowsの地盤を固めていった。iMacのヒットは、その流れに一定の歯止めをかけ、アップルが今日まで生き残るための新たな基礎を築いたと言える。半透明の白とボンダイブルーのツートーンを生かしたデザインが特徴で、新世代のMacの登場をより強く印象付けることに貢献した。

 もちろん、付属のキーボードとマウスもツートーンカラーだった。キーボードのキー配列は、テンキーやファンクションキーなどを含む多くのキーをコンパクトにまとめたもので、その後のアップル純正キーボードの標準配列を作った。ちなみに、このキーボードは、標準的でない方法でU S Bを利用していたことでも知られている。キーボード上の電源スイッチを押すことで、iMac本体の電源の投入が可能だったのだ。ADBキーボードでは当たり前の機能だったが、USBはこのような使い方を想定していなかった。

iMac

 さて、絶賛発売中のMacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!

3月号は初代Macと最新Mac Proが目印
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