2014年02月05日14時30分

マイクロソフト新CEOサティア・ナデラ氏とは?人物像を探る by 本田雅一

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“サトヤ”、“サティヤ”、“サッチャ”。マイクロソフト社内でも、さまざまな呼ばれ方をされているSatya Nadella氏。苗字の“ナデラ”は間違いないが、広報によると名前の“Satya”は日本では“サティア”と表記された。話が前後するが、マイクロソフトの新CEOとして指名された、インド出身のサティア・ナデラ氏のことだ。

Microsoft New CEO

 マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマー氏が、同社CEOからの引退を発表したのは昨年8月のこと。後継者選定を社内外の人材から行い、1年以内にその座を譲ると宣言していた。多様な人物が世界でもっとも大きなソフトウェア企業のCEO候補として浮かんでは消えたが、最終的に残ったのはマイクロソフト生え抜きのエンジニアであり、マネジャーでもあるサティア氏だった。

 ちなみに今週末はマイクロソフトのトップエグゼクティブが世界中から集結し、ミーティングを行う場が儲けられている。マイクロソフト社内的には、サティア氏はそこでバルマー氏からの権限の移譲を受け、次へのステップについてメッセージを発信することになるだろう。また、4月初旬にはサンフランシスコでマイクロソフトは開発者向けカンファレンスのBUILDを開催する。開発者向けコミュニティには、そこで新CEOとしてのメッセージを発信することになるかもしれない。

 さて、そのサティア氏だが、どのような人物だろう。

Microsoft New CEO

 サティア氏はインド中央部の街、ハイデラバード出身。インドで電気通信技術について学んだ後、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校でコンピュータ科学の修士を取得、さらにシカゴ大学でMBAを取得し、1992年、25歳の時にマイクロソフトに技術者として入社した。

 すなわち、新CEOとなるサティア氏のオリジンはエンジニアだ。しかし、一方でシカゴ大学のMBAを取得するなど、特定のジャンルに偏らない傾向が強い。社内での評判を訪ねても、コンシューマ製品からエンタープライズ分野まで幅広くカバーしているとの声が目立つ。

 サティア氏はオンラインサービスの研究開発部門の副社長に就任した後、オフィス部門のトップを務めた。その後、ボブ・マグリアの後を受けてサーバ&ツール部門のトップとなった。サーバ部門は毎年10%を大きく超える成長を続けている、現時点におけるマイクロソフトの稼ぎ頭部門を率いる長であり、それ以前の仕事も高く評価されている。

 マイクロソフトという会社はこれまで、創業者であるビル・ゲイツとそのパートナーであるスティーブ・バルマーがリーダーシップを発揮することで、内在する多様性をひとつにまとめてきた。技術志向の強い社員に対してはゲイツ氏がメンターの役割を果たし、マーケティング面ではバルマー氏が親分肌を発揮する。

Microsoft New CEO

 新CEOに求められていたのは、技術志向の強い社内の組織をひとつにまとめつつ、マーケティング面、事業戦略面でもクレバーに正しい判断ができる能力だったと言えるだろう。今回の人事異動でゲイツ氏は取締役会長から外れるとともに、技術アドバイザーとしてマイクロソフトとの関係を保つようだが、新CEOはエンジニアでありつつ、マーケティングセンスも高く評価されているという。

 そもそも、社内では「マイクロソフトの社員からCEOが選ばれるなら、彼しかいない」と誰もが共通の認識を持っていたのがサティア氏だった。曰く、特定の得意領域を決めず、幅広いジャンルに対して興味を持つ人物とのことだ。ビジョンを見せるのが上手で、スタイリッシュなプレゼンテーションができる。マイクロソフトの世界に閉じこもらず、世界中にあるデバイスやコンシューマサービスを調べあげて、今後の進む道を示してみたり、つまらないテーマでもおもしろく語れる。昨年の社員総会では、ビッグデータがいかに“おもしろいか”を、70年代に流行した音楽をどのようにして集約し、全員にとってのピンと来る曲リストにするかを、見事なビジュアルで表現してみせた。

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 その際の存在感、メッセージの強さ、語りかける言葉のわかりやすさは圧倒的で、社内でサティア氏のCEO適正について疑いの声はまったく上がっていないという。これは社内昇格人事で大きな組織をまとめあげる上で重要なポイントだろう。

 マイクロソフト大中小規模の企業向け、公共機関向けの事業はこれまで以上に、アグレッシブになるのではないか。一方、これまでゲイツ、バルマー両氏がこだわり続けてきたコンシューマ事業に関して、どこまで投資リスクを背負う考えなのかは未知数だ。

【2014年2月5日15時30分付】日本マイクロソフトは同氏のカナ表記を“サティア・ナデラ”として公式発表しました。本稿は発表前に執筆された記事を掲載しております。
【2014年2月5日21時50分付】発表を受け、サトヤをサティアに変更致しました。

■関連サイト
Microsoft CEO(特設ページ)
Microsoft Board names Satya Nadella as CEO

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