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プロ棋士やあの小沢一郎氏が参戦!!将棋電王戦の囲碁版『第1回囲碁電王戦』開催

2014年01月31日 22時00分更新

『第1回囲碁電王戦』 開催決定
小沢一郎氏やプロ棋士と最強コンピュータ囲碁『Zen』と対局

 将棋電王戦でのプロ棋士とコンピューターとの戦いは、今年で3回目を迎え人気コンテンツとなっているが、囲碁はコンピューターとプロ棋士が対局はしているものの、将棋電王戦のような大々的な中継などは行なわれてこなかった。そこで、今回第1回として『囲碁電王戦』をとり行なうことが決定。詳細が発表された。

第1回囲碁電王戦発表会

第1回囲碁電王戦 概要

1日目:2月11日(火・祝)

●番組名: 「第1回囲碁電王戦 9路盤三番勝負 張豊猷八段・平田智也三段vs Zen」
●日 時: 2月11日(火・祝)午前10時より番組開始
●出場者:  張豊猷八段、平田智也三段/対局ソフト「Zen」(開発者:加藤英樹)
<平田智也三段>第1局:10時30分~/第2局:14時~/第3局:16時~
<張豊猷八段>  第1局:13時~/第2局:15時~/第3局:17時~
●ルール: 持ち時間20分・秒読み30秒(チェスクロック)、互先、先番コミ6目半
●対局場: 日本棋院市ヶ谷本院「幽玄の間」
●解説者: 武宮正樹九段、大澤奈留美四段

 

2日目:2月16日(日)
●番組名: 「第1回囲碁電王戦13路盤・19路盤 江村棋弘アマ七段・小沢一郎政治家代表vs Zen」
●日 時: 2月16日(日)午前9時より番組開始
●出場者:  江村棋弘(アマチュア日本代表)、小沢一郎(政治家代表)/対局ソフト「Zen」(開発者:加藤英樹)
<13路盤三番勝負・江村棋弘>第1局:9時30分~/第2局:12時30分~/第3局:15時~
<19路盤一番勝負・小沢一郎>17時~
●ルール: <13路盤>持ち時間30分・秒読み30秒(チェスクロック)、互先、先番コミ6目半
<19路盤>持ち時間60分・秒読み60秒(チェスクロック)、互先、先番コミ6目半
●対局場: 日本棋院市ヶ谷本院「幽玄の間」
●解説者: 武宮正樹九段、井澤秋乃四段

 

●大盤解説会:両日ともにニコファーレで開催
      (東京都港区六本木7-14-23セントラム六本木B1F)※一般観覧無料
       2月11日(火・祝):9時30分開場 / 2月16日(日):8時30分開場

 将棋電王戦の振り駒で安部首相が登場したのに続き、あの小沢一郎氏が参戦とか、政界づいていますね。小沢氏は、これまでもニコ生で与謝野氏と囲碁対局をし勝利するなど、政界最強といわれている。プロ棋士との戦いはもちろん注目だが、小沢氏の棋力も注目してみたい。

 囲碁は将棋と違い、9路、13路、19路の3種類の盤がある。今回これを巧みに使い、コンピューターと人間との力関係を互角相当にすることで、勝つか負けるかのスリリングな対局になるよう調整された。これは、まだコンピューター囲碁のレベルが通常の対局で使われる19路だとプロ棋士にかなわないためだ。そこで、プロ棋士とは盤面の狭い9路で、アマチュア日本代表はとは中間の13路、一般人の強い人、今回は小沢氏とは通常の19路で対局する。

 コンピューター囲碁の『Zen』は、現在世界的にもトップクラスの成績を収めているソフトだ。加藤英樹氏と尾島陽児氏との共同開発で、メインプログラムは尾島氏が担当している。コンピューター囲碁の世界は、2006年にモンテカルロ法を応用したソフトが登場し、以降どのソフトもこの手法を取り入れ改良を重ね、飛躍的に進歩した。モンテカルロ法とは、ざっくり言うと、局面でランダムに石を置いていって終局まで繰り返し、勝つ確率が高い手を選択するという、統計学的手法。近年コンピューターは計算速度はめっぽう速くなってきたので、この手法も成立するようになったのだ。ただ、加藤氏や電気通信大学准教授の伊藤氏にお話を伺うと、そろそろこの手法も限界に近づいているようで、次のブレイクスルーを期待しているという。囲碁は世界的競技なため、世界中でコンピューター囲碁も開発されており、ものすごいアイデアが出てくる可能性が高い。逆に言うと、もう一度以上ブレイクスルーがなければ、プロ棋士には勝てないと考えられている。

 2月11日、16日とかなり急な開催ではあるが、コンピューター囲碁の発展にも、また囲碁界への注目をアップするためにも、この電王戦は盛り上がってほしい。ぜひ中継やニコファーレで観戦しよう。将棋電王戦同様、あの凝り過ぎPVも必見だ。

 以下、本日登壇した方々のコメントだ。

株式会社ニワンゴ  杉本誠司代表取締役社長
 

第1回囲碁電王戦発表会

 コンピューター囲碁に関しては、まだプロ棋士には勝てないのが現状。将棋同様、超える日がいずれ来るだろうが、この黎明期に切磋琢磨する機会を与え、相互ともに進化させていきたい。囲碁界そのものの発展にもつなげたい。

公益財団法人日本棋院 山城宏副理事長
 

第1回囲碁電王戦発表会

 ガチンコ勝負で盛り上げていきたい。コンピューター囲碁とのレベル差をどうするかと思ったら、9路盤でプロと、13路盤でアマ最高と19路盤で一般の人というようなうまいことをしていただいた。囲碁界が盛り上がるように努力していきたい。

張豊猷(ちょうりゆう)八段

第1回囲碁電王戦発表会

 人生初の9路盤で研究しています。9路盤の奥深さを知って、ちょっと参ってます。Zenは強いと聞いているので、気合を入れて頑張ります。Zenの棋譜は人間が思いつかない手を打つことが多いという印象です。

平田智也三段

第1回囲碁電王戦発表会

 今必死で研究しています。奥が深くて厳しい戦いが予想されます。初めて負けて歴史に名を残したくないので、頑張りたい。この戦いを見て囲碁をやってみようという人がいてくれたら、やってよかったと思う。

電気通信大学 伊藤毅志准教授

第1回囲碁電王戦発表会

 コンピューター囲碁に関しては、これまでも日本棋院と提携してやっている。ドワンゴさんからお話いただきうれしく思う。将棋同様に盛り上がっていけばと。9路盤では将棋より探索範囲で言えば狭いのでプロ棋士と勝負したとき、互角ではないか。

Zen開発者 加藤英樹氏(チームDeepZen代表)

第1回囲碁電王戦発表会

 本気で研究されているようで、うれしいやら悲しいやら。プロの方に研究いただいて光栄でとてもうれしいのですが、コンピューターの弱点も知っているはずなので、研究つくされると負けてしまう。やはり勝ちたいですから。

●関連サイト
 日本棋院
 囲碁電王戦公式サイト

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