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大きく機能強化されたGarageBandが無料で登場! ROLLY×週アス Vol.21

2013年12月17日 20時30分更新

文● 藤本健 編集●週アス編集部 撮影●福田栄美子

 iOS7の登場とほぼ同時に登場したiOS版『GarageBand』は、もう体験されたでしょうか? 「iPadやiPhoneのDTMは、ここまでのことができるのだ」ということを知らしめるためのアップルの戦略的なアプリとも言えるものですが、これが無料になってしまいました。これまでの500円という価格も“反則的”な安さでしたが、これではほかのアプリメーカーが太刀打ちできないように思います。

ROLLY×週アス Vol.20

 しかも今回、単に無料になったというのではなく、大きく機能強化が図られているのです。いろいろと強化された点があるのですが、ここで注目したいのは従来の8トラックから32トラックまで使えるようになったことと、新機能の“Inter-App Audio”への対応です。今回から3回にわたって、ROLLYさんとこの新機能を利用しつつ、音楽制作をしていく過程を追っていきたいと思います。

ROLLY×週アス Vol.20
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「アイコンは変わったみたいだけど、起動した画面を見る限り、これまでのGarageBandとあまり違いはないね」とROLLYさんが言うように、見た目の変化はあまりありません。「とりあえず短い曲を作っていきましょうか」ということで、ROLLYさんと一緒に8小節をループさせる10秒程度の曲を作っていきます。

「どうやって始めるのかな?」と思っていると、ROLLYさんから「使えそうなドラム素材はないですか?」という投げかけ。GarageBandにはドラムやベース、ギター、キーボード……といろいろなループ素材があったはず。ここからチョイスして曲の骨格を作っていこうというわけなのですが、探してみるとあまり選択肢がありません。

ROLLY×週アス Vol.20

 そう、GarageBand本体は無料だけど、ループ素材集のフルバージョンは500円でのアプリ内課金となっているんですね。とりあえず、ここでは無料のループ素材をいくつか聴いてみたところ、「これでいいよ!」とROLLYさんは即決。これを8小節並べたあと、「じゃあ、ベースもループ素材から入れてしまいましょう」ということで、これもいくつか聴いたうえで、1分で決定。こうしてただ選んで並べただけで、下地となるリズム&ベース・セクションができあがってしまいました。

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 とっても簡単ですよね。聴いてみても、それなりにカッコいい感じがします。ここまでの所要時間は素材選びを含めて3分程度で、難しい操作もまったくありません。

 ここから、ROLLYさんにギターを弾いてもらい、それをレコーディングしていくとともに、ボーカルも歌ってもらうのですが、そこへ行く前に、GarageBandについて知らない方、またiPadで音楽制作なんてまったくしたことがないという方のために、このアプリについてちょっとだけ紹介しましょう。

ROLLY×週アス Vol.20
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 このスマートギターを起動すると、ギター風な画面が表示されます。ここで弦を指でタップしてみると、キレイなアコースティックギターの音が鳴るのがわかると思います。試しに、縦に指を動かしてみると「ジャら~ん」とギターストロークのサウンドを鳴らすことができます。「A」と書かれた位置ならAのコードが、「Bm」と書かれた位置ならBマイナーのコードが鳴ります。コード名については知らなくても大丈夫ですが、適当に位置を変えながら弾いてみるだけでも、結構楽しいですよね。本来、ギターでこうしたコードを弾くにはコードを覚え、左手で弦を抑えたうえで、右手で弦を弾くわけですが、スマートギターなら何の苦労もいりません。

「昔、ギターをかじろうと1週間練習したけど、Fが弾けなくてくじけた、なんていう人でもGarageBandのスマートギターなら苦労なく、すぐに弾けますよ!」とROLLYさん。これが現代の技術というわけですね。しかも、ただストロークを弾くだけでなく、1本1本弾けばアルペジオにもなります。さらに“AUTOPLAY”のスイッチを1~4に回すと、そのアルペジオを上手に自動で弾いてくれるので、あとは適当にコードを選択するだけでオーケー。これだけでも、何か自分で作曲しているような気分を味わえますね。

ROLLY×週アス Vol.20

 しかもスマートギターが面白いのは、このアコースティックギターだけでなく、Classic Clean、Hard Rock、Roots Rockと4種類のギターを選べることです(08)。ギターによってその音色はまったく違う楽器と言っていいほど違うし、それによって同じギターとはいえ、まったく違う音色が飛び出しますし、AUTOPLAYによるフレーズもそれぞれの楽器にマッチしたものに変わるのです。つまり、まったくギターが弾けない人でも、スマートギターを使うことでギターリストのように演奏することが楽しめるのです。実際やってみないと実感しにくいところではありますが、単に自動で鳴るのではなく、自分で弾いている感覚が得られるのがスマートギターの最大の特徴かもしれません。

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 今回は、まだ手始めということで、ループ素材を利用してドラムトラックとベーストラックの計2トラックを使ったに過ぎませんが、次回はROLLYさんにスマートギターではない、本物のエレキギターを弾いてレコーディングしていってもらうと同時に、ボーカルも重ねていってもらう予定です。また、新機能のInter-App Audioを利用した音色作りの面白さも紹介していく予定ですので、お楽しみに。

 記事の感想はROLLYさんのツイッター(@RollyBocchan)まで。週刊アスキー本誌にも掲載中です。次回もどうぞお楽しみに。

『GarageBand』
●Appストア価格 無料(記事作成時の価格です)
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welcome to ROLLY net .com(ROLLY公式サイト)

藤本健の“DTMステーション”
 

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