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4Kテレビ=感動+デジタルライフの新領域。角川アスキー総研・遠藤諭×新型ビエラ「TH-L65WT600」

2013年12月04日 14時00分更新

ビエラ(遠藤)

 この記事を読んでいるアスキー読者を中心にした人たちほど、多彩な映像ソースを楽しんでいる人たちはいないと思う。そうした人たちの間でも、“4Kテレビの買いごろ”については迷っていたことだと思う。日本での試験放送が2014年だと聞くと、それからでも遅くないと考えるのが普通とも思える。しかし、それがどうも事情が違っていたようなのだ。

 4Kテレビは、フルハイビジョンの1920×1080に対して3840×2160という画素数である。水平方向が、約4000なので4K(1K=1000)テレビと呼ぶわけだ。放送も始まっていないのに4Kテレビが売れているのは、いままでのハイビジョン放送やBlu-ray Discの映像でも、この数値のギャップを補間してより美しく見れるからである。

 しかし、4Kテレビに対するこの認識がまだ甘かったことを、先日、パナソニック・テレビ事業の本拠地がある大阪府門真市に出かけて知らされた。いま4Kテレビを買っている層の多くは、「とにかく綺麗な映像のテレビがいいよね」という動機の人たちだと考えられる。それに対して、私が体験させてもらった新型ビエラの「TH-L65WT600」は、ネットやゲームなどデジタル機器との融合を前提としたこれからの映像ライフを明確に指向したものだからだ。

ビエラ(遠藤)
↑今回見せていただいた、ビエラ「TH-L65WT600」

 テレビの未来についてはいろんな議論があって、さまざまな興味深い取り組みがされている。クラウドやソーシャル、セカンドスクリーンなど、さまざまなキーワードが飛び出している。しかし、家の中でいちばんいいポジションに設置されるテレビという製品の性格を考えると、まずはテレビ本体が大切であることは間違いない。そして、2014年に4Kの試験放送とは書いたが、これを読まれている方々のまわりには、4Kはそれほどめずらしいものではなくなっている。ざっとあげれば、次のようなことである。

・ネット動画(web上に4K映像が増えている)
・PC出力(インテルのHaswell搭載のPCでは4K出力が主流)
・ゲーム(4K対応のゲームが増えている)
・Web(グーグルマップなど精細なサイトも多い)
・ビデオ(個人で4Kビデオ撮影することも増えつつある)

 要するに、多彩な映像ソースが世の中にはすでにあって、それを縦横に楽しんでいる人たちこそ“4K”を堪能できるということだ。そして、精細さを求めることにマニアもハイエンドも入門者もないから、早晩、これは一般のユーザーにも伝わることだろう。たとえば、ネット動画でのコマーシャル的なイメージ映像は、より大きな感動を与えるために4Kが一般的になる可能性が高い。

 もちろん、本サイトの読者なら映画やアニメ、音楽ビデオなど“AV”系の映像を堪能しているという人が少なくないはずだ。新モデルの「TH-L65WT600」では、パナソニックが満を持して出すだけあって4Kパネルの性能を最大限に引き出す映像処理エンジンを搭載。毎秒120コマに補間することで、既存の映像ソースやGoProなどで撮影されたネット動画までもが滑らかに再生される。

 くわえて注目しておきたいのは、テレビでは初搭載といわれるDisplayPort™(Dp1.2a)の搭載、そして、新規格HDMI 2.0対応、“ピュアダイレクト”と呼ばれる4K60p入力があげられる。同じ4K対応といっても毎秒60コマのプログレッシブ入力に対応せず、4:2:0など色差情報を省いて4Kを実現しているメーカーもある中、「TH-L65WT600」では、輝度情報と色差情報がフルに揃った4:4:4に対応しているのだ。

ビエラ(遠藤)
↑ビエラ「TH-L65WT600」のメニュー。DisplayPortTM 1.2aを備えているため、パソコンのディスプレーとしても使える。そのほかの入力端子としては、HDMI2.0、ビデオ、D端子など。もちろん、LAN端子やUSB端子もある。

 ところで、この「TH-L65WT600」を試用させてもらった中で、いちばん印象的だったのは、映像の美しさもさることながら文字や静止画の表示である。PCと接続してのグーグルマップの超詳細画面もだが、27チャンネル24時間分が一画面に表示される“ラテ欄表示”は圧巻というしかない。“デジタル機器との融合を前提としたこれからの映像ライフ”の手ごたえを感じたのは、むしろこの部分かもしれない。

ビエラ(遠藤)
↑27チャンネル24時間分を一画面に表示できる、番組表。

 いまデシタル業界のキーワードの1つに“4スクリーン”という言葉がある。スマートフォン(=Access)、タブレット(=Browse)、PC(=Process)、TV(=Watch)といった役割分担で、ネットデジタル時代のデバイスは進化していくという議論である。しかし、ラテ欄表示を目の当たりにしていると、このうちのどれにも当てはまらない。しかも、スマートフォンのような極端に小さな画面が不自然に感じてくるほど、なにげなく視野の中にとびこんでくるのである。

 家やオフィスの中のあらゆる平面がスクリーンになってくるというSF的な予測があるが、まさにその可能性を感じさせる瞬間である。そして、そのような多彩な映像ソース、情報表示などが組み合わさったときに重要となるのは、文字どおり“スマートさ”だと考えられる。

 ビエラの音声操作は、これ以前の機種から私の気に入っていた機能の1つだ。リモコンを相手に話しかける操作に違和感を感じる人もいるかもしれない。ところが、たとえば「野球 録画一覧」と言っただけで、ハードディスクに録画されていた一覧がサッと出てくる。実は、いまどき音声認識自体に驚きはない。重要なのは、いままでリモコンのボタンをポチポチとやっていた面倒を飛び越えて、目的の画面が出てきたことだ。

ビエラ(遠藤)
↑左手に持っているのが、マイク内蔵のタッチパッドリモコン。音声入力により、チャンネル切替などの操作はもとより、番組の検索もできる。

 テレビに求められる“スマートさ”は、おそらくスマートフォンやタブレットに求められるスマートさとは異なるものだろう。いくら便利になって映像ソースが増えたとしても、テレビは最後のところでは、情報機器とは一線を画する“家メディア”ともいうべきものだからだ。五感を呼び起こす感動や、リラックスしたり、あるいは安心して心から楽しめるメディアデバイスがテレビである。ここは、TH-L65WT600では確実に進化させてきているし、さらにどのように進化していくのか楽しみな部分でもある。

 たぶんこれからの理想のテレビは、高画質とリラックスした状態でも好きな情報にスムーズにアクセスできるものになる。そんなスクリーンがリビングに加わると、どんなふうに我々のライフスタイルが変わるのか? むしろテレビを取り巻く外側の世界が先に動いてきていて、それがテレビという強力なデバイスに融け込みはじめている。それによって、どれだけ人生の時間がゆたかで創造性になっていくのかを理解できる人には、4Kテレビはもう必須アイテムなのだといえる。

●関連サイト
60p入力対応 4K対応ビエラWT600スペシャルサイト
製品情報
パナソニック

 

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