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SMS対応SIMならiPhoneもAndroidも動作が改善 IIJ主催トークイベント

2013年10月19日 22時07分更新

IIJmio meeting #1

 IIJは、同社のエンジニアによるトークイベント『IIJmio meeting #1』を開催した。IIJmioのイベントとしては2012年2月に開催された端末検証会以来となり、今回は新製品であるSMS対応SIMカードの提供に関する話題を中心に展開された。

●SMS対応・非対応で異なるiPhoneの挙動

IIJmio meeting #1
IIJmio meeting #1
IIJmio meeting #1

 トークセッションの最初を飾ったのは、同社の法人向けネットワークサービスの開発を担当する宮本外英氏。“iOS動作検証まとめ”というタイトルで、データ通信に使う“パケット交換”とSMSや通話に使われる“回線交換”のふたつのネットワーク通信モデルの話から、SMS対応SIMと非対応SIMごとの各iPhoneの挙動を解説。

 最新の検証結果はブログ『てくろぐ』(外部サイト)で掲載されているが、その検証の経緯や根拠などを語った。SMS機能を使う、使わないということだけでなく、アンテナピクト非表示や一部端末で利用不可だったプッシュ通知に対応したとのこと。

●AndroidでもSMS対応SIMが有効

IIJmio meeting #1
IIJmio meeting #1
IIJmio meeting #1

 続いてのセッションは、前述のてくろぐ執筆者である堂前清隆氏による『最近のAndroidとMVNO SIMの関係』で、AndroidにIIJmioを含む一般的なMVNO SIMを挿したときの問題点“アンテナピクト非表示”、“セルフスタンバイ 圏外時間100%表示”、“バッテリー過剰消費の可能性”についてSMS対応SIMによる検証を報告した。

 同氏の実験によると“パケット交換”だけでなく“回線交換”の登録がAndroid上でできないと各種現象が発生するとされ、“回線交換”の登録ができるSMS対応SIMと国内版Nexus4との組み合わせでは、ピクト表示もセルフスタンバイに関しても改善された。バッテリー過剰消費に関しても検証を行ない、回線交換の再登録を促そうとするベースバンドチップが影響していることがわかり、こちらもSMS対応SIMで改善されるようだった。

 また、TwitterなどでAndroid4.3搭載のNexus7やNexus4にIIJmioのSIMを挿すとAPNが自動認識される現象についても解説。Googleの提供するAndroidのソースファイルを覗くとIIJmioだけでなく日本通信やmopera UのAPNがサンプルファイルとして提供されており、Nexusシリーズは大部分がサンプル通り実装されているため、自動認識したという。このような仕組みがSIMフリー端末で標準になれば、初心者でもカンタンに扱え非常に有効になるのではと語った。

●MVNOの分類とIIJmioの接続構成

IIJmio meeting #1
IIJmio meeting #1
IIJmio meeting #1

 最後に、サービス企画・運用を担当する佐々木太志氏による『MVNOのネットワークインフラ』のセッションが披露された。MVNOと一言で言ってもMNO(ドコモやau、ソフトバンクなど)との接続状況や契約の種別料金精算方法によって分類できることを解説。

 ドコモとIIJmioの接続構成概念図も紹介し、LTEと3Gでドコモとの接続ポイントを分けていることや同社の速度制御の要であるクーポンによるサービス判定などのサーバーが同社のエンジニアによって2ヵ月程度で構築されたことなどを語った。

●トーク後はSIMの体験会

IIJmio meeting #1

 トークセッション終了後は、登壇者とのフリートークやSMS対応SIMの体験会が催され、参加したユーザーは持ち寄った技適付きの各種SIMフリー端末にSIMを挿して動作などを綿密にチェックしていた。

 なお、今回は第1回目のIIJmio meetingとなり、2回目以降に関してはユーザーからのリクエストを考慮して順次企画していきたいとのこと。技術的な話題で難しいところもあったが、全体的にフレンドリーで分かりやすい雰囲気だったので、今後参加してみたい方はてくろぐやIIJmioのTwitterアカウント(外部サイト)をチェックしよう。

●関連サイト
IIJmio高速モバイル/D
IIJエンジニアブログ『てくろぐ』

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