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映画のようなゲームグラフィックを実現するNVIDIAの新技術をチラ見せ

2013年10月19日 17時30分更新

 モントリオールで行なわれたNVIDIAのイベントでは、G-SYNCやGeForce GTX780Tiなど、ユーザー向けの新技術がお披露目された一方で(関連記事)、ゲームをつくる開発者向けの新技術も発表されました。

NVIDIA Editors Day
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 Ubisoftなどゲームディベロッパーとの協業をアピールしつつ、まずはPCゲームの開発に用いられるSDK(ソフトウェア開発キット)やライブラリをまとめた、『NVIDIA GAMEWORKS』を発表。有名なところでは物理エンジン”PhsyX”やアンビエントオクルージョン(環境光が当たらない部分の表現)の“HBAO+”など、より現実に近いリアルな表現を実現する技術などを含んでいます。

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 これらはすでに多くのゲームで使用されており、意識せずとも目にしたことがあると思います。ゲームを遊ぶうえで、もちろんストーリーやゲームシステムの面白さは重要ですが、どれだけその世界に没入できるかということも大事だと思います。ここで見た目、つまりグラフィックの出来次第では、「なんだ、やっぱりウソっぽいな」とさめてしまうことがあるでしょう。こういったユーザーにはあまり知られていない“裏方的な”技術は、ゲームをより楽しむために重要な要素といえるのではないでしょうか。

 そして今回、”FLEX”、”GI WORKS”、”FLAME WORKS”という3つの新技術を来年実装することを発表しました。

 物理演算といえば、物体の動きなどを物理法則に基づいて計算し、シミュレートすること。これまで、水の流れ(流体)や、柔らかいもの(軟体)のシミュレートを組み合わせて表現するのは難しいことだったそうです。FLEXを用いると、デモで行なわれていた”柔らかい水風船が床にぶつかって跳ね、穴を開けると水を拭きながらしぼんでいく”といった表現ができるようになり、実際のゲームなら、ブヨブヨしたモンスターが血を吹き出しながら倒れる、なんてシーンが見られそうです。

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 続いて”GI WORKS”ですが、GI(グローバルイルミネーション)の名が示すように、リアルタイムにシーン全体の光の表現を処理するエンジンのこと。デモでは、ある光源が床に当たり壁に反射する様子が動的に連動して変化していました。

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 ”FLAME WORKS”は炎の表現に関するレンダリング技術。シミュレーションによる動きを組み合わせることで、ファンタジー映画に登場するような、まとわりつくような火と気体の動きが表現されています。

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 発表のなかで“シネマティック”という言葉がしきりに登場していました。この言葉が示すように、ファンタジーの世界をあたかも現実のように見せている、CGを多用した映画的な表現にいかに近づけるか、ということがゲームグラフィックの大きな目標となっているようです。

 また、これらのグラフィック技術は“Tegra5”とされる次期モバイル用コアのコードネーム”Logan”でも利用でき、開発機でNVIDIAの技術デモでおなじみの”FACEWORK”を動かしていました。リアルな人物が表情を変えているところをグリグリとタッチで動かしてもまったくひっかかりのない性能で、Tegra5搭載のタブレットはPCに負けないアンドロイドゲーム端末として面白い存在になりそうです。

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おまけ “アサクリ”の開発現場に潜入

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 ここモントリオールには、2014年2月22日発売予定の『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』や『ウォッチドッグ』の開発元であるUbisoftがスタジオを構えています。両タイトルともにNVIDIAのグラフィック技術を採用している点をアピールしていました。

 機密情報を扱っているため、さすがにほとんどのエリアは撮影禁止でした。築100年以上というレンガづくりのビルで、広々としたフロアーで2000人以上のスタッフが働いており、ゲーム開発の現場らしからぬ(?)、どこかアーティスティックな雰囲気を感じます。好きなゲームタイトルがこういう場所でつくられているんだな、と思うとより愛着がわいてくるるのではないでしょうか。

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