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親友をつくらない――経営コンサルタント 竹内謙礼

2013年10月16日 11時25分更新

ルールを変えようキャンペーン

 経営コンサルタントの竹内謙礼さんに、「大切にしている自分ルール」や「ルールについての考え方」をお聞きしました。

著者が「それはナシだろ」と思うようなタイトルをつけて、実際に売る――経営コンサルタント 竹内謙礼

Q1 ご自身が大切にされている仕事や生き方のルールは何ですか?

 誤解を恐れず言うと「親友をつくらない」ことです。

 

Q2 ご自身が仕事や生き方のルールを変えたことで、人生が大きく変わった体験はありますか?

 Q1で答えたように、「親友をつくらない」ということです。もう少し補足すると、仕事上で親友という存在を持たない、ともいえるでしょうか。

 これはサラリーマンを経て33歳で独立することになった経験から、強く実感したことです。独立するにあたっては多くの人々に援助いただきました。その中でも6名の経営者仲間とはかなり親しく、お互い支え合ってもいました。仲がいいからこそ腹をわるのも良いだろうと思い、自分のビジネスモデルをどんどん公開していたのです。
 しかしある日、そのうち何人かが、僕にだまって僕と同じようなコンサルティングビジネスをやりはじめてしまいました。
それまでは「“仲がいいからこそあえてこれはやっちゃいけない。友達だからこそ、この領域には踏み込んではいけない”という暗黙のルールはある」と思っていたのに、初めてその意識がはじけ飛びましたね。
 「それって、おかしいよね」と彼らに伝えました。けれど「ビジネスの世界だから自由にやっていいじゃないか」「なんのルールもないんだし……」と、逆にやりかえされてしまったんです。
 「ああ、仲のいい友達だからこそ“ひいき”にしたり、“仲がいいから絶対信頼できる”というものではないんだ」と確信をもちました。
 また、「仲がいい」というフィルタのせいで、自分のビジネスも守れないし、コンサルタントとしても客観的な意見を述べられなくなるのだ、いうこともわかりました。だからその考えは根本から変えようとおもいました。

 

Q3 そのとき、ルールを変えようと思ったきっかけは何ですか?

 まさに、Q2で述べたことです。
 自分がビジネスの世界で生き残っていくためには、「仲のいい(友達)」というのは冷静な判断基準を狂わせるから、そういった感情は「仕事上では絶対よくない」んですよね。

 

Q4 ルールを変えるときに行ったことは何ですか?

 どんなに親しいクライアントでも、必ず決算書やその会社のデータを見て判断・意見したり、その人の発言を冷静にジャッジするということを意識しました。常に客観的に、冷静に、俯瞰の態度で接することを心がけるようになったんです。「あなたのここはいいけど、これは悪いよね」と率直に言うようにしていきました。
 実は本を書くときも同様です。自分が書きたいもの、というより「読む人が欲しがるもの」を強く意識しながら、自分を常に客観的な位置において執筆することを心がけています。

 

Q5 そのとき、ご自身、あるいは周囲の人(会社、関係者)にどんな変化、影響、反響がありましたか?

 おかげで友達が減りました(笑。
 サラリーマンだったら、ある程度割り切って社内外でも付き合いができるかもしれませんが、一経営者としては「関係を経ち切る」ことも辞さない、自分に対する厳しさみたいなものも生まれたので、その結果がこれです。
だから、僕のビジネスを真似た人とは一切交流ないし、今でもその人たちを許すことはできないです(笑。
 時々、「そろそろ許してやれよ」「話してみてよ」と言われたり、「人を許すことができない自分」がイヤだった時もありました。
 でもそのせいでどうしようもなく疲れるようにもなった。だから、最終的には「いっそのこと許さない自分を許してやろう!」と開き直りました。そうすると、逆に心が軽くなり前向きになれたのです。
 クライアントと親しくしていても、常に客観的に冷静に意見するので、「あいつは厳しい意見を平気で言うから、やめとけ」と流布されて仕事が減ったかもしれません。でも「彼は本当のことを言ってくれる」と逆に新たなお客様から声もかけてもらえるし、「それでも竹内さんがいい」と付き合いが続いている人々もいます。また、仕事に対する評価が以前よりもあがったかな、という気がしています。
 今はかなりニュートラルに、人間関係が築けていると思いますね。

 

Q6「このルールを変えたい」「ルールを変えればこんなにいいことがある!」と思うことは何ですか?

 「社長を社員がクビにできる!」というシステムがあるといいですよね(笑。

 経営者をクビにする権利がないのは、日本の経済の成長においてもったいないよなあ、と思います。経営者だから絶対にえらいわけではないし、仕事ができるわけでもなく、いい人なわけでもない。
 経営者だから会社に永く君臨する必要はないよね、というかんじです。

 

Q7 そのための具体策があれば教えてください。

 学級委員みたいに投票で決めるか、第三者機構をつくって社長を決めるということがいいと思います(笑。
単純に考えるとかなり混乱がおきそうですけど(笑。
 ただ、経営者の能力って意外と適正に評価されていないな、という思いはあります。本当に正しく評価されるためには、「共産主義」にするしかないんですかね(笑。でも、会社のしくみや運営自体を変えていってもいいかなと。経営者がある程度キャッシュを貯めたら、税制をうまく整えて、すぐ後継者にバトンタッチできるようなサイクルをつくっていけば、世の中の経済のしくみも変わって面白い展開になるのでは?とも思っています。
 経営者はですね、いずれはクビですよ、クビ!
 勝手なことを言っているかもしれないですが(笑。
 でも結構ありがちなんです。経営者のせいで、儲けにまっすぐつながらないことって。
 とにかく、「お金儲けができる最短距離をしっかり考えられる社長がいる会社」、そしてその延長線上に「きちんと儲けが得られる社会」になっていくためのシステムに変化していけば面白いなあと思います。

 

竹内謙礼(たけうちけんれい)

経営コンサルタント。
有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て、観光施設の企画広報に携わり、通信販売や実店舗の運営、企画立案などを行う。 楽天市場に出店したネットショップはオープン3年目で年商1億円を達成。2年連続で楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー「ベスト店長賞」を受賞する。また、オークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」において、準グランプリを受賞する。現在は大企業、中小企業を問わず、販促戦略立案、新規事業、起業アドバイスを行う経営コンサルタントとして活躍。著書に『売るワザ鉄板パッケージ121』『年収が上がる人はどっち? 稼ぐ人の思考法』(共に中経出版)、『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』(日本経済新聞出版社)

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