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アプリ甲子園2013開催 優勝は高校1年生がつくったクイズゲーム

2013年09月30日 17時00分更新

 D2Cは中高生を対象にしたスマートフォン向けアプリ開発コンテスト“アプリ甲子園”の決勝戦を、29日、都内で開催した。自作アプリを投稿し、その企画力と実装力で優秀作品を決めるという内容で、第3回目となる今年は533件の応募があり、選ばれた12組のファイナリストが決勝の場へと集まった。

アプリ甲子園2013

↑アプリ甲子園の上位入賞者。中高生でプログラミングのスキルをマスターするほか、自作アプリのプレゼンまで堂々とこなしてしまうのがスゴい!

 決勝戦では、まずそれぞれがプレゼンテーションを行ない、企画力をアピール。その上で、審査員が別室で実機でアプリを触ったり、ソースコードをのぞくなどして実装力をチェックし、総合得点を割り出す仕組みだ。ちなみに優勝者にはiMacかMacBook Pro Retinaディスプレイのどちらか、また準優勝者には最新のタブレット端末が贈呈される。

 2013年、見事、優勝に輝いたのは、渋谷教育学園幕張高等学校1年生の浅部佑さんがつくった音クイズゲーム『Sound Guess』。ユーザーに登録してもらった音をクイズとして出し、何の音なのか文字入力して当てるというアプリだ。独自のIDまたはFacebookアカウントでログインし、ゲームのデータはクラウド上に保存できる。

アプリ甲子園2013

↑『Sound Guess』をプレゼンする浅部さん。

 審査員の1人、D2Cの代表取締役である宝珠山卓志氏は、「企画が1位、実装力が2位と非常に高評価。(審査員の)大人は汚いですよね。(審査中に)“採用したいよ”とか“会社つくらないか?”とか、そんな声が出るほどいい作品でした(笑)」とコメント。

 浅部さん本人にお話を聞くと、iPhoneの開発を始めたのは去年の12月で、スマホを手にしたのも今年始めのiPhone 5が最初だったというからおどろきだ。もともとは海外在住で、小学校からパソコンを使ってイラストを描いたり、プレゼンテーションの資料をつくって発表するなど、プログラムを組む授業は経験していたという。

 以前はHTMLしかやっていなかったが、いつかはアプリをつくりたいと思っていたとか。高校ではコンピューター同好会に所属しているが、そちらはウェブがメインであるため、今回のアプリ開発はほぼひとりでやりきったそうだ。プレゼンが流暢だったのが印象的で、最後にビデオを流したのも、アップルの基調講演のようで非常にうまく印象づけていた。

アプリ甲子園2013

↑準優勝となった池原さん制作の音ゲーム『Wabeat』。

 準優勝は岡山県立岡山一宮高等学区3年の池原克明さんがつくった音ゲーム『Wabeat』。適当にタッチしているだけでも音楽になるのが楽しいアプリ。彼もプログラミングは独学で覚えたようだ。「シンセサイザーの実装に苦労した」と語るだけあって、審査員から「商用レベルです。一番レベルが高いと思います」と1位の実装力を勝ち取っていた。

アプリ甲子園2013

↑慶応義塾大学中等部3年の福井さん制作のアプリ『お薬のじかん』。

 3位には慶応義塾大学中等部3年の福井一玄さんが手掛けた『お薬のじかん』が入賞。自分のおばあちゃんの服薬を助けたくて開発し、自分も花粉症なので利用していたという。お薬を飲んだときにメールをして高齢者の安否確認もできるやさしさもポイントだ。

アプリ甲子園2013

↑小学校6年生の長滝さんが手掛けた小学生らしい『席替え!!楽!!楽!!』。

 最年少は浦安市立高洲小学校6年生の長滝谷晋司さんで、2~40人までの席替えを自動化できる『席替え!!楽!!楽!!』アプリを発表。惜しくも入賞は逃したものの、堂々のプレゼンで会場を沸かせていた。ご両親がパソコンが不得意という環境にも関わらず、学生のためのITキャンプ“Life is Tech”に参加したことをきっかけにアプリ開発にハマったそうだ。

アプリ甲子園2013

↑来年も入賞目指してがんばろー!

 大会全体を通してみた感想は、自分や身の回りの人のニーズから発想を得て開発した“身近な”アプリがとても多いなぁという印象。そもそもスマホは究極にパーソナルなコンピューターであるため、アプリもひとりひとりに合わせた機能とデザインに進化していくのが自然な流れなのだろう。いずれは週末に料理をつくるような気軽さで、アプリをちょっとつくってみるといった時代が来るのかもしれないと感じた。

 余談だが、筆者的には、休み時間、参加者同士がキャッキャウフフと楽しそうに話していたのが印象的だった。アプリ作りを通じて育まれる青春……。そういうのもあるのか! 来年も第4回のアプリ甲子園が開催されるとのことなので、ぜひ腕に覚えのある中高生は応募してみてはいかがだろう?

■関連サイト
アプリ甲子園2013
Life is tech

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