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iPhoneでも使えるレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー

2013年09月12日 13時00分更新

 丸くなったと思われがちなソニーですが、それでもたまに「コレ、オレしか買わないかも…」と心配になっちゃう製品を発表します。それが今回レビューする、スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10』、『DSC-QX100』です。

左が『DSC-QX10』、右が『DSC-QX100』
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー

 上の写真を見ると一眼レフやミラーレス一眼の交換レンズのように見えますが、これでもれっきとしたデジカメ。しかも実を言うと、単独でも撮影やズーム操作が可能です。ファインダーや背面液晶がないので、どんな絵が撮れるか見えませんけども。

 プチTipsは置いといて、単独では大変使いにくいので(緊急時は重宝する)、もちろん本来はスマホと組み合わせて利用します。

スマホのNFCでカメラの電源をオン
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
アタッチメントに装着
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー

 カメラ上部にNFCが内蔵されています。ここにスマホのNFC部をタッチすると、カメラが起動し、またスマホにインストール済みのカメラアプリ『PlayMemories Mobile』も立ち上がります(Androidだけでなく、iOS版もあります)。NFC非搭載のスマホでも使えますが、その場合は、カメラの電源オン→『PlayMemories Mobile』を起動→リストからカメラを選び接続……と手間が増えるわけです。

 さて、どのくらいの手間、時間で使い始められるか気になる人が多いでしょうから、一連の手順を動画でも掲載しておきますね。

DSC-QX10(SONY)撮影開始までの流れ

機材協力●キヤノン『iVIS HF S11


 こんな感じで、わりとスムーズに使い始められます。

 さて、スマホのカメラが飛躍的に進化したとはいえ、光学ズーム倍率、手ぶれ補正、そしてセンサーサイズなどは本格コンデジに及びません。その欠点を克服するために登場したのが、『DSC-QX10』、『DSC-QX100』というわけです。

 ちょっと順番的に遅くなりましたが、両モデルのスペックを掲載しますね。

『DSC-QX10』スペック
センサー:1/2.3型“Exmor R”CMOSセンサー
有効画素数:1820万画素
レンズ:光学10倍ズーム(25.0~250mm、ソニーGレンズ、解放F値 F3.3~F.5.9)
画像処理エンジン:BIONZ
撮影モード:おまかせオート、プレミアムおまかせオート、プログラムオート
動画:MP4、12Mbps、1440×1080ドット(30p)
通信:NFC、WiFi
手ぶれ補正:光学式手ブレ補正(静止画)、光学式手ブレ補正アクティブモード(動画)
インターフェース:マルチ端子、マイクロSD/M2カード
バッテリー:NP-BN(630mAh)
サイズ/重量:62.4×61.8×33.3mm/105グラム

『DSC-QX100』スペック
センサー:1.0型“Exmor R”CMOSセンサー
有効画素数:2020万画素
レンズ:光学3.6倍ズーム(28.0~100mm、Carl Zeiss Vario-Sonnar t*、解放F値 F1.8~F.4.9)
画像処理エンジン:BIONZ
撮影モード:おまかせオート、プレミアムおまかせオート、プログラムオート、絞り優先
動画:MP4、12Mbps、1440×1080ドット(30p)
通信:NFC、WiFi
手ぶれ補正:光学式手ブレ補正(静止画)、光学式手ブレ補正アクティブモード(動画)
インターフェース:マルチ端子、マイクロSD/M2カード
バッテリー:NP-BN(630mAh)
サイズ/重量:62.5×62.5×55.5.3mm/179グラム
その他:コントロールリング操作(マニュアルフォーカス、ズーム)

 大きな違いは表としてまとめてみました。

DSC-QX10、DSC-QX100の違い
  DSC-QX10 DSC-QX100
センサー 1/2.3型“Exmor R”CMOSセンサー 1.0型“Exmor R”CMOSセンサー
有効画素数 1820万画素 2020万画素
レンズ 光学10倍ズーム(25.0~250mm、ソニーGレンズ、解放F値 F3.3~F.5.9) 光学3.6倍ズーム(28.0~100mm、Carl Zeiss Vario-Sonnar t*、解放F値 F1.8~F.4.9)
サイズ/重量 62.4×61.8×33.3mm/105g 62.5×62.5×55.5.3mm/179g

 

 表を噛み砕きますと、『DSC-QX10』は10倍ズームで遠くも撮れる。『DSC-QX100』は大型CMOSセンサーによる高画質撮影が可能で、フォーカス、ズーム操作もリングでできますよ……と言う感じです。

 ちなみにソニーによれば、『DSC-QX10』が『DSC-WX200』相当、『DSC-QX100』が『DSC-RX100M2』相当のレンズ、センサーを搭載しているとのこと。操作性はともかく、撮影できる絵としては『DSC-WX200』と『DSC-RX100M2』の作例が参考になるわけですね。ちなみに両機種の作例は下記に掲載されています。

『DSC-WX200』の撮影サンプル
『DSC-RX100M2』の撮影サンプル

 これだけで終わらすのは、いくらなんでも手抜きなので、比較用の作例を掲載しますね。

■人物

DSC-QX10
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
※元画像を縦1000ドットにリサイズしています
DSC-QX100
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
※元画像を縦1000ドットにリサイズしています

■静物

DSC-QX10
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
※元画像を横1000ドットにリサイズしています
DSC-QX100
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
※元画像を横1000ドットにリサイズしています

■風景(ワイド端)

DSC-QX10
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
※元画像を横1000ドットにリサイズしています
DSC-QX100
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
※元画像を横1000ドットにリサイズしています

■風景(テレ端)

DSC-QX10
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
※元画像を横1000ドットにリサイズしています
SC-QX100
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
※元画像を横1000ドットにリサイズしています

 この時点でぶっちゃけますと、『DSC-QX10』、『DSC-QX100』を購入すべき人は、光学ズームを多用する人かなと。

 両製品とも同社コンデジの光学系と、CMOSセンサーを採用しているのでたしかに綺麗です。でも、最近のスマホカメラも美麗ですし、暗所にも強いです。

 とくに、もし『Xperia Z1』を購入するのであれば、同モデルが搭載するF2.0レンズ、1/2.3型“Exmor RS”CMOSセンサー、BIONZ for mobileというスペックのカメラで十分というか、CMOSセンサーが“Exmor RS”なぶん広角撮影は綺麗かもーと思うわけであります。

 しかし、『DSC-QX10』、『DSC-QX100』はスマホカメラだけでは不可能なトリッキーな撮影を楽しめるのです! そこが両モデルの真骨頂かと!!

ふたり撮りしたり…
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
高所から撮影したり…
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
頭皮チェックも自由自在!
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー

 レンズとディスプレーが分離していることで、アイデア次第でさまざまな撮影が可能になるのです。すき間に隠れたネコちゃんを探すとかもよいですねー。これはWiFi対応デジカメの多くですでに実現されている機能ではありますが、円筒形で持ちやすいぶん『DSC-QX10』、『DSC-QX100』のほうが取り回ししやすいという印象です。

 さて最後に、ソフトウェア面も見ていきましょう。

大きさを生かした画面構成
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
DSC-QX100の撮影モードは4つ
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
DSC-QX10は“絞り優先撮影”はなし

 『DSC-QX10』、『DSC-QX100』の画面構成は、スマホの大画面を生かしたもので、撮影モード切り替え、写真/動画モード切り替え、再生モード移行、露出変更、ズーム、設定、シャッターボタンなどが余裕を持って配置されています。

設定画面(上)
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
設定画面(下)
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー

 設定画面は比較的シンプルなものです。なお今回掲載した設定項目は『DSC-QX100』のものです。『DSC-QX10』にはフォーカスモードの設定がありません。

『DSC-QX100』のメニュー構成
カメラからコピー カメラ本体内のメモリーカードからスマホにデータをコピーします
ホワイトバランス オートホワイトバランス、太陽光、曇天、電球、蛍光灯:温白色、蛍光灯:白色、蛍光灯:昼白色+1、蛍光灯:昼白色+2、色温度設定からホワイトバランスを選びます
セルフタイマー 2秒、10秒のセルフタイマーを設定します
フォーカスモード AF-S、MFからフォーカスモードを設定します
静止画サイズ 3:2 20M、3:2 5M、16:9 17M、16:9 4.2M、4:3 18M、4:3 5M、1:1 13M、1:1 3.7Mからアスペクト比と解像度を選びます
レビュー表示設定 撮影した写真のレビュー表示を、入、2秒、切から選びます
レビュー画像保存 撮影した写真をスマホに保存するかどうか選びます
レビュー画像サイズ レビュー画像のサイズを2M、オリジナルから選びます
カメラ操作音 カメラ操作音をシャッター、入、切から選びます
フォーマット カメラ本体内のメモリーカードをフォーマットします

 

二連レンズデジカメ!
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー
2眼レフ的に使うとか!
スマホと合体するレンズ型デジカメ『DSC-QX10/100』レビュー

 『Xperia Z』と『Xperia Z1』用には、専用アタッチメントが発売されますが、同梱アタッチメントでも十分しっかりとスマホに装着できます(厚さ13mm以下、幅54~75mmのスマホに対応)。

 スマホを本格デジカメ化し、もちろん撮影した写真はすぐSNSに共有できる『DSC-QX10』と『DSC-QX100』。どうせならどちらも入手して、上の流し目女子やハッセルブラッドおじさんのように、個性の異なる2つのレンズを使い分けてみてはいかがでしょうか? 同時利用はできませんが、切断→接続を実行すれば、シチュエーションに合わせた撮影を楽しめますよ!

DSC-QX10
●メーカー ソニー
●市場想定価格 2万5000円前後
●発売日 10月25日
DSC-QX100
●メーカー ソニー
●市場想定価格 5万5000円前後
●発売日 10月25日
SPA-ACX1(Xperia Z専用アタッチメントケース)
●メーカー ソニー
●価格 3255円
●発売日 10月25日

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