週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ドコモユーザーはiPhoneとツートップどちらが幸せ?(石川温氏寄稿)

2013年05月23日 17時00分更新

ついに『GALAXY S4』が発売
ドコモユーザーはiPhoneとツートップどちらが幸せになれる?

 5月23日、ついにサムスン電子『GALAXY S4』が発売となった。17日に発売のソニー『Xpeira A』に続き、これでドコモのツートップが店頭に並ぶことになる。

 ドコモとしては、これまでソフトバンクとKDDIが扱う『iPhone』に負けっぱなしの状況からなんとか脱しようと、グローバルブランドスマホを2本立てにし、“特別価格”でなんとかスタートダッシュを決めたい覚悟だ。ドコモでは、2つのモデルはそれぞれ100万台以上購入すると言われており、店頭での端末展示やコマーシャルなど大量プロモーションで、売って売って売りまくるようだ。

 夏商戦向けモデル11機種のなかでも、この2機種が先陣を切って発売されるというのも、おそらく、6月10日から開催されるアップルの開発者向けイベント“WWDC”でiOSの新バージョンや新製品が発表されるのを恐れて、端末を先出しするという狙いもありそうだ。ドコモとしては世間の注目がiPhoneに移る前に、GALAXY S4とXperia Aでユーザーを囲い込みたいのではないか。

アップル開発者イベント“WWDC”で発表されるものは?
ドコモユーザーはiPhoneとツートップどちらが幸せになれる?

 ドコモユーザーからすると、ツートップであるGALAXY S4もしくはXperia Aを買うべきか、それともMNPでKDDI(au)やソフトバンクに移行し、iPhone5を購入するかで悩ましい選択になるかも知れない。
 確かに、GALAXY S4はサムスン電子のフラッグシップモデルということもあり、実際に製品を触って使ってみても満足度はかなり高い。画面もさらに美しくなっており、申しぶんのない一台だ。
 一方、Xperia Aはデザイン性の高さで定評のあった前モデル『Xperia Z』に比べると、質感の点で、やや不満に感じる人も多い。Xperiaを買おうと思うなら、在庫は少なくなっているが、Xperia AよりもXperia Zのほうが魅力的に感じると思う。

いまなお魅力的な『Xperia Z』
ドコモユーザーはiPhoneとツートップどちらが幸せになれる?

 とはいうものの、今回のドコモ夏商戦モデルは、スペックがほぼ横並びとなり、いずれも出来がいいので、ちょっと価格は上がるが「ツートップ以外から選ぶ」というのでも、満足度は得られることだろう。フルHDになっても省電力を実現した『AQUOS PHONE ZETA』や、TegraからSnapdragonに切り替えて、安定度が増したフルセグ対応の『ARROWS NX』など、日本メーカーも踏ん張りを見せている。

つぎのiPhoneは9月?
ドコモユーザーはiPhoneとツートップどちらが幸せになれる?

 ただ、やはり、iPhoneの購入を迷っているようなドコモユーザーであれば、このタイミングは“様子見”として、じっとこらえてもいいのではないだろうか。
 6月10日にはアップルがサンフランシスコで“WWDC”を開催する。今年のWWDCは昨年同様に新しいiPhoneの発表はなさそうな雰囲気だが、iOSの新バージョンなどなにかしらの話題は提供されることだろう。
 また、例年どおりのスケジュール感になるのであれば、9月あたりに新しいiPhoneの発表と発売があってもおかしくない。ドコモからiPhoneが発売されるかは現状では決まってなさそうだが、新型iPhoneが発売となれば、ソフトバンクとKDDI(au)は大盤振る舞いなMNPキャンペーンを展開してくることだろう。そのタイミングまでしばらく待って、状況を判断しても遅くはないのではないだろうか。

 複数の国内メーカー関係者に話を聞くと「この夏商戦、ドコモは社運をかけている。このツートップ戦略が失敗したら、アップルに頭を下げるのではないか」という人が多い。
 Androidの最強2ブランドを特別価格で売りまくって、成果が出ないようならば、最後の切り札として『iPhone』を導入すると、ほかの国内メーカー関係者は見ているのだ。
 確かに、ドコモ・加藤社長の口ぶりから察するに、iPhoneに関しては、いまだに導入を決定している様子はない。まだ“自力で踏ん張りたいが、検討中”といった要素が強そうだ。
 iPhoneの新製品が不在の夏商戦をツートップで乗り切れれば、ドコモはしばらくこの状態でいくだろうし、これでも大敗するなら戦略を見直さざるを得なくなる。
 “ドコモの決断をじっくり待つ”というのが、iPhone購入を迷うドコモユーザーにとって最も幸せな夏の過ごし方のように思う。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう