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iTunes Storeで週末に観たい映画「ガリレオ」編|Mac

2013年05月25日 20時00分更新

 今週のテーマは、フジテレビ系列で毎週月曜9時から放送されている「ガリレオ」縛りです。関連作品として、ガリレオで新人刑事を演じている吉高由里子さんが出演する「蛇にピアス」「カイジ2 人生奪回ゲーム」「ロボジー」の3作品、ガリレオの原作者である東野圭吾さんの「秘密」「白夜行」の2作品、計5作品を紹介します。

蛇にピアス
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 今回の縛りはキツかった。なにしろ「ガリレオ」は見たことも読んだこともないし、福山雅治も吉高由里子も特に好きじゃないし。東野圭吾原作の映画は結構あるけれど、広末涼子が出ている「秘密」は山口編集者に取られてしまったし(ネタ被りを防ぐために早い者勝ちになったのです)。なにかとっかかりになるものがないかなーと思っていたら、ありましたよ。おっぱいです。吉高由里子のデビュー作にして出世作。よっしゃこれだ!

 本作、蜷川幸雄が監督がだったんですね。今回初めて知りました。いやー、えぐいね蜷川監督。吉高が新人だと思って、やりたい放題やった感があります。結構最初のほうから、吉高の裸体がおしげもなくさらされます。俳優陣も役得です。でも腹が立つのは、男の裸もいちいち丁寧に撮るところ。高良健吾とかARATAのケツとか見たくないっつー。蜷川監督は男も好きなんでしょうか。ところで、蜷川幸雄の娘の蜷川実花も「ヘルタースケルター」で沢尻エリカを脱がせてますが、これも序盤でどーんと出てきます。エリカ様のおっぱいが。蜷川親子はおっぱいにこだわりがあるのかもしれません。素晴らしい血統です

 さて本作。吉高の演技はまあデビュー作なんでアレですが、でも素人っぽい生々しさが随所に出ていて、それがうまく作品に生かされています。新人しか出せない雰囲気。そのへんはさすが、演出家歴が長いだけあって上手いです。あと、痛そうな表現も遠慮がなくてよい。吉高演じるルイが舌ピアスを開けるシーンがあるんですが、この描写が「ヒーッ」てなるくらい直接的です。

 まあ全体的にはテンポがいまひとつで、2時間の尺はいらなかったんじゃないかと思いますが、なんかエクストリームなものを見たい人は見るといいでしょう。ちなみに、個人的には吉高よりもARATAの乳首の色がきれいだったのがショックでした(諸富)。

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(HD版レンタル:300円、SD版レンタル:200円)

カイジ2
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 比較的、平穏な生活(ずっと仕事)しているので、ドキドキするのは大日本印刷からの電話くらい。だから「警視庁24時」などの特番、YouTubeで「ロシア 喧嘩」とか検索して見ちゃうわけです。漫画だと「ウシジマくん」とか「カイジ」などの借金系のヒリヒリ感がたまらない。で、先週テレビで「カイジ」が放映されたのを受けて、続編を見ましたよ。

 原作で人気の1玉4000円のパチンコで勝負する「沼」編がベース。このパチンコ、大当たりで13億円吐き出すんだけど、絶対に出ない。それをいかにして出すかの物語なので、不可能を可能にする映画ならではの展開でおもしろいに決まっている。

 漫画を読んだ人にも楽しめるように、新ギャンブルが入っていたり、逆に沼攻略の手順が簡略化されているのも親切で、観たあとに「沼」編を読み直したほど。製作委員会にしてやられた感じ。

 しかし、パチンコはなぜかやりたくならないんだよね。本当か嘘か、あるボタンを押すと餌が出る動物実験の話があって、そのボタンを押してもだんだん餌が出なくなる。毎回から2回に1回、たまに出るなど減らしていくと、全然出なくなっても朝から晩までひたすらボタンを押し続けるって話ね。まぁ、そのほうがいいんだけど。

 さて、今回は「ガリレオ」関係者縛りなので、吉高由里子から選んだんだけど、このキャラは漫画では出てこない。だから、勝負をする原作をいじれない後半はやることがないので、ストーリーテラーになって識者のように解説しまくるのがヒリヒリして楽しかった。前半はメイドさん、中盤でお姫様、後半はへそ出しカジュアルと、華を添えていますよ。個人的には藤原竜也の「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」プルプルという演技が見られただけでも買いでした。Appleファンに朗報は劇中のMacintosh Plusも見所。(三宅

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ロボジー
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 ガリレオでヒロイン・岸谷美砂を演じる吉高由里子さんが、ロボットおたくの女子大生・葉子を演じる本作。まさか本物の人が入っているとは知らず、二足歩行ロボット「ニュー潮風」に恋に落ち、さまざまなハプニングに巻き込まれてしまうという役どころを演じます。

 二足歩行ロボットの開発を命じられた「木村電器」のエンジニア3人は、発表会の1週間前に開発中の「ニュー潮風」を壊してしまいます。急きょロボットの中に人を入れて発表の場をしのごうと考えつき、最終的にオーディションで選ばれたのは73歳の鈴木さん。本当のことを知らずに無事ロボット役を演じましたが、翌日のニュースで賞賛されたことをきっかけに、引き続き偽ロボットとして中に入ることになり……。というコメディー作品です。

 ロボットとおじいさんのゆっくりした動きが合っていて周りにまったく気付かれていないところや、本気でロボットに恋をして裏切られる吉高さんのキュートな姿にとにかく笑いました。エンジニアのうちの1人、浜田 岳さんの挙動不審な演技も最高です。  また、鈴木さんを演じるミッキー・カーチスさんこと五十嵐信次郎さんが、本当にいいんです。本作で何人の枯れ専女子を生んだことでしょう!

 皮肉屋でひねくれた性格の中にも、娘や孫を思う優しい気持ちはあり、自意識過剰なあまりにちょっと行き過ぎてしまう行動もなんだかかわいらしく見えてしまいます。最後にはエンジニア3人に協力するかたちでロボットの座を降りますが、こちらまで寂しくなってしまうほどの自分の入り込みように焦りました(笑)。でも大丈夫です、最後まで見ていただければわかります!(藤村)  矢口史靖監督作品である「ウォーターボーイズ」や「ハッピーフライト」に比べると、確かに全体の華やかさはありませんが、笑いや感動のツボは変わらず健在です。前作が好きな方は、特に見てみてくださいね!(藤村

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秘密
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 東野圭吾の出世作ともなった同名小説が原作。映画より後の2007年に志田未来主演でドラマ化されており、そちらも観ていたので今回選んでみました。原作、映画、ドラマで細かい設定が異なるので、観てみたいと思っていたんです。ちなみに、原作はまだ読んでいません。

 杉田平介は妻と娘に囲まれ幸せな生活を送るサラリーマンだが、妻と娘の乗ったスキーバスが転落事故に遭い、妻・直子は死亡。高校生の娘・藻奈美は一命を取り留めたものの、目を覚ました藻奈美の身体には、直子の魂が宿っていた。藻奈美となった直子は、外では高校生、家では平介の妻としての生活を送り、無事に医大に進学。大学生としての新しい人生や人間関係と、平介の妻としての生活の間で夫婦関係はぎくしゃくしてくる。そして、2年ほど経ったある日、藻奈美が帰ってくるが……。

 19歳の広末が演じる藻奈美には40歳の直子(岸本加世子)が宿っているという設定のため、特殊な演技が求められます。ちょうど早稲田に入学した年の広末ですが、フレッシュで透明感のあるかわいさもありつつ、かなりいい感じに演じていたのが好印象です。平介(小林薫)との掛け合いなど、見た目は親子ほどの年の差があるものの、結婚15年超えの仲良し夫婦の空気感がよく出ていましたね。

 個人的には、映画版平介&直子夫婦のほうが、ドラマ版より少しコミカルかつリアルで好きでしたね。けんかになるシーンなども深刻すぎなくていいです。ドラマ版はちょっと重すぎたよなー。特殊なシチュエーションではありますが、意外と夫婦や家族のことを考えさせられたりもします。

 「秘密」というタイトルには二重の意味があります。単に「藻奈美が実は直子であること」ではないと解釈するのが正解だと思うので、ぜひ観てご自身の解釈を確かめてほしいです。ドラマを観ていた方はわかると思いますが、描き方が少し違うので、そこは観てのお楽しみということで!(山口

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白夜行-白い闇の中を歩く-
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白夜行
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 数年前にテレビドラマでやっていたので、あらすじは知っているという人は多いかもしれません。ちなみに私は、ドラマは見てませんでしたが原作は読んでいました。大まかなストーリーは、幼い頃に不幸な出来事を体験した幼なじみの男女が、お互いの関係を周囲に隠したまま凶行に走りまくるというものです。映画は、日本版と韓国版があります。

 最初に見たのは韓国版。舞台となるのは2009年の韓国ですが、冒頭でいきなり犯人がわかります。しかも殺した後の晒し方が、必殺仕事人っぽい。その後、過去のシーンに切り替わり、主人公の二人が深く関わる殺人などの事件が発生します。そしてまた2009年に。過去と現在の出来事が絡み合いながら進行していきます。最初は、韓国の時代考証が合ってるのかどうかわからないうえ、登場人物は韓国の人名なので、どこが昔でどこが2009年なのかよくわかりませんでした。都会っぽいのが2009年で、田舎っぽいのが昔という感じです。

 ちなみに再生時間は2時間15分なのですが、原作のエピソードは相当ぶっ飛ばしてます。原作には登場しないキャラも多いです。原作はベースになっているだけで、配役や殺されるキャラも原作とは異なります。あと、沸騰した鍋から汁が吹きこぼれる様をみて事件現場の矛盾に気付く、資料を開くと中身が床に落ちて証拠写真が見つかる——など、山村美紗サスペンスっぽいベタな演出は気になりましたが、全体としては二人の心の葛藤や冷酷さが際立っていて楽しめました。

 一方、日本語はアレンジも見られますが、時系列を充実に守る印象です。韓国版に比べて原作のエピソードや登場人物が多いです。主人公の二人がどう成長して、どのように冷酷な犯罪を犯していったのかを表現するための演出だと思うのですが、1つ1つの話が浅く早く進行していくの淡泊な感じがしました。ところどころエピソードは間引かれてますが、原作を知らない場合はこちらのほうがストーリーがよくわかって親切かもしれません。

 とはいえ、監督や脚本家には、原作やテレビドラマの内容が相当頭にあったのかもしれません。日本版はオムニバス版といった様相です。ちなみに再生時間は2時間29分で韓国版よりも14分長いです。見終わって感じたのは、刑事役である船越英一郎の存在感。登場シーンが多いせいもありますが、そのぶん主人公たちのシーンが少ないこともあり、二人を完全に食ってます。突出すぎる存在感のためか、土曜ワイド劇場みたいでした。最後のほうもセリフのなんだかなぁと思いました。主役二人の冷酷な演技をもっと見たかったです。

 どっちをお勧めするかといえば、韓国版かなぁと。学生時代のエピソードをそぎ落としていますし、登場人物も大幅に異なります。これが「白夜行」か言われれば原作を基にしたパラレルワールドみたいなもんですが、主人公の男女のキャラがしっかり描かれているように思いました。

 ちなみに韓国版の主役はソン・イェジンで、日本では「私の頭の中の消しゴム」に出ていたので知ってる人がいるかも。日本版は堀北真希です。どちらもクールビューティーで役柄にはあってると思いました。しかし、役者の雰囲気や演技というよりも、監督や脚本家の作品づくりの方向性が違いがはっきりと出たように思います。ほぼ同じ年代(韓国版は2009年制作、日本版は2011年制作)に二人の監督によって作られた原作が同じ作品というのは珍しいので、演出の違いを見るのも一興ですね吉田)。

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