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軍艦島を360度 普通に行ったら絶対見られない絶景パノラマ:その1

2013年05月02日 14時00分更新

軍艦島360度パノラマVR

 長崎県端島。通称、軍艦島。本当の島の名前よりもその通名の方が有名かもしれない。石炭産業で栄え、ピーク時には世界一の人口密集地帯という時代もあったこの島は、1974年の炭坑の閉山とともに無人島となり、今や島全体が廃墟となっている。海上から見た島の姿が軍艦のように見えることからその名がついたと云われているが、今回撮影のためチャーターした船が夜明けとともに島に近づくにつれ、正しくその通りだと思えた。

軍艦島360度パノラマVR

 度重なる埋め立てと、複雑に増築を重ねた結果できあがったその独特の島影。明治から昭和40年代後半まで100年近く人が住み続けてきたこの島も、閉山からおよそ40年が経ち、そのあいだにもあまりに激しい風雨や台風にさらされ続けてきた。日本最古の鉄筋コンクリートの高層住宅を含む建造物群も損傷が非常に激しく、倒壊の危険がある。このような島全体という大規模な廃墟群は世界でも珍しく、世界文化遺産暫定リストに入っている。
2009年より島の観光が解禁になって、観光船で島の周りを遊覧したり、
舗装・整備されたエリアに上陸できるようになった。しかし、島のほとんどの部分は大変危険なので現在も立ち入り禁止である。

 昨年公開され、最近DVDも発売されたダニエル・クレイグ主演、映画007最新作『スカイフォール』では、この島でロケハンが行なわれ、軍艦島をモデルにした大規模なセットがイギリスでつくられ撮影が行なわれた。映画ではマカオ沖にあるサイバーテロリストのアジトという設定で、廃墟の様子が見事に再現されている。廃墟ブームもあり、この島を撮影した写真集は過去にもいくつか出版されているが、360度パノラマVRという表現で本格的に撮影に挑んだのはほとんど初めてと言っていい。

軍艦島360度パノラマVR
軍艦島360度パノラマVR

 閉山からおよそ40年。今回は長崎市の特別な許可が下り、島の迷宮のような内部までじっくり撮影することができた。撮影は機動性と画質に優れたソニーのミラーレス一眼『NEX-6』を使用している。下記画像をクリックするとウェブブラウザーでパノラマがご覧いただけるので、従来の写真とはまったく違う臨場感、没入感溢れる映像をじっくりお楽しみください。

 

端島銀座1(※クリックするとパノラマVRでご覧いただけます)
軍艦島360度パノラマVR
↑往事にはたくさんの露天が並び、にぎやかな商店街だったところも、荒廃した世界が広がっている。
端島銀座2(※クリックするとパノラマVRでご覧いただけます)
軍艦島360度パノラマVR
↑大きなコンクリートの壁がモニュメントのように立ちはだかる。頭上を見上げれば、なんらかが落下してきそうである。
地獄段(※クリックするとパノラマVRでご覧いただけます)
軍艦島360度パノラマVR
↑まるで軍艦島の迷宮へと誘うかのようなたたずまいを見せる、その名も地獄段。島頂部にある端島神社まで続く。
65号棟・報国寮(※クリックするとパノラマVRでご覧いただけます)
軍艦島360度パノラマVR
↑戦時中につくられたという鉱員のための島内最大の団地。無人の空間に鳥の鳴き声が響いていた。
66号棟・啓明寮(※クリックするとパノラマVRでご覧いただけます)
軍艦島360度パノラマVR
↑無人島になってから島を訪れたものが書いたと思われる落書きが壁面にあった。その切ない文章が胸に突き刺さる。

■関連サイト
ソニー NEX-6

2013年5月13日追記:パノラマVRとともに行なわれたソニーのアクションカム『HDR-AS15』による空撮動画を追加。

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