2013年04月18日20時00分

海外で広まるニコニコ動画から生まれた文化【ニコ動今昔物語】

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 週刊アスキーの連載ページ『ネット早耳かわら版』に掲載している“ニコニコ動画 今昔物語”クロス連載。週刊アスキー4月30日号(4月16日発売)では、海外ユーザーの“ニコニコ国際交流”について紹介しています。ゲストは、ニコ動運営で“ニコニコ超パーティーII”を始めとするイベントを担当しているあべちゃん。ちょうど来日されていたオーストリア人の“ケーキ姫☆優海”さんにもSkypeでご出演いただきました。

 今回のテーマは、海外におけるニコ動の受け入れられ方について。

ニコ動今昔物語ニコニコ国際交流編

 niconicoで育まれて、世界に出て行ったジャンルといえば、ボーカロイドが代表的です。2011年には、米国ロサンゼルスのアニメイベント“Anime Expo 2011”にてライブ『MIKUNOPOLIS in Los Angeles』を敢行。透明ボードにキャラを投影し、実際に歌っているようなステージをつくり上げて、5000人以上を熱狂させて大成功を収めました。別のライブ『初音ミクライブパーティー』(ミクパ♪)も同じ'11年にはシンガポール、'12年には香港と台湾で実施しています。

MIKUNOPOLIS
(C)MIKUNOPOLIS 2011

↑MIKUNOPOLISの様子。ライブ中、会場のあちこちから日本語での歌声がきこえてきたことに「ここは日本か!?」と驚いた。

AnimeExpoコスプレイヤー

↑これもMIKUNOPOLISで撮影。コスプレの方々がそこら中を歩き回っててスゴかったです。

 ユーザーベースでも、日本の有志が“みらいのねいろ”というイベントをボランティアで開催しています。2008年のアメリカを皮切りに、ドイツや台湾にも出張してボカロ文化を広めています。さらにボーカロイドキャラは海外のアニメイベントでのコスプレの定番。元キャラの衣装だけでなく、さまざまな楽曲の動画に登場する服装でコスプレを楽しむ人も多いです。

“歌ってみた”のジャンルも国境を越えています。特に東アジアで人気で、歌い手自身が台湾や香港でライブを開催していたりもします。筆者も『ニコニコ大会議2011 in 台湾』を現地取材しましたが、日本で海外アーティストがライブに来たときのような熱烈歓迎を受けていてえらく驚きました。

 そうしたニコ動が育んできた文化はじわじわと浸透しているところですが、残念ながらサイト自体の知名度はまだまだ低いというのが現状です。あべちゃんいわく「米国は『初音ミク好きだけど、YouTubeで観てる』みたいな。台湾とかは『ニコニコ観てるよ』みたいな感じで、大会議のときは空港に着いたときに、すごい量の人が「ワァー!」って迎えてくれました」とのこと。動画は本人がYouTubeに投稿していなくても、ニコ動から無断転載されて広まるというケースもままあります。

 現状では、以前ドワンゴの川上会長にインタビューしたときと同じで、地固めの段階のようです。といっても広告を打つわけではなく、地道に各国のアニメイベントにブース出展してニコ動の楽しさを体験してもらうという方策をとっています。

ニコ動今昔物語ニコニコ国際交流編

↑ブース内にカメラを設置。来場者に話を聞く様子を生中継して、コメントが付く楽しさを布教している。

 あべちゃんも、「基本ニコ動って『よっしゃ攻めるぞ!』って感じじゃなくて、ユーザーの間で盛り上がったから支えますというタイプだと思う。ケーキ姫さんは、おもしろいものを嗅ぎ付けて来ていただいたパターン。そういうのを海外に仕込みにいこうとするのはつまらない。上からやるのはニコ動らしくないですよね」とバッサリ。

 動きを観れば内容がわかる動画は、言語の壁を越えて共感を伝えられるメディアですが、残念ながらニコ動で一番楽しいのは、コメントによるコミュニケーションです。つまり、投稿者だけでなく、同じ言語の視聴者もある程度いなければ、「俺もコメントを画面に流してみたいから投稿してみよう」というサイクルでユーザーを増やしていけません。海外でニコ動の遊び方がどう発見されるのか、今後の動向がやっぱり気になります。

■関連サイト
週刊アスキーチャンネル(ニコニコチャンネル)
ニコニコ超会議2

■週刊アスキー 連載ページ『ネット早耳かわら版』
 リニューアルしてパワーアップしたネット情報満載の連載ページ。SNSを使いこなすテクニックやウェブアプリやサービスの紹介、ソーシャルメディアの話題など、盛りだくさんの4ページでお届けしている。

■著者紹介-広田稔
 ウェブサイト“ASCII.jp”でMacやネットサービスなどのネタを担当。初期からニコニコ動画を取材し、2007年には笛のお兄さんの「Fooさん」を取材(関連サイト)していたりして、有り体にいえば“ニコ厨”(ニコ動好きな人)、好きが高じて『ニコニコ動画めもりある ~ニコニコ大会議編~』という書籍を執筆。

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