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憂鬱な? メロトロンの音をアプリで再現 ROLLY's ロックの殿堂Vol.13

2013年04月10日 20時00分更新

文● 藤本健 編集●相川真由美 撮影●岡田清孝

 全国FM放送系列であるJFN(JAPAN FM NETWORK)の番組でROLLYがパーソナリティーを務める『D.N.A.~ロックの殿堂~』。同番組内で展開している週アスのコラボコーナー第13回の様子をお届けします。

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 放送局によって放送日程は若干異なりますが、下記の放送局にて月に一度、第1週に放送しており、4月ぶんは7日より順次開始しております。

ネット局予定:FM秋田、FM新潟、FM富山、岐阜FM、Kiss FM、FM OSAKA、FM山陰、FM香川、FM徳島、FM長崎、FM大分、FM宮崎
※放送局、放送時間などは変更の可能性があります。詳しくは各放送局のHPをご覧ください。

 IPサイマルラジオ『radiko』でも聴取可能(一部地域限定)。auのスマートフォン用アプリ『LISMO WAVE』、ドコモのスマートフォン用アプリ『ドコデモFM』なら全国で聴取いただけます。

 メロトロンという60年代に誕生した電気楽器(電子ではなく電気です!)ご存じででしょうか? 今回ご紹介するのは、そのメロトロンを本当にソックリ再現することができるiPhone、iPad用アプリ、『Super Manetron』(マネトロン)です。

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 ROLLYさんが「メロトロンの音を聴いたことがないロックファンはこの世には存在しない」と断言するとおり、メロトロンは実に多くの音楽作品に使われてきた楽器で、たとえばザ・ビートルズの『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』、ローリング・ストーンズの『2000光年のかなたに』、レッドツェッペリン『カシミール』や『レイン・ソング』、そして、すかんちの『グレイブ・ディガー』など挙げていけば切りがなく、とくにプログレにおいては必要不可欠な楽器といっていいものです。

 メロトロンは現在、もっともポピュラーなシンセサイザーであるサンプラーの起源ともいえる楽器。35個ある鍵盤の下に、各鍵盤に対応した35台のテープレコーダーが設置されており、鍵盤を押すと、そのテープレコーダーが再生され、鍵盤を離すとバネで一気に巻き戻されるという、原始的ながら非常に精巧な機械です。

 「以前、私も実物を見てきましたよ。中には簾(すだれ)のようなテープのカートリッジが入っているんです」とROLLYさん。いずれも7秒の音が録音されているのですが、鍵盤によって音程がヨレていたり、音のスタート位置が毎回微妙に違ったりと、デジタル時代の現在では考えられないような動きをするのが逆におもしろいところ。

 そのシミュレーターであるSuper Manetronは、実存するメロトロンを35鍵それぞれ丁寧にひとつずつサンプリングしてつくったアプリ。

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 本物をサンプリングしているだけに、音もそのものです。メロトロンはテープのカートリッジを取り換えることによって、フルート、ストリングス、チェロと、音色を取り換えることができたのですが、Super Manetronなら設定で簡単に切り替えられます。

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 ROLLYさん、まずはメロトロンでもっとも有名なサウンドであるフルートの音を出し、『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』ふうに演奏したあと、1音だけを押し、「このフルート、それにしてもすごく陰気なサウンドで、なんかお葬式にでも使いそうなカンジね。1音弾いているだけなのに、すごく暗~い雰囲気が漂ってきます」と。

 音色をストリングスに切り替えると、「こっちの音色は完全にドラキュラ(岸田森さん)が出てきますな」とすっかりお気に入りの様子。

 このSuper Manetron、さまざまな効果をつけることもできます。トップ画面にある赤いパワースイッチをオンにすると、テープのモーターの駆動音がバックに鳴り出します。スイッチをオンにして若干、間をおいてから“ウィーン”と動き出すあたりにも本物っぽさを演出していますね。また、Mechanical Sounds Volumeというツマミを動かすことで、テープを巻き戻す“ガチャン”という音が追加されるのもノスタルジック。

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 あまり音量を上げすぎると違和感が出ますが、微妙に混ぜておくと、レトロっぽさを醸し出してくれます。

 番組収録当時はまだiPhone版しかなかったのですが、現在はiPadにも対応したユニバーサルアプリとなっており、iPadで使うとより使いやすくなっているほか、CoreMIDI対応によりMIDI鍵盤で演奏できるようになりました。

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 最後にACCNがフルートの音色で、ひたすら“ド”の音だけを鳴らしている状態でROLLYさんが、ギターをストロークで演奏。頭脳警察の『さようなら世界婦人よ』ふうなサウンドをすぐに再現しました。「たった1音しか弾いていないのに、この存在感!」とROLLYさんが絶賛するSuper Manetron。このレアな楽器がたった350円で手に入るんです、そうiPhone(iPad)ならね。

 番組や記事の感想はROLLYさんのツイッター(@RollyBocchan)まで。週刊アスキー本誌にも月一で掲載中です。次回もどうぞお楽しみに。

『Super Manetron』
●App Store価格:350円 (価格は記事作成時のものです)
●insideout ltd.

AppStore アプリをダウンロード

●関連リンク
JFN『D.N.A.~ロックの殿堂~』

welcome to ROLLY net .com(ROLLY公式サイト)

藤本健の“DTMステーション”
 

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