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NECアクセステクニカに直撃! 11ac対応無線ルーター搭載のスゴイ技術とは

2013年03月29日 18時00分更新

いろんな周波数ノイズをカットする技術を搭載したNECアクセステクニカの11ac対応ルーターがスゴイ!

 次世代高速通信規格として注目されているIEEE802.11ac。ようやく国の公的機関による電波法の改正が提示され、各周辺機器メーカーが対応製品の販売を3~4月にかけて行なうことを発表した。

 なかでもNECアクセステクニカの無線ルーターは、NECの中央研究所により開発されたとってもスゴイ独自技術をいち早く取り入れているという。さっそくNECアクセステクニカの本社にお邪魔して詳しく話を聞いてきたぞ。

いろんな周波数ノイズをカットする技術を搭載したNECアクセステクニカの11ac対応ルーターがスゴイ!
↑左から販売推進部の山本進義氏、開発本部の内田淳氏、安藤利和氏、長嶋繁松氏、小林準人氏。

――今回本体の形状が御社の従来製品とだいぶ異なるようですが、何かコンセプトのようなものがあったのでしょうか。

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 11acが新しい規格となりますので、先進的なイメージをもつ形であるということ、あと小型化を意識してスリム感をもたせたデザインとしています。

――壁掛けも意識されたように感じたのですが。

 

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 スタンドを付け替えて横置きにもなるのですが、この状態でスタンドのネジ穴を使って壁に掛けることも可能です。壁掛けだけでなく、横置きにする際も従来のようにただ横に置くといった感じではなく、リビングなどに置いても違和感のないおもしろみのあるデザインとなっています。

――御社の無線ルーターは、ずいぶん前から大型の外部アンテナを利用していませんが何か理由があるのですか?

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 利用するユーザーさんがどこに置かれるかわからないので、外部アンテナによって置き場所が限られるのを防ぐといった利便性と、デザインの多様性から内部アンテナのみとしています。

――今回の御社の製品には、“μ(マイクロ)SRアンテナ”と呼ばれる、米粒サイズに小型化されたアンテナが搭載されていますが、これだけ小さいと受信感度が弱いのでは?と懸念されかねないと思うのですが。

 アンテナの電波の受信効率などは、他社と比べても劣っていません。実は米粒大のアンテナ部分はアンテナのコアであって、電波の受信は基板の周囲も利用しているんですよ。つまりは、基板の側面の大きさくらいのアンテナが付いているのと同じようなものなのです。それを可能にしているのが、今回の最大の訴求ポイントである“μ(マイクロ)EBG”です。

新しい基盤
いろんな周波数ノイズをカットする技術を搭載したNECアクセステクニカの11ac対応ルーターがスゴイ!
従来の基盤
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――マイクロEBGというのは、合成素材のような特殊な合金のようなものなのですか?

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 素材というよりは、形状が重要なんです。この形を利用する周波数に合わせて変えることで、自然界に存在しない特性をもち、基板を伝播するLSIのノイズを遮断するんです。マイクロEBGは、形を変えることで別の周波数を利用する機器から発するノイズも遮断できます。そのため、今回は無線ルーターでしたが、ほかの機器にも転用が可能です。現在、モバイルルーターに転用するためにマイクロEBGの小型化も中央研究所といっしょに模索している段階なので、それが確立されていけばほかの機器への搭載も展開していくことになると思います。

――なるほど、では今後ほかの製品も高性能で小型化が進むかもというわけですね、期待しています。今回はお忙しい中ほんとうにありがとうございました。

 

AtermWG1800HP
いろんな周波数ノイズをカットする技術を搭載したNECアクセステクニカの11ac対応ルーターがスゴイ!

■まずは実測してみた!
 では、従来の製品との速度差はどうなのか。802.11ac(Draft)対応の『AtermWG1800HP』をお借りできたので、ASCII.jp編集部の協力のもと計測してみた。11acは、現状対応子機がないため『AtermWG1800HP』1台を中継機モードにして、子機としてノートパソコンに接続。802.11nの計測には、ノートPCに5GHz、300Mbps対応の子機を接続。ノートPC側にマイクロソフトのIISのFTPサーバーを起動して、1TB(1048120452バイト)のZIPファイルを転送して最大値計測。

いろんな周波数ノイズをカットする技術を搭載したNECアクセステクニカの11ac対応ルーターがスゴイ!
↑リンクアップ速度は、理論値である1300Mbpsが計測される場面もあった。

 結果、11nのダウンロード時の速度は約119Mbps、アップロード時は約122Mbps。11acのダウンロード時の速度は約404Mbps、アップロード時は約200Mbpsと11nの約倍と高速だった。計測した場所は、電波干渉の多い編集部だったことも考慮すると、環境によってはもっと速度が出るものと予想できる。今後、11acの標準化に向けて微調整されるごとに、ファームウェアアップされ、さらに安定した高速通信ができることを期待したい。

 また、今後週刊アスキーでは、さまざまな条件の下、詳細な検証を行なう予定です。ご期待ください。

■関連サイト
NECアクセステクニカ

(2013年4月1日22時20分追記)記事内の開発者名に誤りがありましたので修正致しました。内田敦氏となっておりましたが、正しくは内田淳氏でした。お詫びして訂正いたします。

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